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日立、ロンドンに原子力研究の開発拠点を設立 欧州の予防保全技術を取り入れ
日立製作所は10日、英国のロンドンなどに研究開発拠点「欧州原子力研究センタ(European Nuclear Research Centre:ENRC)」を2014年9月末までに設立すると発表した。欧州の先進的な予防保全技術や原子力施設の廃炉技術を取り入れ、安全で高効率な原子力技術の開発を目指すという。
同社によると、同拠点では、大学との共同研究で欧州が蓄積してきた先進技術と日立のBWR(Boiling Water Reactor:沸騰水型原子炉)技術を融合し、より安全で高効率の原子力技術を開発するという。
具体的には、原子力施設内で作業する作業員の放射線被ばく量を低減する技術や原子力プラントの稼働率を高める技術を開発し、英国で開発するBWRの設計への適用を目指すという。また、これらの活動を通して、日立のBWR技術を理解する人材を現地で育成することや、中長期課題である廃棄物量の削減、原子力施設の廃炉コスト低減についても取り組むという。
英国は、1956年に西側諸国初の原子力発電所とされるコールダーホール原子力発電所の商業運転以来、原子力発電所の建設、予防保全、廃炉などさまざまなノウハウや技術の蓄積がある。特に研究開発は、大学を中心に材料や計測技術など、基盤研究に強みを持っており、最近では、廃棄物処理や廃炉に関する研究開発が積極的に行われている。
日立は、今回の拠点設立に先立って、4月1日から英国の6大学と先端メーカー等で構成される非破壊検査の研究コンソーシアム(Research Centre in Non-Destructive Evaluation:RCNDE)に参加し、英国での産学連携による取り組みに着手していた。
同社は、欧州の先進技術と自社が有する原子力技術を融合して、高信頼・高効率な原子力プラントのグローバル展開を進めるほか、国内原子力施設の廃炉などの中長期的課題の解決に積極的に取り組むとしている。
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