コーセー、第21回SCCJ 優秀論文表彰において「最優秀論文賞」および「優秀論文賞」を受賞

プレスリリース発表元企業:株式会社コーセー

配信日時: 2021-05-19 15:16:22




(2020年度 最優秀論文賞)瞼の動きに負けない若々しい印象を維持するアイシャドウ
(2019年度 優秀論文賞)愛用の口紅を「落ちない口紅」に変身させる口紅オーバーコート


 株式会社コーセー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林 一俊)は、第21回 日本化粧品技術者会(SCCJ) 優秀論文表彰にて、2020年度 最優秀論文賞ならびに2019年度 優秀論文賞を受賞しました(※)。本賞は各年にSCCJジャーナルに掲載された論文の中でも特に優秀なものを表彰するものです。最優秀論文賞については、7月15日に開催されるSCCJ研究討論会(オンライン開催)にて受賞講演を予定しています。
(※)新型コロナウイルス感染症の影響により、第21回は2020年度と2019年度の同時表彰となりました。


2020年度 最優秀論文賞

●論文タイトル
瞼(まぶた)の動きと加齢変化に対応した高ツヤ高弾性アイシャドウの開発
●執筆者
株式会社コーセー 萩野 亮(第一著者)、渡邉 梨奈、増渕 祐二、奥山 雅樹、山下 美香
●研究の概要
 目周りはその人の印象を左右する重要なエリアであり、特に昨今のマスク常用の環境化において、その重要性はますます高まっています。目周りは、加齢と共にくすみ、たるみ、しわなどの悩みが生じやすいため、アイシャドウによるツヤ感で加齢印象を払拭する提案がなされていますが、瞼のしわや二重瞼等の凹凸のため、均一で明るいツヤを得ることは難しいうえに、まばたきで激しく動くために化粧崩れを起こしやすいという課題がありました。


[画像1: https://prtimes.jp/i/41232/221/resize/d41232-221-263161-0.jpg ]

 そこで、激しい動きにも影響されず高いツヤ効果を持続させるため、瞼上に弾力性のあるゲルを形成するアイシャドウの開発に取り組みました。その結果、弾性素材として知られるポリウレタンの構造を制御することで、化粧品に用いられるオイルを透明かつ高弾性のゲルに変化させる素材の開発に成功しました。開発したポリウレタンは、オイルになじむ親油性部位とは別に、水になじむ親水性部位を有しており、この親水性部位がネットワーク構造を形成することで、柔軟でありながら持続性の高い構造になることが分かりました。このポリウレタンを用いた油性ゲル状アイシャドウは、瞼にツヤを与えると共に、まばたきの動きにも強いため化粧持ちも良好であり、時間がたっても仕上がり直後の若々しい活き活きとした印象を叶えるものであることが確認されました(図1)。


[動画: https://www.youtube.com/watch?v=EGpEG0RaiKs ]



https://youtu.be/EGpEG0RaiKs



2019年度 優秀論文賞

●論文タイトル
愛用の口紅を落ちない口紅に変化させる口紅オーバーコートの開発
●執筆者
株式会社コーセー 東 竜太(第一著者)、柿本 涼、外尾 恵美
●研究の概要
 口紅は、求められる色味や質感にトレンドの影響を強く受けるとともに、個人のライフスタイルや嗜好性、使用時のシチュエーションに大きく左右されるメイクアップアイテムです。一方で、多くのお客さまから共通して口紅に求められる品質のひとつとして、「落ちない」ことが挙げられます。そこで、この共通のニーズと個人の嗜好性やトレンドを楽しむことを両立させるため、お手持ちの口紅の上から塗布するだけで、お気に入りの色味や質感を変えることなく、落ちない機能を付与できる皮膜成分と、それを応用した口紅オーバーコートの開発に成功しました。効果としては、口紅の上から本開発品を塗布し、飲食を含む2時間の日常生活を行ったところ、未塗布の方は色落ちしているのに対し、塗布した方は色落ちが抑制されていました(図2)。また、口紅およびリップグロスの上から本開発品を塗布してカップへの色移りを検証したところ、開発品を塗布した方はカップへの色移りが抑制できていることが確認できました(図3)。
[画像2: https://prtimes.jp/i/41232/221/resize/d41232-221-879146-1.jpg ]

[画像3: https://prtimes.jp/i/41232/221/resize/d41232-221-163049-2.jpg ]



今後の展望

 本受賞は当社のメイクアップ製品における技術や研究水準の高さを示すものであり、今後の商品開発にも応用していきます。今後も科学的な視点に基づいた機能性やお客さまへの新たな価値提供を目指した研究開発活動を推進して参ります。

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