欧米為替見通し:米国のテーパリング観測、中国のデフォルト懸念

2014年1月24日 17:08

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記事提供元:フィスコ


*17:08JST 欧米為替見通し:米国のテーパリング観測、中国のデフォルト懸念

本日24日の欧米市場のドル・円は、来週の28-29日の連邦公開市場委員会(FOMC)のテーパリング(量的緩和縮小)への思惑、31日に満期を迎える中国工商銀行の理財商品のデフォルト(債務不履行)懸念などで上げ渋る展開が予想される。

ドル・円は、ダブルトップ(105円45銭・105円42銭)が完成していること、124円14銭から75円32銭までの下落トレンドに対するフィボナッチ・リトレースメント61.8%戻しの105円49銭に到達したことで、調整局面に入る可能性が高まりつつある。

2008年9月のリーマン・ショックへの対応策として、バーナンキFRB議長は、3兆ドル超の流動性を供給し、米国連邦準備理事会(FRB)のバランスシートは4兆ドルまで増大した。

中国の外貨準備高も4兆ドル弱に増大し、信用残高は、9兆ドルから23兆ドルまで14兆ドル増大した。

しかし、バーナンキFRB議長が1月末の退任に向けてテーパリング(量的緩和縮小)、流動性の回収を始めたことで、中国からの資本流出懸念が高まっている。

31日に満期を迎える中国工商銀行の理財商品(30億元)に関して、中国工商銀行会長は、「信託商品の投資家に損失補償しない」と述べており、デフォルトへの警戒感が高まりつつある。

米国の住宅バブル市場の崩壊は、2007年8月のパリバショックを契機とするが、中国信用バブルの崩壊のカウントダウンが始まっているのかもしれない。

周小川中国人民銀行総裁は、バーナンキFRB議長とドラギ欧州中銀総裁の金融危機対応策を習得していると期待されているのだが。

【今日の欧米市場の予定】

21:30 ブラジル・12月経常収支(予想:-67億ドル、11月:-51.45億ドル)
22:30 加・12月消費者物価指数(前年比予想:+1.3%、11月:+0.9%)
02:00 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁講演(「危機から安定への道」、ダボス)《KO》

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