企業内研修の有効活用について

2012年10月18日 15:22

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■企業内研修の実施 
 数年前から当社のクライアント先で管理職を主体とした研修を実施している。研修内容は管理職としての論理思考力強化、マネジメント・リーダーシップ力強化をはじめとして経営管理、財務管理、人事労務管理、営業管理、マーケティング・商品企画、設計管理、生産管理、購買管理、原価管理、製造管理というように多岐にわたっている。

■『研修を企画・実行する側』と『研修を受ける側』の想い
 この研修は経営トップの人材育成に対する強い想いから実行されているが、研修を企画・実行する経営側と研修を受ける管理職側からの両面から考えてみたい。

■経営側(企画実行側)
 経営側としては「経営は人なり」といわれるように、経営資源の「人、もの、資金、情報、技術」の内、この人材という資源を如何に高めるかが重要なテーマになっている。よく、人材を人罪・人在ではなく人財に高める事が企業の成長を支えると言われる。

・人材  一般的な表記。企業活動上での人的な「材料」との考えを示したもの。
・人財  技能等を習得し、長期にわたり企業を支え、利益をもたらす人のこと。
・人罪  利益ではなく、企業に損害を与える人のこと。
・人在  言われた仕事しかせず、ただいるだけの人のこと。

 この人財を作る為には、仕事をする上で「論理思考力強化、マネジメント・リーダーシップ力強化」というようなインフラとなる知識・技能の研修、各部門の仕事をプロとしてこなす「営業管理、マーケティング・商品企画、設計管理」というような専門性を高める為の研修の両輪が必要と考える。

 大手企業はこの人材育成の為の研修の仕掛けが体系的に企画・実行されているが、中堅・中小企業はこのような研修を体系的に実施していない場合が多い。

 本来は企業の規模に関係なく、むしろ中小企業ほど人事制度の中で人材育成の為の教育研修を一過性ではなく、継続的に実施していく必要があると考える。

■管理職側(受ける側)
 一方、研修を受け、学ぶ側にも研修を実務に活かし、自分の血となり肉となる行動が必要である。技術は知識×活用力と定義しており、いくら研修で知識を頭に入れても、それを活用する事がなければ技術、ノウハウにならない。

 研修を受ける時点でこの研修を受けて、自分の仕事の何に活かするかを明確に考えていなければ、ただ研修を受けただけに終わり、有効な研修とならない。研修を企画する側は、有効な研修になるように様々な検討をするが、研修を受ける側の学ぶ姿勢、活用方法に問題がある場合が多い。

■求められている研修
 当社はコンサルティングが主体で研修は今まで主体的に実施してこなかったが、最近、企業のニーズの変化から、企業内研修が増加しており、研修を受ける側の学ぶ姿勢を醸成しながら、仕事の役に立つ、成果がでる研修を今後実施していきたいとと考える。

著者プロフィール

中山 幹男

中山 幹男(なかやま・みきお) 株式会社A&Mコンサルト 代表取締役

大阪大学工学部機械学科卒業後、大手自動車メーカにおいて商品企画、設計・開発、品質管理、環境対策業務等に従事。その後大手コンサルティングファームの経営コンサルタントとして7年間勤務。
韓国の大手家電メーカを手始めに製造業を中心としたコンサルティングを実施する。1997年に「現場主義を貫き、行動的に活動して成果を出す経営コンサルティング」を目指し、A&Mコンサルトを設立し現在に至る。激変の環境変化の中で、企業の永続的な存続を前提に戦略構築、仕組改革、組織風土改革のトライアングル視点で企業の体質強化を図る。
会社URL  http://www.a-and-m.biz

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