武田薬品がバーチャル開催のESMO会議で肺がん科学の進歩を浮き彫りにする新データを発表

プレスリリース発表元企業:Takeda Pharmaceutical Company Limited

配信日時: 2020-09-23 11:17:00

武田薬品がバーチャル開催のESMO会議で肺がん科学の進歩を浮き彫りにする新データを発表

− 第3相3 ALTA 1L試験サブ解析の重要な結果から、ALK陽性NSCLCのファーストライン治療薬として、ALUNBRIGが頭蓋内病変に対する強力な効果と生活の質の向上を示すことが一層支持される− モボセルチニブについて、第1/2相試験の10カ月間の追跡調査から得た良好なデータにより、EGFRエクソン20挿入変異を有する転移性NSCLC患者で既報の結果を再確認

(米マサチューセッツ州ケンブリッジ & 大阪)-(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)(「武田薬品」)は本日、当社の肺がんポートフォリオのデータをバーチャル開催の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)会議で報告すると発表しました。注目すべき点として、第3相ALTA 1L試験のサブ解析から得た詳細な知見は、未分化リンパ腫キナーゼ陽性(ALK+)非小細胞肺がん(NSCLC)患者のファーストライン治療薬としてのALUNBRIG®(ブリガチニブ)について、頭蓋内病変に対する有効性の説得力のある証拠と、関連するQoL(生活の質)のデータの両方を補強するものです。また武田薬品はモボセルチニブ(TAK-788)の第1/2相試験における10カ月間の追跡調査に関する最新結果も取り上げますが、この結果はモボセルチニブが、上皮増殖因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を有する転移性NSCLC(mNSCLC)患者の被験者集団で1年以上の奏功期間(DoR)を達成したことを実証しています。

武田薬品Oncology Therapeutic Area Unitのヘッドを務めるクリストファー・アーレントは、次のように述べています。「バーチャル開催となる今年のESMO会議で、当社による進行中の第3相ALTA 1L試験の新しい結果など、当社が進めている肺がん研究について発表できることをうれしく思います。これらの結果は、クリゾチニブに対するALUNBRIGの優位性を補強し、同薬が米国と欧州連合でファーストライン治療薬としての適応を最近取得した根拠となるデータの持つ力を浮き彫りにするものです。またモボセルチニブの第1/2相試験の最新データは、EGFRエクソン20挿入変異を有するmNSCLC患者における奏功期間の延長を示すもので、現在利用可能な治療法から得られる有効性が限られ、医療サービスを十分には受けていない患者集団にとって有望な進歩を意味します。」

第3相ALTA 1L試験におけるサブ解析の結果は、2件のポスターセッションで取り上げられ、ファーストライン治療でのALUNBRIGの頭蓋内病変に対する有効性QoLの改善について、詳細な知見を新たに提供するものです。ALUNBRIGは、ALKチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)による治療未経験のALK陽性NSCLC患者で、クリゾチニブと比較して頭蓋内病変の病勢進行までの期間を有意に延長し、頭蓋内病変に対する強力な作用を示しました。盲検下の独立評価委員会(BIRC)の評価に基づく評価によれば、ベースラインで脳転移を持つ患者についての重要な知見は、次の通りです。

