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日三菱製紙が磁性吸着剤を用いた放射能除染システムを実証実験
三菱製紙が、つくばR&Dセンターにて開発していた磁性吸着剤(CS-Catch)を用いた放射能除染システムについて、一定の除染性能および耐久性などの実用性が確認できたため、福島県で実証実験を行うと発表。磁性吸着剤を大量生産する際には、福島県西白河郡に所在する三菱製紙の白河事業所を計画している。
放射能汚染地域において、放射性セシウムは土壌、汚泥、草木、瓦礫等の広い範囲にわたって分布している。さらに、可燃性瓦礫や草木を焼却すると、放射性セシウムが高濃度に濃縮された焼却灰が発生。これらの焼却灰は水に接触すると放射性セシウムが容易に溶出するため、このような溶出リスクを低減できるような焼却灰の安全な処理方法が求められているという。
こうした中、同社は焼却灰に含まれる放射性セシウムが比較的簡単に水中に溶け出すことに着目。放射性セシウムを含む土壌や焼却灰と磁性吸着剤を水中で懸濁し、溶出した放射性セシウムを無機吸着剤部分に吸着させた後に、超伝導磁気分離装置を用いて磁性吸着剤だけを懸濁液から分離する同システムを開発した。主な特徴としては、高濃度の汚染水にならず安全性が高い、二次汚染のリスクが小さい、磁性吸着剤は所定の放射能濃度に至るまで繰り返し使用できる、除染された焼却灰の体積は減少し、このものからの放射性セシウムの再溶出は極めて低いレベルになる、といったことがあげられる。
震災に端を発する放射能汚染の問題に対し、レンゴーは5月2日に放射線を遮る軽量かつ柔軟性に富んだ放射線遮蔽シートを開発したと発表。5月16日には放射線医学総合研究所が、現場指揮・除染、被災者の救急搬送、被災者の汚染検査・被ばく線量測定のための新車両を整備したと発表するなど、除染・処理・対策に向けた動きがより一層加速している。この問題が解決しないかぎり、日本は復旧・復興を成し遂げたとは言えないであろう。更なる加速の為にも、こういった開発が多く実施され、早く実用化されることを願いたい。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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