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【近況リポート】東洋ドライルーブ・今期展望:自動車など環境が好転、今6月期も連続増収大幅増益へ
優れた技術で多様なドライルーブを一貫生産し販売・コーティング加工を行う東洋ドライルーブ<4976>(JQS)は順調に業績を伸ばし、前13年6月期連結業績は増収増益となり、期末配当15円(年間30円)を据え置いた。[写真拡大]
■「新製品開発」「生産性向上」で"営業利益率"の改善を進める
優れた技術で多様なドライルーブを一貫生産し販売・コーティング加工を行う東洋ドライルーブ<4976>(JQS)は順調に業績を伸ばし、前13年6月期連結業績は増収増益となり、期末配当15円(年間30円)を据え置いた。今期14年6月期も、連続増収とともに営業利益率改善による大幅増益を見込み、安定配当を継続することで株主還元を図るため年30円配当を実施する方針だ。
今期の経営環境は、自動車関連企業が生産増加へ大きく転換し、日本経済を牽引する力強い動きを示すなど、様変わりともいえるって状況だ。同社はこうした取引先業況を踏まえ、新商品開発、ドライルーブ未使用業界への営業活動を強化して事業領域の拡大に取組むなど積極的業務展開で業績伸長を目指し、さらに、本格稼動で業績貢献度を高めている「DLタイランド」(タイ)の伸長を視野に入れ、売上高5,005百万円(前期比5.6%増)と連続増収を見込む。利益面では、製造原価並びに販管費の増加で利益率が低下した要因となった取引先からの強い価格協力要請も克服するなど生産性向上により営業利益415百万円(同、14.2%増)と大幅増益を見込んでいる。前期の為替差益(前期175百万円)は一時的要因と見て考慮せず、経常利益460百万円(同、17.3%減)、当期純利益289百万円(同、9.3%減)と手堅く見込んでいる。
■事業活動のイノベーションを推進~技術を基盤に「製品開発」「品質保証」「アジアなど海外展開」など、重点戦略に挑戦
今後の事業展開へ向けた全社共通の課題として、「事業活動のイノベーション」を取り上げ、成長エンジンの一段の強化を進める。具体的重点戦略、Ⅰ.新商品の開発、Ⅱ.アジア・グローバル戦略、を明らかにした。
共通課題である事業活動のイノベーションについては、1)製品開発:「配合技術」、「分散技術」へ取り組み、新配合技術の開発による製品ラインナップの拡充、新しい分散技術の採用、2)加工生産:新コーティング手法を採用した「加工技術」、品質保証体制を刷新「品質管理」を徹底する、3)営業・販売:「既存市場」「新規市場」「海外市場」それぞれの市場特性に留意したターゲットの明確化など、具体的テーマを掲げ実効を目指す。
1.新商品の開発
直近開発した主な新製品としては、1)発熱被膜、2)放熱被膜、3)撥水・撥油被膜、4)DLC被膜、5)SUS316コート、6)ナノシルバーコート、の6つの新製品があり、特に、1)発熱被膜2)放熱被膜、3)撥水・撥油被膜の3製品は、性能、加工法、用途など多角的展開ができる点で戦略商品として期待している。
1)発熱被膜は、電極に低電圧を印加すると被膜自体が熱エネルギーを発生する被膜のことだが、シートヒーター、温調設備への展開が期待される。 2)放熱被膜は、電磁波による熱の移動に注目して開発されたが、素材の上に熱放射特性の高い被膜をコーティングすることで放熱特性を高めることが出来る。特に、効率的に熱を逃すから、素材の劣化防止に適しており、自動車部品・照明器具など熱を下げたい箇所に放熱機能を施すことが出来る。 3)撥水・撥油被膜は、媒体の表面張力の差を活用し撥水・撥油機能を発揮させるから、液滴を滞留させずに滑落させる。
2.アジア・グローバル戦略
アジアでの海外拠点は、中国に100%子会社(1社)、合弁会社(2社)計3社、タイに合弁会社1社、ベトナムに100%子会社1社で全部で5社が活動している。いずれも、中国/ASEANの生産拠点として設置したが、ベトナムは来年4月試作品製造を行い7月に稼動を開始する予定。タイのDLタイランドは設立直後の洪水で本格稼動が遅れたが、前期はフル稼働で連結業績に大きく寄与している。海外拠点は、中国/ASEAN諸国へ進出している日系企業並びに外資企業・現地企業への営業活動を行い、取引拡大に取り組む。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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