頭蓋内病変が進行するまでの平均期間はALUNBRIG投与群が24カ月(12.9~NR)、クリゾチニブ投与群が5.6カ月(4.0~9.2)であった。ALUNBRIGは脳に対する放射線療法を受けていない患者で全体的な無増悪生存期間(PFS)の有意な延長を実証し、平均24カ月を達成したのに対し、クリゾチニブの場合は5.5カ月であった(ハザード比[HR]: 0.27、P=0.0003)。脳が最初の転移部位となった患者の割合はクリゾチニブ投与群(42%)よりALUNBRIG投与群(31%)の方が少なかった。ALUNBRIGは引き続き全般的健康(GHS)/QoLに関しクリゾチニブとの比較で改善を実証し、ベースラインで脳転移を持つ患者における悪化までの期間は有意に遅延した(ALUNBRIG群16.6カ月、クリゾチニブ群4.7カ月[HR: 0.54、95% CI 0.29~1.00、P=0.0415])。重篤有害反応はALUNBRIG投与患者の33%で発現した。病勢進行以外で最も多く発現した重篤有害反応は肺炎(4.4%)、間質性肺疾患(ILD)/肺臓炎(3.7%)、発熱(2.9%)、呼吸困難(2.2%)、肺塞栓症(2.2%)、無力症(2.2%)であった。病勢進行以外の致死的な有害反応は患者の2.9%で発現し、内訳は肺炎(1.5%)、脳血管障害(0.7%)、多臓器不全症候群(0.7%)であった。ロイヤルマースデンNHSファンデーション・トラストの顧問腫瘍内科医であるSanjay Popat教授は、次のように述べています。「ALTA 1L試験で分析を進めている結果は、ブリガチニブが特にベースラインで脳転移を持つALK陽性NSCLC患者にとって、有効なファーストライン治療の選択肢であることを実証しています。本疾患の標的治療薬の選択肢は現時点で数種類が利用可能ですが、患者の命を延ばし生活を改善することを目指す上で、頭蓋内病変に対し強力な効果を持つ治療薬はかけがえのない追加選択肢となることが示されました。」

モボセルチニブの第1/2相試験における10カ月間の追跡調査から得た結果を取り上げたオンデマンドの口頭発表ミニセッションの重要知見も発表します。モボセルチニブの投与を受け奏功が確認された患者は平均1年以上にわたり奏功を維持し、DoR中央値は13.9カ月(5.0~NR)でした。追跡調査をさらに継続後、本試験では治療を受けた患者全体において、確認された客観的奏功率(ORR)43%(12/28、95% CI 24~63)、PFS中央値7.3カ月(95% CI 4.4~15.6)を維持しました。モボセルチニブの安全性プロファイルは管理可能なものでした。EGFRエクソン20挿入変異を有するmNSCLC患者が160 mgを1日1回投与された場合、最も多く発現した有害反応(25%以上)は下痢(89%)、食欲減退(54%)、嘔吐(54%)、発疹(46%)、悪心(46%)、貧血(36%)でした。160 mgを1日1回投与された患者全体で最も多く発現した治療関連有害事象(TRAE)は下痢(88%)、悪心(49%)、嘔吐(36%)、発疹(35%)でした。

モボセルチニブのピボタル第2相延長コホートEXCLAIMからのデータの読み出しは、2020会計年度に行います。

ALUNBRIG®(ブリガチニブ)について

ALUNBRIGは強力で選択的な次世代チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)であり、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)の分子変異を標的として阻害するように設計されています。

ALUNBRIGは、ALK阻害剤による前治療歴のないALK陽性(ALK+)転移性非小細胞肺がん(mNSCLC)患者のファーストライン治療薬として米国と欧州連合(EU)で承認されています。またALUNBRIGは、ALK陽性mNSCLCを患い、クリゾチニブ投与を受けたがNSCLCが悪化したか、クリゾチニブ投与への忍容性を示さない患者の治療薬としても、米国、カナダ、EUを含む40カ国以上で承認されています。

ALK陽性NSCLCについて

非小細胞肺がん(NSCLC)は肺がんの最も一般的な形態であり、世界保健機関によれば、世界中で毎年診断される推定180万人の新規肺がん症例の約85パーセントを占めています。1,2遺伝子研究では、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)の染色体転座が、NSCLC患者のサブセットで重要ながん進行因子であることが示されています。3転移性NSCLC患者の約3~5パーセントにALK遺伝子の転座が見られます。4,5,6ALK陽性NSCLCは複雑かつ微妙な疾患で、特に疾患が脳に転移した初発患者にとっての治療が課題となっています。

