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筑波大、イモリの網膜再生メカニズムを明らかに ヒトの網膜再生技術への応用に期待
研究の概要を示す図。成体イモリのRPE細胞が形態的特徴やRPE65遺伝子の発現を失うことなく、多能性因子(c-Myc、Klf4、Sox2)やMitf、Pax6を新たに発現することが明らかになった(筑波大学の発表資料より)[写真拡大]
筑波大学の千葉親文准教授らによる研究グループは、成体イモリにおける網膜再生の初期過程を高い分解能で解析することに成功した。
眼球内にある網膜色素上皮(RPE)は、ヒトの場合は細胞分裂をしないため、外傷によって失明に繋がる恐れがある。一方で、イモリの網膜は再生するため、外傷性網膜疾患の治療と網膜再生を研究するための良いモデルとなっている。
今回の研究では、成体イモリの網膜色素上皮がどのような状態の多能性細胞に変化するのかを調べた。その結果、胚や幼生期のように直接的に網膜幹細胞や網膜前駆細胞にリプログラムされるのではなく、成熟した細胞の特徴を一部保持したまま、初期眼胞に特徴的な遺伝子を発現する状態の多能性細胞にリプログラムされることが明らかになった。
今後は、イモリとヒトの再生能力の違いを分子レベルで解明し、新たな網膜再生治療に繋がると期待されている。
なお、この内容は「Scientific Reports」に掲載された。
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