産総研、人工生物発光酵素の作成に成功 従来の100倍の明るさ

2014年5月2日 17:45

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 産業技術総合研究所(産総研)の金誠培主任研究員らは、カイアシ類の発酵酵素のアミノ酸を再配列することで、自然界の発酵酵素とは異なる「人工生物発光酵素」の作成に成功した。

 生物の中には光を放つ(発光する)機能を持つものがあり、ライフサイエンスや環境などの分野で活用することが期待されてきた。しかし、そのための設備を小型化したり、明るい光を得て持続させたりすることには課題も多かった。

 今回の研究では、分子量が小さく発光強度の強いカイアシ類に注目し、発酵酵素のアミノ酸配列を再配置することで、これまでのものと比べて約100倍の強い光を発する酵素を作り出すことに成功した。この酵素は、光を失う半減期が約20分と、持続性の点でも優れている。

 この研究成果は、病院での診断マーカーや、水中の物質を分析する環境診断など、様々な分野で応用が可能であると期待されている。

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