武田薬品は、NSCLCを対象とする研究開発を継続し、毎年世界中でこの重篤で希少な肺がんと診断される約4万人の患者の生活を改善することに傾倒しています。7

モボセルチニブ(TAK-788)について

モボセルチニブは、上皮成長因子受容体(EGFR)およびヒトEGFR2(HER2)のエクソン20挿入変異を選択的に標的とするよう特別設計した強力な低分子チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)です。米国FDAは2019年、エクソン20挿入変異などのHER2変異あるいはEGFR変異を伴う肺がんの治療薬として、モボセルチニブを希少薬に指定しました。モボセルチニブは2020年4月、EGFRエクソン20挿入変異を有する転移性非小細胞肺がん(mNSCLC)を患い、プラチナ製剤ベースの化学療法を実施中か実施後に病勢が進行した患者を治療するための画期的治療薬の指定をFDAより受けました。

モボセルチニブ開発プログラムはNSCLCの患者集団で開始されましたが、十分な治療を受けていないその他腫瘍の患者集団へと拡大する見込みです。TAK-788は治験薬であり、有効性と安全性は確立していません。

EGFRエクソン20挿入変異を有するmNSCLCについて

上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を有する転移性非小細胞肺がん(mNSCLC)の患者は、NSCLC患者のわずか約1~2%しか占めていません8,9。現在、エクソン20変異を標的とするFDA承認済みの治療薬は存在しておらず、これらの患者に対する現在のEGFR TKIおよび化学療法の効果は限定的であるため、この疾患は他のEGFR変異を伴う疾患よりも予後が不良となっています。

武田薬品は、EGFRエクソン20挿入変異を有するmNSCLCについての継続的な研究開発に傾倒しており、世界中でこの疾患との診断を受けている毎年約3万人の患者のために、標的療法の選択肢を上市したいと考えています8,9

ALUNBRIGの重要な安全性情報

警告および注意

間質性肺疾患(ILD)/肺炎:肺については、間質性肺疾患(ILD)/肺炎と一致する重度/生命を脅かす/致命的有害反応がALUNBRIG投与で発現しています。ALTA 1L試験のALUNBRIG群(180 mg 1日1回) ではALUNBRIGの投与を受けた患者の5.1%でILD/肺炎が発現しました。ILD/肺炎は患者の2.9%で投与開始の8日以内に発現し、患者の2.2%でグレード3~4の反応が発現しました。ALTA試験(ALTA)で、ILD/肺炎が90 mg(90 mg 1日1回)投与群患者の3.7%、90→180 mg(90 mg 1日1回のリードイン期間7日間の後、180 mg 1日1回)投与群患者の9.1%で発現しました。ILD/肺炎の可能性がある疾患と一致する有害反応が患者の6.4%で早期段階(ALUNBRIG投与開始から9日以内、発現までの期間の中央値2日)に発現し、患者の2.7%でグレード3~4の反応が発現しました。特にALUNBRIG投与開始後の最初の1週間は、呼吸器症状(例:呼吸困難、咳等)の発現または悪化についてモニタリングします。呼吸器症状が発現または悪化した患者はすべてALUNBRIG投与を保留し、ILD/肺炎または呼吸器症状の他の原因(例:肺塞栓症、腫瘍進行、感染性肺炎)について直ちに評価を実施します。グレード1~2のILD/肺炎の場合、ベースラインまで回復した後に減量してALUNBRIG投与を再開するか、ALUNBRIG投与を永久的に中止します。グレード3~4のILD/肺炎の場合、またはグレード1~2のILD/肺炎が再発した場合は、ALUNBRIG投与を永久的に中止します。

