【衝撃の「848ページ」の新刊が大重版】栗山英樹「監督生活の集大成」。注目は「分厚さ」だけにあらず、リーダー必携の一冊と大反響

プレスリリース発表元企業:株式会社日本ビジネスプレス

配信日時: 2024-10-08 11:32:03

前侍ジャパン監督・栗山英樹の新刊『監督の財産』がよく読まれています



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大増刷した「監督の財産」を手にする著者・栗山英樹さん

2024年9月9日に刊行された栗山英樹氏の新刊『監督の財産』(SYNCHRONOUS BOOKS/日本ビジネスプレス発行)は、848ページ、約1キロという大ボリュームで話題となったが、その内容でも大きな反響を呼び、発売2週間で5000部の「大型重版」が決まった。

本書は、WBC制覇を経験して見えてきた「監督論」について、新たに執筆された『監督のカタチ』『集大成―2019~2022』『考察・野球論』『光るべきもの』に加え、2012年の北海道日本ハムファイターズの監督就任1年目から、シーズン直後に刊行してきた5冊のベストセラー『覚悟』『伝える。』『未徹在』『最高のチームの作り方』『稚心を去る』を収録した。

12年の監督生活を通じた「その時の思い」と「いま振り返る監督生活」が鮮明に記されたまさに栗山英樹の監督論の集大成となっている。
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シンクロナスブックス/2750円(税込み)

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・スポーツ界にとどまらない絶賛の声が続々
菊地高弘(下剋上球児/原作者)
「なぜ848ページも? 選手たちを少しでもサポートしたいと日々学んでいる指導者にとって、『監督の財産』は一筋の光になるはずだ。」(書評サイトBookBangより)

岩政大樹(元鹿島アントラーズ監督)
「50ページほど読み進めたところで、私は久々に引き出しから蛍光ペンを探してきました。普段はできるだけ買ったままの状態で保存したい私ですが、この本は違う。今の私の心に響いたところにちゃんと線を引いておかないといけない。そう感じたのです。今ではビッシリ黄色い本になってしまいました。」(Goethewebより)

