有人環境下で使用できる紫外線「Care222」の新型コロナウイルス不活化効果を確認

プレスリリース発表元企業:ウシオ電機株式会社

配信日時: 2020-09-07 10:30:00

新型コロナウイルス感染対策に向け応用展開へ



2020年9月7日


広島大学病院 感染症科 大毛宏喜教授、ならびに同大学大学院 医系科学研究科ウイルス学 坂口剛正教授グループにより進められていた、ウシオ電機株式会社の222nm紫外線ウイルス不活化・殺菌技術「Care222™」を用いた新型コロナウイルスの照射実験において、新型コロナウイルスの不活化効果が確認され、その研究成果が2020年9月4日(米国現地時間)にAmerican Journal of Infection Control誌のオンライン版に掲載されました。

【論文情報】

・掲載誌: American Journal of Infection Control
・論文タイトル: Effectiveness of 222-nm ultraviolet light on disinfecting SARS-CoV-2 surface contamination
 https://www.ajicjournal.org/article/S0196-65532030809-9/fulltext
・著者: Hiroki Kitagawa, Toshihito Nomura, Tanuza Nazmul, Omori Keitaro, Norifumi Shigemoto, Takemasa Sakaguchi, Hiroki Ohge
・DOI: 10.1016/j.ajic.2020.08.022
[画像1: https://prtimes.jp/i/56655/12/resize/d56655-12-277291-2.png ]



[画像2: https://prtimes.jp/i/56655/12/resize/d56655-12-507068-3.jpg ]



■概要

この度、広島大学病院 感染症科の北川浩樹診療講師、野村俊仁診療講師、大毛宏喜教授と広島大学大学院 医系科学研究科ウイルス学の坂口剛正教授のグループは、紫外線照射装置Care222™(KrClエキシマランプより出力された紫外線をフィルターにより狭波長とした222nmをピークとする200~230nm領域の紫外線ランプ、ウシオ電機株式会社)を用いて、中心波長222nm紫外線による新型コロナウイルス不活化効果を世界に先駆けて明らかにしました。

本研究では、プラスチック上の乾燥した環境において、照度0.1mW/cm2の222nm紫外線を30秒間照射で99.7%の新型コロナウイルス不活化を確認しました。本研究により、222nm紫外線を用いた新型コロナウイルス感染症に対する感染対策への応用が期待されます。


■背景

新型コロナウイルス感染症は、飛沫感染、接触感染により伝播すると考えられています。実際に、新型コロナウイルス感染症患者さんを診療した病室のベッド柵などからも新型コロナウイルスが検出されています。従来医療機関において、消毒剤を使用して手による清掃を行ってきましたが、紫外線などの非接触型ウイルス不活化技術に注目が集まっています。

近年医療機関において、紫外線などの非接触型殺菌・ウイルス不活化技術が徐々に使用されるようになってきました。しかし、これらの紫外線照射機の多くが波長254nm紫外線を使用しており、人の目や皮膚への障害性から、人のいない環境で使用されています。一方で、波長222nm紫外線は、254nm紫外線と同等の殺菌・ウイルス不活化効果を認め、254nm紫外線と比較して目や皮膚への障害性が少ないという報告が増加しています。しかし、222nm紫外線によるインフルエンザウイルスや他のコロナウイルスへの不活化効果は報告されていますが、新型コロナウイルスへの不活化効果は明らかではありませんでした。


■研究成果の内容

今回研究グループは、紫外線照射装置Care222™を用いて、中心波長222nm紫外線による新型コロナウイルス不活化効果を世界に先駆けて明らかにしました。本研究では、プラスチック上の乾燥した環境において、照度0.1mW/cm2の222nm紫外線を10秒間照射で88.5%、30秒間照射で99.7%の新型コロナウイルス不活化を確認しました。

一般的に用いられる定量逆転写PCR法※は、不活化されて感染力のないウイルスも検出してしまうため、本研究では培養法を用いて紫外線によるウイルス不活化効果を評価しました。

※定量逆転写PCR法:定量逆転写PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)は、逆転写酵素を用いてRNA を鋳型に逆転写を行い、生成された相補的DNA に対してリアルタイムPCR を行って目的のRNAを定量する方法。


■研究支援

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)「ウイルス等感染症対策技術開発事業(実証・改良研究支援)」の「既に開発・上市されている機器等(空気清浄機、UV殺菌装置、素材等)によるウイルス等感染症対策への有効性の確認を行う研究支援」
課題名:「新型コロナウイルス感染症に対する222nm紫外線を用いた感染対策に関する研究開発」(研究代表者:大毛宏喜)


■ご参考
・Care222™の製品・技術紹介動画はコチラ >>> https://clean.ushio.com/ja/video/
・広島大学プレスリリース >>> https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/59996

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