高血圧症:ALTA 1L試験のALUNBRIG群(180 mg 1日1回) ではALUNBRIGの投与を受けた患者の32%で高血圧症が報告されており、グレード3の高血圧症が患者の13%で発現しています。ALTAで高血圧症がALUNBRIG 90 mg投与群の11%、90→180 mg投与群の21%で報告されています。グレード3の高血圧症が患者全体の5.9%で発現しました。ALUNBRIG治療に先立ち、血圧を管理します。ALUNBRIG治療を開始して2週間後、その後の治療期間中は少なくとも毎月血圧をモニタリングします。最適な降圧療法にもかかわらずグレード3の高血圧症が発現した場合はALUNBRIG投与を保留します。グレード1まで回復した後、同じ用量でALUNBRIG治療を再開します。グレード4の高血圧症、またはグレード3の高血圧症が再発する場合は、ALUNBRIG治療の永久的な中止を考慮します。徐脈を引き起こす降圧剤と併用してALUNBRIGを投与する場合は注意します。

徐脈:ALTA 1L試験のALUNBRIG群(180 mg 1日1回) ではALUNBRIGの投与を受けた患者の8.1%で毎分50拍(bpm)未満が発現しています。グレード3の徐脈が患者1人(0.7%)で発現しています。ALTA試験で、毎分50拍(bpm)未満が90 mg投与群の患者の5.7%、90→180 mg投与群の患者の7.6%で発現しています。グレード2の徐脈が90 mg投与群の患者1人(0.9%)で発現しています。ALUNBRIG治療期間中は心拍数と血圧をモニタリングします。徐脈を引き起こすことが判明している医薬品の併用が避けられない場合、患者のモニタリング頻度を高めます。症候性徐脈の場合はALUNBRIG投与を保留し、徐脈を引き起こすことが判明している併用薬の使用の有無を確認します。徐脈を引き起こすことが判明している併用薬が見つかり、投与を中断または投与量を調整した場合、症候性徐脈の消失後にALUNBRIG投与を同じ用量にて再開します。徐脈を引き起こす併用薬が見つからなかった場合、症候性徐脈が消失してからALUNBRIGの用量を削減します。生命を脅かす徐脈の場合、その要因となっている併用薬が特定されなければ、ALUNBRIGの投与を中止します。

視覚障害:ALTA 1L試験のALUNBRIG群(180 mg 1日1回) ではALUNBRIGの投与を受けた患者の7.4%でグレード2ないしグレード3のかすみ目、光恐怖症、光視症、視力低下を含む視覚障害をもたらす有害反応が報告されています。ALTAで、かすみ目、複視、視力低下を含む視覚障害をもたらす有害反応がALUNBRIG治療を受けた患者で報告されており、割合は90 mg投与群で7.3%、90→180 mg投与群で10%となっています。90→180 mg投与群でグレード3の黄斑浮腫と白内障がそれぞれ患者1人で発現しています。何らかの視覚症状が現れたら報告するよう患者に助言します。重症度がグレード2以上の視覚症状が新規発現または悪化した患者では、ALUNBRIG投与を保留して眼科的評価を行います。グレード2ないしグレード3の視覚障害がグレード1の重症度またはベースラインまで回復した後、削減した用量にてALUNBRIG投与を再開します。グレード4の視覚障害の場合はALUNBRIG治療を永久的に中止します。

クレアチンホスホキナーゼ(CPK)上昇:ALTA 1L試験のALUNBRIG群(180 mg 1日1回) ではALUNBRIGの投与を受けた患者の81%でクレアチンホスホキナーゼ(CPK)上昇が発現しています。グレード3~4のCPK上昇の発現率は24%でした。CPK上昇による減量が患者の15%で行われました。ALTAで、CPK上昇がALUNBRIG投与を受けた患者で発現しており、割合は90 mg投与群で27%、90 mg→180 mg投与群で48%となっています。グレード3~4のCPK上昇の発現率は、90 mg投与群で2.8%、90→180 mg投与群で12%でした。CPK上昇による減量が90 mg投与群の1.8%、90→180 mg投与群の4.5%で行われました。原因不明の何らかの筋痛、圧痛、脱力を経験した場合は報告するよう患者に助言します。ALUNBRIG治療期間中はCPK値をモニタリングします。グレード2以上の筋痛または脱力を伴うグレード3またはグレード4のCPK上昇の場合は、ALUNBRIG投与を保留します。CPK上昇が消失するかグレード1ないしベースラインまで回復した後、同じ用量または削減した用量にてALUNBRIG投与を再開します。

