ヤフー、野球チケットをAIで需要予測し価格変動方式で販売

2017年7月1日 11:50

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福岡ソフトバンクホークスのホームスタジアム、福岡 ヤフオク!ドーム。(写真:ヤフー発表資料より)

福岡ソフトバンクホークスのホームスタジアム、福岡 ヤフオク!ドーム。(写真:ヤフー発表資料より)[写真拡大]

 プラチナチケット、という言葉がある。スポーツ観戦などの、人気が高く入手しにくいチケットの事を指す。この種のチケットは転売などの対象になりやすく、適正価格でユーザーの手元に届けることが難しいが、Yahoo!JAPANは、福岡ソフトバンクホークスの協力のもと、AIで需要予測して日によってチケット価格を変動させ販売するシステムを、7月1日から運用開始する。

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 対象となるのは、7月17日以降に、福岡・ヤフオク!ドームで行われる、福岡ソフトバンクホークスのパ・リーグ公式戦ホームゲーム。当初この方式で販売されるチケットは、主に年間単位で販売される、人気の高いダグアウト上部エリア前方ブロック席(S指定席1塁側)である。

 価格変動のためのデータには、過去3年間の販売実績、リーグ内の順位、対戦成績、試合日時、チケットの売れ行きなど多様なデータが利用される。利用されるAIは、機械学習ベースのものである。

 価格変動方式での販売は、Yahoo!JAPANが運営する電子チケットサービス「PassMarket」において行われる。座席ごとの選択が可能、つまり指定席方式で、購入者は、電子チケットに記載された2次元バーコードで入場する。

 なお、この価格変動形式は、昨年実証実験が行われているが、実際の購入者からは「普段購入できないチケットを納得できる価格で購入できた」などの好意的な意見が多く、正式導入に踏み切ったものであるという。

 なお、これと並行して、人気のホームランテラスやホークス応援席のチケットの、「ヤフオク!」における販売も、これは昨年同様のオークション形式で、7月7日より行われる。

 近年、チケットの不正かつ高額な転売が社会問題となっている。今回の取り組みも、それを受けての改革の一環である。Yahoo!JAPANは、チケット流通の課題を解決するため、新たな仕組みを世に送り出そうとしているのだ。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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