【コンビニ 2014年の展望】「5万店限界説」を払拭し、大量の新規出店と売上規模の拡大がなおも続きそう

2014年1月6日 14:23

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記事提供元:エコノミックニュース

 コンビニは、小売業の中でも数少ない成長業態であり続けている。直近の10年間で、百貨店の市場規模が約3割、スーパーの市場規模が約2割縮小したのに対し、コンビニは逆に約3割の拡大をみせた。2013年度の全店売上高は上位9社だけで6.6%増、市場規模は10兆円に達すると見込まれている(日本経済新聞社「コンビニ調査」より)。

 セブンイレブン・ジャパン(セブン&アイHD<3382>傘下)、ローソン<2651>、ファミリーマート<8028>の「コンビニ3強」の2014年は、好調だった2013年の戦略をそのまま受け継ぎながら、さらに上を目指すことになりそうだ。新規出店は、大都市圏は飽和状態でも地方にはまだまだ余地があると言われている。

 セブンイレブンは前年度比でプラス100店の1600店を予定し、ローソンは1000店、ファミリーマートは1500店と報じられているが、出店、出店、また出店の「量の戦い」によりセブンイレブン、ローソンとの規模の差を縮めようとするファミリーマートは、どこかで再びセブンイレブンと同じ1600店にピタリと合わせてくるかもしれない。ドラッグストア、調剤薬局との複合型店舗が出店の大きな柱で、5年間で1000店舗規模まで拡大する方針だ。

 セブンイレブンを、従来のリアル小売店舗とネット通販が融合した「オムニチャンネルの拠点」と位置づけるのがセブン&アイHDである。グループ内のネット通販で購入した商品の受け取りも返品もセブンイレブンでできるなど「ステーション化」で来店頻度をさらに高めようという戦略だ。「健康」を基本コンセプトに据えたローソンは、「ナチュラルローソン」を2018年には全国3000店舗に拡大し、同じ時期に医薬品の取扱店舗も3000店に増やす計画。商品も2016年に食品アイテムの約600品目を健康志向のものに置き換えるという。

 各社とも「単身の若い男性」が中心だった従来の客層を、入れたてコーヒーで開拓できた女性層、食品スーパー代わりに利用する主婦層、健康、医薬品を接点に利用が掘り起こせる高齢者層などに拡大すべく、2014年もあの手、この手の戦略を繰り出すだろう。

 海外店舗が5万店を超えるセブンイレブン、1万店を超えるファミリーマートに対し2013年11月末で482と数の上で出遅れているローソンだが、ASEAN諸国で5000店舗を出店する構想を持っている。この先、国内市場が飽和すれば海外に活路を見出すしかなく、海外事業で稼げる体制の確立が大きな課題である。

 コンビニはアメリカで始まった業態で、セブンイレブンが日本で第1号店をオープンさせてから2013年11月でちょうど40周年になった。歴史は浅いが今ではすっかり「日本化」し、日本人の生活には欠かせない存在になっている。東日本大震災の被災地でも避難所や仮設住宅の近くで臨時開設のコンビニが真っ先に開店し、「準ライフライン」とみなされていた。「全国で5万店舗を超えると飽和点に達する」と限界説がささやかれていたが、2014年も強気の新規出店が続く。

 家電量販店などで問題になっている、店内では商品の現物を見るだけでネット通販で注文される「ショールーミング」とは無縁。食品や日用品などデイリーユースが中心で商品の購入単価が低いため、消費増税前の駆け込み需要もその反動減の影響も小さくてすみそうだ。2014年もコンビニの売上拡大はまだまだ続きそうな気配である。(編集担当:寺尾淳)

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