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川崎重工業と三菱商事、バングラデシュの鉄道整備事業を受注
バングラデシュ。中央あたりに首都ダッカ(Dhaka)がある。[写真拡大]
2016年に東急建設が受注した、バングラデシュの鉄道事業に関連して、川崎重工業と三菱商事が、鉄道車両や設備などを受注することが明らかになった。日本経済新聞が報じた。
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工事は、国際協力機構(JICA)の円借款によって行われるインフラ整備事業の一環であり、受注される車両は100両ほど、受注額は数百億円に上る見通し。
バングラデシュ人民共和国は、インドの東側に国境を接し、インド洋に面した南アジアの国である。かつてはパキスタンの一部であったが、1971年に独立した。民族はベンガル人が大部分を占め、宗教は人口の9割程度がイスラム教徒。その昔は「黄金のベンガル」の異名をとる豊かな地域であったが、現在は、世界最貧国の一つに数えられるほど貧しい。
政治的には、2010年代になってからのバングラデシュは混乱が続き、反政府運動の激化により百人単位の死者を出している。
貧しい国であるのでその他課題は山積しているが、特に重要な問題となっているのが、インフラが未整備であることである。例えば、首都ダッカの周辺でさえ、交通網の整備が人口増加に追い付いていない。ちなみに人口そのものは約1億6,000万人と多く、国土が日本の約4割程度と狭いこともあって、人口密度は世界トップクラスである。
東急建設が受注したのは、首都ダッカの都市交通整備事業で、また同国初のモノレールとなるMRT6号線。ダッカ北部ウットラから、空港を経由し、同国の政治的中心部であるモティジールまでの20キロメートルを16駅で接続する。2019年に一部開通、2021年に全面開通を予定している。
川崎重工は車両、三菱商事は関連する機械や設備などを担当する。JICAによって行われている円借款は、ダッカの都市交通整備のほか道路網や火力発電などに回されるもので、総額1,735億円にのぼる。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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