膵酵素の上昇:ALTA 1L試験のALUNBRIG群(180 mg 1日1回) では患者の52%でアミラーゼ上昇が、患者の6.8%でグレード3ないし4のアミラーゼ上昇が発現しています。患者の59%でリパーゼ上昇が、患者の17%でグレード3ないし4のリパーゼ上昇が発現しています。ALTAで、アミラーゼ上昇が90 mg投与群の患者の27%、90→180 mg投与群の患者の39%で発現しています。リパーゼの上昇が90 mg投与群の患者の21%、90→180 mg投与群の患者の45%で発現しています。グレード3ないし4のアミラーゼ上昇が90 mg投与群の患者の3.7%、90→180 mg投与群の患者の2.7%で発現しています。グレード3ないし4のリパーゼ上昇が90 mg投与群の患者の4.6%、90→180 mg投与群の患者の5.5%で発現しています。ALUNBRIG治療期間中はリパーゼとアミラーゼをモニタリングします。グレード3ないし4の膵酵素上昇の場合はALUNBRIG投与を保留します。膵酵素上昇が消失するかグレード1ないしベースラインまで回復した後、同じ用量または削減した用量にてALUNBRIG投与を再開します。

高血糖症:ALTA 1L試験のALUNBRIG群(180 mg 1日1回) ではALUNBRIGの投与を受けた患者の56%が高血糖症の新規発現または悪化を経験しました。空腹時血清グルコース値の臨床検査に基づくグレード3の高血糖症が患者の7.5%で発現しています。ALTAで、ALUNBRIGの投与を受けた患者の43%が高血糖症の新規発現または悪化を経験しました。空腹時血清グルコース値の臨床検査に基づくグレード3の高血糖症が患者の3.7%で発現しています。ベースラインで糖尿病または耐糖能異常を患っていた患者20人中2人(10%)がALUNBRIG投与期間中にインスリンの投与開始を必要としました。ALUNBRIGの投与開始に先立ち空腹時血清グルコース値の評価を行い、その後は定期的にモニタリングします。必要に応じ血糖降下薬の投与を開始するか投与量を最適化します。最適な医療管理によって高血糖の適切なコントロールが達成できない場合、高血糖の適切なコントロールが達成できるまでALUNBRIGの投与を保留し、ALUNBRIGの投与量削減か永久的中止を検討します。

胚・胎児毒性:動物における作用機序と知見に基づけば、ALUNBRIGは妊婦に投与した場合、胎児に害を及ぼす可能性があります。妊婦でのALUNBRIGの使用に関する臨床データはありません。妊婦に対しては胎児への潜在的リスクについて助言します。妊娠する可能性のある女性には、ALUNBRIG治療期間中および最後の投与後少なくとも4カ月間は有効な非ホルモン性避妊薬を使用するよう助言します。妊娠する可能性のある女性パートナーを持つ男性には、治療期間中およびALUNBRIGの最後の投与後少なくとも3カ月間は有効な避妊法を用いるよう助言します。

有害反応

ALTA 1L試験ではALUNBRIGの投与を受けた患者の33%で重篤有害反応が発現しています。病状進行以外の最も一般的な重篤有害反応は、肺炎(4.4%)、ILD/肺臓炎(3.7%)、発熱(2.9%)、呼吸困難(2.2%)、肺塞栓症(2.2%)、無力症(2.2%)でした。病状進行以外の致死的有害反応は患者の2.9%で発現し、肺炎(1.5%)、脳血管障害(0.7%)、臓器不全症候群(0.7%)となっています。

ALTAで、重篤有害反応が90 mg投与群の患者の38%、90→180 mg投与群の患者の40%で発現しています。最も多く発現した重篤有害反応は肺炎(全体で5.5%、90 mg投与群で3.7%、90→180 mg投与群で7.3%)とILD/肺臓炎(全体で4.6%、90 mg投与群で1.8%、90→180 mg投与群で7.3%)でした。致死性の有害反応が患者の3.7%で発現し、その内訳は肺炎(患者2人)、突然死、呼吸困難、呼吸不全、肺塞栓症、細菌性髄膜炎、尿路性敗血症(それぞれ患者1人)でした。

