過半数以上の議員が逮捕された青森県平川市の大騒動

2014年8月3日 20:57

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

青森県平川市議会では大変な事態が起きている。平川市長選(1月26日投開票)をめぐる選挙違反事件で計15の市議が逮捕された。過半数を超える大量の議員が逮捕される事態に混乱が広がっている。

青森県平川市議会では大変な事態が起きている。平川市長選(1月26日投開票)をめぐる選挙違反事件で計15の市議が逮捕された。過半数を超える大量の議員が逮捕される事態に混乱が広がっている。[写真拡大]

 青森県平川市議会では大変な事態が起きている。平川市長選(1月26日投開票)をめぐる選挙違反事件で計15の市議が逮捕された。過半数を超える大量の議員が逮捕される事態に混乱が広がっている。

 これは大川前市長の支援者側が現金を市議に渡し、買収したという事件で、公選法違反に問われた。この選挙、再選を目指す大川氏と県議会議長を務めた長尾氏の対決。両者とも自民党籍を持ち、昨年10月にそれぞれ県連に推薦願を提出したことが、激戦の発端となった。小さい市の選挙は自民党の県連をも巻き込み、その自主投票の判断を巡って、当時の県連会長が辞任するなどの混乱もあった。その後、両者とも推薦しない結論に至り、両陣営とも選挙に臨んだ。

 選挙では新人の長尾氏が当選した。最終的な投票率は69.13%、長尾氏が10.654票、大川氏が8,328票。2,000票以上の差がついた。

 平川市は青森県にある人口3万5千人の市である。津軽平野の南端に位置し、弘前市などに接している。2006年1月に南津軽郡尾上町・平賀町・碇ヶ関村が合併して発足した合併自治体。コメ、リンゴが名産で、「世界一の扇ねぶた」があり、温泉も多い。

 今回の市長選挙は両者の公約にも大差がなく、そもそも争点もなかったようである。市政をチェックしてみても、票の取りまとめの報酬に現金を授受するほど利害が対立した案件は見受けられない。大川氏、長尾氏ともに旧平賀町議会出身で旧合併地域の利害対立の選挙のようには(表面的には)見えない。しかし、票をカネで買う「津軽選挙」という言葉があるように独特の風土で知られるこの地方では1950年代以降、大胆な違反が横行したという歴史があり、派手な現金のやり取りはここ20年下火になったという背景があった。

 逮捕された議員の年齢の高さは特徴的だ。60歳代が多い。しかし、今回は選挙違反であって、腐敗とまでは言いきれないだろう。議会の取組みをみても市政について真剣に議論するなど議員としての役割は果たしてきた。しかし、議会のほとんどの議員が絡んでしまったこの事件である。今回の悪いニュースは、まちづくりやシティセールスに励む市役所や市民にとっても痛手であろう。大きなイメージダウンである。(編集担当:久保田雄城)

■関連記事
議員定数削減にスピード感持ってと海江田代表
撤回した計画が再議論 議員宿舎建替えは必要か
党内からも総選挙で信問う提案あった
滋賀県知事に元民主議員が当選 地方選の争点に「原発」の是非
「天下り」とは本当は何か?千葉市の場合から読み解く

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連記事