関連記事
アマゾンジャパン、独禁法調査受け納入業者の最安値契約を廃止
(c) 123rf[写真拡大]
インターネット通販、電子商取引(EC)大手Amazonの日本法人であるアマゾンジャパンは、電子書籍などの取り扱い商材を納入する業者との契約を改め、これまで続けていた、競合サイトと同等以上の価格・品揃えを要求する、いわゆる「最恵国待遇(MFN)条項」を撤廃する方針を固めた。日本経済新聞が報じた。
【こちらも】アマゾン、取次大手日販との取引を一部停止、出版社と直接取引へ
これについては2016年8月から公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで立ち入り調査を行っており、また、欧州連合(EU)の欧州委員会も同様の調査を行っていた。
報道によると、今回のMFN条項撤廃は、電子書籍を提供する出版社と、「マーケットプレイス」という出品サービスの出品者に対する契約において行われるという。
EC市場に君臨する世界的王者であるAmazonが、最恵国待遇を要求することは、競合他社の参入を阻んでいる、と解釈される可能性もある。そういった事情で公正取引委員会が調査に乗り出したわけだが、当否の判断が示される前に、アマゾンジャパン自身が改善策を提案した形となる。
これを受け、公正取引員会は、改善策を5年間遵守することをAmazonに求め、調査を終結としている。
ちなみに最恵国待遇というのはもとを辿れば歴史の用語であり、国という言葉が使われていることから分かるように、国際貿易を巡って取り決められたものである。よく知られている例としては、幕末の日本が欧米の国々と「片務的最恵国待遇」を結び、これをのちの明治政府が19世紀末頃「双務的最恵国待遇」に改めた、という話がある。
なお、ECサイトを巡るMFN条約の問題は、日本ではこの事例が初の調査例となる。EUにおいては、Amazonのほか、英国などのオンライン旅行予約サービスが同種の問題について調査された例があるという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
スポンサードリンク