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国立公園を訪れた外国人観光客数、16年は初めて500万人突破
箱根の芦ノ湖から眺めた富士山[写真拡大]
環境省は7日、2016年に国立公園を訪れた外国人観光客が、推計で前年比11%増の547万7千人に達したと発表した。15年に比べると50万人以上増えた形となり、初めて500万人を突破した。最も多かったのは富士箱根伊豆国立公園(東京、神奈川、山梨、静岡)で257万7千人だった。
今回の調査結果は、観光庁の調査データを元に環境省が推計したもの。環境省は現在、「国立公園満喫プロジェクト」を打ち出し、外国人観光客の誘致を目指す国立公園のナショナルパーク化を加速させている。特に阿寒、十和田八幡、日光、伊勢志摩、大山隠岐、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、慶良間諸島の8カ所を重点地とし、「国立公園ステップアッププログラム2020」を策定。2020年を目標にインバウンド対応の取り組みを計画的・集中的に行っている。
最も外国人観光客数が多かったのは富士箱根伊豆だったが、二番目に多かったのは北海道の支笏洞爺(しこつとうや)で82万7千人、三番目は熊本と大分にまたがる阿蘇くじゅうで67万5千人だった。
国・地域別で見ると、中国からの観光客数が最多で約204万人となり、台湾からが約118万人、韓国からが約80万人、アメリカからが約19万人となっている。富士箱根伊豆は中国、アメリカからの観光客が多く、阿蘇くじゅうは韓国からの観光客が多かった。
環境省としては、2020年までに国立公園を訪れる外国人観光客数を1千万人にすることを目標としている。「国立公園満喫プロジェクト」のために、2017年度当初予算案と16年度補正予算案において計200億円を計上。また国立公園周辺に商業施設を整備できるように規制緩和も検討している。
少子高齢化で経済が停滞することが見込まれている中、「観光」は確実な成長が見込める分野。国立公園のブランド化は、観光立国を目指す政府の戦略の一環でもある。しかし外国人を案内できるガイドが不足しているという問題も起こっており、語学力のある人材の確保・育成をどう進めるのかが大きな課題だ。(記事:荒川・記事一覧を見る)
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