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三菱重工とJAXA、放射性物質を可視化する特殊なカメラ装置を共同開発
『ASTROCAM 7000HS』イメージ(プロトタイプ機『ASTROCAM 7000』)(画像:三菱重工業)[写真拡大]
三菱重工業と独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は15日、放射性物質の分布状況を可視化する特殊なカメラ装置「放射性物質見える化カメラ」のプロトタイプ機『ASTROCAM 7000』を共同開発したと発表した。これはJAXAが中心となって開発に成功した「超広角コンプトンカメラ」をベースに改良したもので、感度、画像、視野角などでこれまでにない優れた性能を実現した。
現在、JAXA、三菱重工に名古屋大学を加えた開発チームが、「先端計測分析技術・機器開発プログラム」を推進する独立行政法人科学技術振興機構(JST)の協力を得て、プロトタイプ機の更なる高感度化と早期実用化に向けた開発に取り組んでおり、その成果をもって今年度内に三菱重工が商用機『ASTROCAM 7000HS』を市場投入する。
超広角コンプトンカメラは、JAXAが中心となって三菱重工と共同で開発を進めてきた「衛星搭載用ガンマ線検出器」の技術を応用したもの。JAXAと独立行政法人日本原子力研究開発機構(JAEA)は今年2月、このカメラが地上での放射性物質の分布の可視化に非常に有効であることを実証しており、この実証が「放射性物質見える化カメラ」開発の起点となった。
「放射性物質見える化カメラ」は、放射線の飛来方向とそのエネルギー(波長)をリアルタイムで同時に測定可能で、放射性セシウム134(Cs-134)、同137(Cs-137)、放射性ヨウ素(I-131)など、ガンマ線を放出する物質の識別ができるのが特徴。測定は20~30mの距離から可能で、家屋の屋根や敷地など広範囲に集積した放射性物質の分布状況を簡易に画像化することができる。
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