40代(会社役員)
「大谷翔平はやっぱりすごい。でもこれだけの人が彼を生かしたんだと思うと感動を覚えました」

・「監督の財産」の一部をご紹介
「監督のカタチ」

 思ってもみなかった「監督」の肩書きを背負わせてもらった期間は約12年。そのうち10年間は北海道日本ハムファイターズでのものになる。
 後半はとにかく結果が出なかった。1年目でいきなりリーグ優勝を経験し、5年目には日本一にもなった。でも、最後の3年は5位が続いた。あの時のことを、今こんなふうに感じている。
──前半にいいことばかりあったから、そういう終わり方もまた野球だな。
 本当に何をやっても、どれだけ考えても、結果が出ない。「いくら頑張っても報われない時はあるのだ」と教えられた。自分の野球人生のなかでも、一番、勉強になった日々だった。
 結果が出なかった日々をそんなふうに評してしまえば、「冷めたやつだ」と思われるかもしれない。「無責任な」と、お????りを受けるかもしれない。
 誤解をしないでほしいのは、この感情は、「今、過去として」あの日々を振り返ったから生まれてくるものである、ということだ。
 現場にいた当時の自分は、全然そんなふうには思えなかった。それは毎日、書き綴つづった「メモ」を見返せばすぐわかる。「なんなんだよ」って腹の底から湧いてくる怒りや、やるせなさ、悔しさ、申し訳なさ……とにかく、どうやったら勝てるんだ、と悩み続けていた。
 あるシーズン、あるプレー、ある行動。
 同じことであっても、生まれる感情は時間によって大きく変わる。ファイターズの監督を辞めた後、幸せなことに侍ジャパンの監督まで務めさせてもらい、最大の目標である2023ワールドベースボールクラシック(以下、WBC)優勝を果たすことができた。
 その反響は想像を超えていて、いろんなところで私の考えを伝える機会に恵まれた。ときにリーダーとして、マネジメントとは、といった不相応なテーマで話をさせてもらった。
 そうやって話をしていると、「過去」が美化されがちだ。結果が出なかった日々に対しても何らかの意味付けを勝手に、自分でしてしまう。「あの時、こう思っていたかったな」という願望に似た感情が入ってしまう。
 それはそれで大事なことだけど、そこで思考をやめてはいけない、と思っている。
 WBCで優勝を果たした後、はっきりとわかったことがあった。アメリカを倒し、世界一となった時、監督としてどんな景色が見えるのだろうか。そう思っていたが、いざ現実になると、「何も変わらない」ことを知った。「変わる」のは自分ではなく、周囲だった。
 ともすると礼賛され、自分自身がそこに引っ張られそうになる。
 そうあってはいけない。何度も身を引き締めた。
 自分が監督として経験してきた「現場」で起きたことも同じだ。結果が出た後、苦しかった日々があったから今がある、そう考えることに意味はある。でも、その時「現場」で感じていたことを忘れてはいけない。あの時、ああしておけば、と悔やんだことに、違う意味を持たせてはいけないのだ。
5年目の回顧と、現在の回顧……そこにある「差」
「今」と「過去」について、(これだけ分厚い!)本書が持つ意味を伝えるために、もう少し話を進めたい。
 例えば、いま一度、ファイターズ時代の10年を「ひと言」で回顧してみるとこんな感じだ。
 2012年(監督1年目)は「人生最大の難関」。新人監督としていきなりパ・リーグ優勝を経験し、日本シリーズにも進出させてもらった。それでも思い返すのは「本当にきつかった」という思いだ。
 それは日本中の期待を背負い、日本の宝となる選手を預かったWBCを指揮した時よりも大きなものになる。たぶん、あれほどしんどいことは、もう人生で起こらないと思う。
 2013年(監督2年目)。「本当のスタート」。最下位という結果は大いに反省するべきところがあったけれど、大谷翔平を獲得して、理想に向かって作り上げていく作業がスタートしたという感覚で、意外と楽しかった。
 2014年(監督3年目)は「勝負の始まり」。3位でシーズンを終えた。
 そして2015年(監督4年目)が「勝つための模索」。17も勝ち越したのに優勝できなかった。それくらい福岡ソフトバンクホークスが断トツに抜けていた。普通にやっても勝てない。選手の能力を上げるだけではない。何かが必要だと考え続けた。
 2016年(監督5年目)はそれが結実した。翔平のおかげではあるけれど、「面白い野球」ができて、日本一にもなれた。
 2017年(監督6年目)は「壊す」。チームビルディングとは作り上げるイメージがあるけれど、壊していく感じだった。いや「壊れる」かもしれない。
 2018年(監督7年目)は……、この年だけが「監督業の1年」がしっくりくる。日本一から5位になった前年、オフには翔平がメジャーに移籍した。Bクラスを2年続けてはいけない。持っているノウハウ、経験を総動員する。もちろんいつも、しているつもりなんだけど、この年は監督としてやりくりしてなんとか3位に持っていけた、というイメージだ。
 そしてここからの3年、2019、2020、2021年はこのあと詳しく触れていくのでここでは一言ずつだけ。
 2019年は「最高の想定外」、2020年は「野球と人生」、2021年は「集大成」。
 思いついたままに振り返った10年。これが、日本一になった2016年のシーズンオフに出した『最高のチームの作り方』ではこう書いている。
※編集部注:『最高のチームの作り方』より抜粋※
 人を成長させる、そして輝かせる。そのために監督には何ができるのか。
 考え、悩み抜いて導き出した「もしかしたら、こういうことなのかもしれない」というものをグラウンドで落とし込んでみる。
 同時に、それを「言葉」にしてみる。そんな5 年間だった。
 1年目、ただがむしゃらだった。チームのみんなに勝たせてもらったリーグ優勝。日本シリーズでは2勝4敗でジャイアンツに敗れた。
 2年目、振り返ってみれば一番つらかった1年。前年の優勝から、一転、最下位を経験した。
 3年目、若い選手の成長を肌で感じた。3位。クライマックスシリーズをフルに戦い抜いた10試合が、貴重な財産になった。
 4年目、優勝できると確信して臨み、最後まで勝てると信じて戦い抜いた。2位。クライマックスシリーズはファーストステージで敗退した。
 5年目、はじめての日本一。夢にまで見た日本一の頂からは、勝つための課題だけがはっきりと見えた。
 では結局、監督には何ができるのか。監督とはどうあるべきなのか。その答えを一般論に落とし込むのは、まだまだ自分には難しい。
 それでも、この5年間に自分が発した「言葉」を追って行くことで、何かが見えてくるのではないかと思い、振り返ってみた。
 すると、「過去の言葉」は発した瞬間に見せた色と違う色になっているものが多いことに気付かされる。いつもその瞬間は「こういうことなのかもしれない」と覚悟を持って口にしているのだけれど、時間を経て、より濃い確信の色となったり、新しい考えが加わってより深い色になったり、まったく違う色になったものもある。(『最高のチームの作り方』(2016年)より)
編集部注:抜粋ここまで(『監督の財産』にも収録)
 わかりやすく比較すれば、今は「1年目」がもっともつらい時間だったと感じているけど、2016年の頃は「2年目」がもっともつらい時期だった。
「過去の言葉」は発した瞬間に見せた色と違う色になっている。
 本書が手に取ってくれたみなさんに価値をもたらすことができるとしたら、ここがひとつのポイントかもしれない。
 監督として「記憶が鮮明な時期」と「今」で、何が同じで、何が違うのか。本書はそれを知ってもらうことに挑戦している。

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