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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】星光PMCは再動意のタイミング、セルロースナノファイバーに対する期待感
製紙用薬品の星光PMC <4963> の株価は、急騰した3月高値から反落したが足元では過熱感が解消している。セルロースナノファイバーに対する期待感が強く、調整が一巡して再動意のタイミングだろう。
DIC <4631> の子会社で製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業を展開している。高付加価値・差別化商品の市場投入・拡販、セルロースナノファイバー(CNF)や導電性ナノ材料(銀ナノワイヤ)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進している。さらに事業領域拡大に向けて14年4月には、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継したKJケミカルズを子会社化した。
CNFは自動車用樹脂の強度・寸法安定性向上や金属部材置換、家電・モバイル機器の軽量化などでの需要が期待され、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業として早期事業化を目指している。13年2月には経済産業省イノベーション拠点立地推進事業に採択され、補助金を活用して竜ヶ崎工場にパイロットプラントを設置し、14年度からサンプル供給を開始する予定だ。
なお4月2日には、4月16日~18日に開催される「第5回高機能フィルム展 フィルムテックジャパン」に出展すると発表した。光学用透明粘着剤、銀ナノワイヤ水性分散液、そして機能性モノマー(KJケミカルズ)などを出展する。
今期(14年12月期)の連結業績見通しは売上高が261億60百万円、営業利益が11億円、経常利益が11億80百万円、純利益が7億30百万円としている。前期(13年12月期)が9カ月決算のため単純比較はできないが、前年の同期間(13年1月~12月)との比較で見ると21.7%増収、19.2%営業増益、8.0%経常減益、14.7%最終減益となる。
為替差益一巡や税金費用正常化で経常減益、最終減益の見込みだが、需要回復、高付加価値・差別化商品の拡販、プロダクトミックスの改善、事業領域の拡大、海外事業の収益改善などの効果で、ロジンなど原材料価格の上昇を吸収して営業増益見込みだ。新規連結のKJケミカルズの業績見込みを織り込んでいるが、負ののれん発生が予想される特別利益は現時点で金額算定が困難なため織り込んでいないとしている。通期利益上振れ要因となりそうだ。
中期経営目標としては、18年12月期の連結売上高350億円(製紙用薬品事業200億円、樹脂事業150億円)、連結営業利益35億円、売上高営業利益率10%、海外事業売上高比率20%、新規事業領域売上高比率10%を掲げている。
株価の動きを見ると、次世代素材のCNFを材料視して急騰した3月の高値1978円から利益確定売りで急反落した。一旦は3月中旬の1300円台から3月下旬の1600円台まで反発したが、その後は全般地合い悪化も影響して水準を切り下げた。4月14日には1182円まで調整する場面があった。CNF人気が一巡した形だが過熱感は解消している。
4月14日の終値1189円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS24円07銭で算出)は49倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.0%近辺、実績PBR(前期実績連結BPS663円98銭で算出)は1.8倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んだが、週足チャートで見ると13週移動平均線が接近してサポートラインとなりそうだ。再動意のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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