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東芝、英原発会社買収のねらいとは? 「次世代原発プロジェクト」が背景に
東芝の田中久雄社長は26日、英原発事業会社ニュージェンの買収について、「早ければ来年1月に最終合意する見通しだ」と述べたとロイターなどが報じた。
23日には、スペイン電力大手イベルドローラが、ニュージェン株式50%を東芝に約140億円で売却することで合意したと発表した。東芝はさらに、ニュージェンに折半出資する仏電力大手GDFスエズからも株式を一部取得する方向で交渉している。
ニュージェンは、イギリス北西部にあるセラフィールドに発電能力3.6ギガワットの原発建設を計画している。東芝は子会社の米ウェスチングハウス社を通じ、現地に原子炉「AP1000」3基を建設したい考えだ。同案件の規模は1兆5000億円にのぼる見込み。
【東芝のねらいはあくまでも原発建設】
東芝は、ニュージェンの株式を100%取得するつもりはなく、GDFスエズが電力オペレーターとして残るとしている。また、原子炉建設後、過半数の株式を徐々に減らしていくという。田中社長は、「我々は原子炉プロバイダーであり、原子力プロバイダーではない」と述べている。
2011年の福島事故後、同社の原子力事業の国内需要は消滅。また、北米では安価な天然ガスのため原子力の利益が縮小している背景があるとウォール・ストリート・ジャーナル紙は指摘した。
セラフィールドの原発計画は、イベルドローラが債務リストラを余儀なくされたため12ヶ月遅れていると英テレグラフ紙は報じている。今回の過半数の株式取得は、イギリス政府が遅れで苛立っている同計画を進めるために必要だったと田中社長は語っているという。
【数少ない原発推進国イギリスに、アジアの原発メーカーが注目】
イギリス政府は温室効果ガス削減目標を達成するため、次世代の原子力発電プロジェクトを推進している。今後10年をかけ、老朽化した石炭火力発電所や原発を廃止していく予定だ。
同政府は2ヶ月前、同国南西部のヒンクリーポイントに、総事業費160億ポンドの原子力発電所を建設する契約をフランス電力公社(EDF)と締結。中国広核集団と中国核工業集団はEDFに出資した。
ただ、この契約をめぐり、EDFに提供した政府保証は「経済的に非常識」という英仲買会社リベルム・キャピタルのアナリストのコメントをガーディアン紙は掲載。欧州連合(EU)も、この契約は国家補助規制違反の疑いがあるとし調査中である。
一方、日本企業では日立が昨年、英原子力発電会社ホライズン社を買収している。
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※この記事はNewSphereより提供を受けて配信しています。
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