日清食品、南米コロンビアに現地法人を設立 即席麺を販売

2013年8月22日 17:18

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 日清食品ホールディングス(HD)は22日、南米コロンビアにおいて現地法人「コロンビア日清」を独資で設立し、今年8月より同国でインスタントラーメンの販売を開始したと発表した。

 今回、コロンビアの食文化、味の嗜好などに合わせ、同国市場向けに新しくカップ麺と袋麺製品を開発した。フレーバーは地鶏味、チキン味、ビーフ味の3種類。コロンビアにはスープに入った長い麺を食べる習慣がないため、麺は短くカットしスプーンでスープと一緒に食べられるようにした。当面の間は、日清食品HDの子会社であるアメリカ日清から製品を輸入して販売する。なお、コロンビアとアメリカはFTAを締結しているため非関税となる。

 コロンビアは約4,600万人(南米ではブラジルに次ぐ第2位)の人口を有しており、出生率も高いことから、2020年までに人口が5,000万人を超えると推測されている。また、近年では治安の改善が著しく、それに伴って経済も堅調に伸長しているため、コロンビアのGDPは数年のうちにアルゼンチンを抜き、南米第2位になると見込まれている。さらに、平均年齢が約30歳と若く、一人当たりGDP(名目)が7,000ドルを超えて個人消費も活発化している。

 コロンビアにはインスタントラーメンを製造している会社がなく、まだ市場は形成されていない。しかし、都市部では経済成長に伴って生活スタイルが変化し、食事に簡便性が求められ始めている。さらに、パスタなどの麺食文化が普及していることや、伝統的に多様なスープ文化が存在していることからインスタントラーメンの潜在需要が高く、将来的には年間4億食を超える市場になると判断した。

 なお、日清食品HDは南米地域において、ブラジルの日清味の素アリメントスを通じ、ブラジルとアルゼンチンで事業を展開している。

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