三菱樹脂ら、薬用植物「甘草」の国内量産技術を確立

2015年7月15日 19:35

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人工光閉鎖型苗生産設備(三菱樹脂の発表資料より)

人工光閉鎖型苗生産設備(三菱樹脂の発表資料より)[写真拡大]

  •  甘草の圃場 (三菱樹脂の発表資料より)

 三菱樹脂とグリーンイノベーションは15日、両社が開発した甘草の国内栽培技術で、医薬品原材料として使用可能な、国内での甘草の量産化に一定の目途が立ったと発表した。

 甘草などの薬草の生産国では、野生品の乱獲が問題となり、薬用植物資源保護の観点から採取制限が実施される動きがあるため、消費国においては薬草の安定確保が大きな課題となってきている。中でも、漢方薬の約7割に使用されている甘草は、そのほとんどが野生品であり、かつ、すべてを海外からの輸入に頼っていることから、国内での栽培が急務となってきている。

 今回、様々な試験栽培と、全国各地(北海道〜沖縄までの30数カ所)での実証栽培の結果、目量産技術を確立することができた。実績として、2014年秋の収穫物に関しては、第16改正日本薬局方基準(グリチルリチン酸含量2.5%以上)を満たす、収穫物全体の平均含量で2.8%を達成し、医薬品原材料として国産甘草が利用できる可能性を示したとしている。

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