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増加する共働き世帯。夫が妻に対する満足度は81%、妻が夫に対する満足度は?
厚生労働省が2016年7月12日に公表した2015年版「国民生活基礎調査の概況」によると、共働き世帯数は1114万世帯を超えてさらに増加傾向にあることが分かった。
年々増えていく共働き世帯の嗜好やニーズを探るべく、住宅メーカ大手のパナホームが2016年5月、住宅の一次取得者層(30~40代前半)を対象に実際のモデルハウスでの仮説検証と、共働き家族が直面する生活の課題解決を目的に、生活者調査を実施した。
同調査では、子育て世帯の一般生活者を対象にグループインタビューを行った。また、1080名の生活者を対象にWEBで調査を実施。ただし、困っているポイントを明確にするため、調査対象者(妻側)の就業形態を正社員や週30時間以上勤務のパートタイムの人に絞り込んだ。
その結果、配偶者の家事に対しての満足度が、夫が妻に対する満足度は81%、妻が夫に対する満足度は57%となり、20%以上の開きがあることが分かった。双方の満足していない理由としては、妻側では夫の家事負担や役割が少ないこと、家事に対する姿勢が消極的であることなどが挙げられ、夫側としては、少数ではあるが、妻の家事の精度が悪いことや、家事にかかる時間が長いことが理由に上がっている。
住宅に関する不満としては、キッチンでは分別ゴミの保管場所が少ないことや、作業スペースがなく一気に料理ができないという悩みが多くの家庭で共通していることなども分かった。家具や家電などの問題や不満は、後からでも買い替えなどで対処することができるが、スペースの問題はどうにもならない。住む前、建てる前から十分に考えておかなければいけない問題だ。大掛かりなリフォームでも決断しない限り、不満が解消することはない。とくに家事に使える時間が限られている共働き世帯にとっては大きな問題になるだろう。
パナホームでは、これらの調査結果やこれまでのデータなどを参考に、共働き・子育て家族向け住宅として、居心地の良さをテーマにインテリア性を高めた空間提案と、家事効率化や子育てを支援する機能性を備えたCASART「Share Days」(カサート シェアデイズ)を7月に発売している。ネーミングには、家事や育児を分かち合い、日常を大切にするくらしという意味が込められているという。
また、調査結果をモデルハウスにも反映。一次取得者層向けに設えた居心地の良いインテリアや、同社のコンセプトプランである「家事楽(R)」、「KodoMotto(R)」を設えた、大阪・万博記念公園住宅展示場のモデルハウスを開設している。
家事の分担と考えると労働になってしまうが、共に過ごす時間が少ない共働き家族にとって、料理を一緒に作ったり、洗濯物を一緒に畳んだりすることは、絶好のコミュニケーションの時間でもある。妻と夫、それぞれの負担や不満を少しでも減らして、共働き世帯ならではの家族の交流を楽しみたいものだ。(編集担当:石井絢子)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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