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筑波大、相模湾で新種の海産動物50種を発見
相模湾とその周辺海域の調査で発見された新種の動物。A、B: 節足動物門 甲殻亜門 軟甲綱 タナイス目。C: 節足動物門 甲殻亜門 軟甲綱 等脚目。D: 紐形動物門。Regional Studies in Marine Scienceに掲載された論文から引用。[写真拡大]
筑波大学の中野裕昭准教授らの研究グループは、相模湾とその周辺海域から、新種の海産動物約50種の採取に成功した。
相模湾とその周辺海域は、世界的にもその動物相が最もよく調べられている海域の一つとなっているが、これまでの調査は数百メートル以深の深海に偏りがちで、さらに10cm未満の動物種はあまり詳しく調べられていなかった。
今回の研究では、相模湾を計6回調査し、ドレッジや採泥器といわれる機器で海底の砂や泥を調査船上にすくいあげ、その砂・泥を濾すことでその中にいる動物を探した。まだ種の同定が終っていないサンプルも多数残っているが、これまでに少なくとも18門250種以上の動物が見つかっており、それには約50種の新種が含まれている。さらに、これまでは水深30~950mの海底からしか見つかっていなかった種が水深4mで発見されるといった成果も出ている。
今後は、さらに相模湾周辺の海域で調査を重ねていき相模湾の動物相を解明すること、そして動物だけでなく、植物や微生物を対象にした調査を実施することが期待されている。
なお、この内容は「Regional Studies in Marine Science」に掲載された。論文タイトルは、「JAMBIO Coastal Organism Joint Surveys reveals undiscovered biodiversity around Sagami Bay」(JAMBIO沿岸生物合同調査によって判明した相模湾とその周辺海域のこれまで知られていなかった生物多様性)。
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