ALUNBRIGの投与を受けた患者で最も多く発現した有害反応(25%以上)は、下痢(49%)、疲労(39%)、悪心(39%)、発疹(38%)、咳(37%)、筋肉痛(34%)、頭痛(31%)、高血圧症(31%)、嘔吐(27%)、呼吸困難(26%)でした。

薬物相互作用

CYP3A阻害剤:強力なCYP3A阻害剤ないし中等度のCYP3A阻害剤とALUNBRIGの併用は避けます。グレープフルーツおよびグレープフルーツジュースもブリガチニブの血漿濃度を上昇させる可能性があるため避けます。強力なCYP3A阻害剤ないし中等度のCYP3A阻害剤の併用が避けられない場合は、ALUNBRIGの投与量を削減します。

CYP3A誘導剤:強力なCYP3A誘導剤ないし中等度のCYP3A誘導剤とALUNBRIGの併用は避けます。中等度のCYP3A誘導剤の併用が避けられない場合は、ALUNBRIGの投与量を増量します。

CYP3A基質:ホルモン性避妊薬を含む高感度のCYP3A基質とALUNBRIGの併用は、高感度のCYP3A基質の濃度低下と効果消失をもたらす場合があります。

特定集団における使用

妊婦:ALUNBRIGは胎児に害を与える可能性があります。妊娠する可能性がある女性には胎児への潜在的リスクについて助言します。

授乳婦:ブリガチニブの母乳への排泄または母乳摂取乳児ないし母乳産生への影響に関するデータは存在しません。母乳摂取乳児における有害反応の可能性があるため、授乳中の女性にはALUNBRIGによる治療期間中は母乳を与えないよう助言します。

生殖能力を持つ男女:

妊娠検査:ALUNBRIGの投与開始に先立ち、生殖能力を持つ女性の妊娠の有無を確認します。

避妊法:妊娠する可能性のある女性には、ALUNBRIG治療期間中および最後の投与後少なくとも4カ月間は有効な非ホルモン性避妊薬を使用するよう助言します。妊娠する可能性のある女性パートナーを持つ男性には、治療期間中およびALUNBRIGの最後の投与後少なくとも3カ月間は有効な避妊法を用いるよう助言します。

不妊:ALUNBRIGは男性の生殖能力を低減させる可能性があります。

小児への使用:小児患者でのALUNBRIGの安全性と有効性は確立していません。

高齢患者への使用:ALTA 1L試験のALUNBRIG群およびALTAに組み込まれた患者359人のうち、26.7%が65歳以上で、7.5%が75歳以上でした。65歳以上の患者とそれより若年の患者の間で、安全性および効果の臨床的に意義のある差異は観察されませんでした。

肝障害・腎障害:軽度から中等度の肝障害または軽度から中等度の腎障害を持つ患者の場合、投与量の調整は推奨されていません。重度の肝障害または重度の腎障害を持つ患者の場合、ALUNBRIGの投与量を削減します。

ALUNBRIGの完全な処方情報(米国向け)についてはwww.ALUNBRIG.comをご覧ください。

武田薬品のオンコロジー領域に対する取り組み

当社の研究開発上の中核的使命は、科学に対する傾倒、画期的イノベーション、患者の生活改善への熱意を通じ、世界中のがん患者に新規医薬品を届けることです。当社の血液疾患治療薬、充実したパイプライン、固形腫瘍治療薬のいずれにおいても、当社は患者に必要な治療を届けるべく、革新的であるとともに競争力のある立場の保持を目指しています。詳細情報についてはwww.takedaoncology.comをご覧ください。

武田薬品工業株式会社について

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。

詳細情報についてはhttps://www.takeda.comをご覧ください。

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