AI技術*1を活用して肺がん診断における胸部CT画像の肺結節*2検出を支援 AIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer」向けアプリケーション 「肺結節検出機能」新発売

プレスリリース発表元企業:富士フイルム株式会社

配信日時: 2020-05-27 16:30:00




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富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)は、胸部CT画像から肺結節の候補を自動検出する画像診断支援機能「肺結節検出機能」と、医師が確定した肺結節の性状を分析し、医師の所見文作成を支援する「肺結節性状分析機能」を、AI技術を活用して開発しました。「肺結節検出機能」は薬機法*3における医療機器の承認を取得し、「肺結節性状分析機能」は同法における医療機器の認証を取得しました。これらの2つの機能を、画像診断ワークフローを支援する当社のAIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer(シナプス サイ ビューワ)」*4向けのアプリケーションとして、富士フイルムメディカル株式会社(社長:新延 晶雄)を通じて2020年6月1日に発売します。これらのアプリケーションの発売に伴い、「SYNAPSE SAI viewer」の新バージョン(「SYNAPSE SAI viewer V1.3」)の提供を開始します。
◆詳細はWebページをご覧ください。
https://www.fujifilm.com/jp/ja/news/list/4963?link=atp
肺結節は、X線画像やCT画像で肺部分に白っぽい影として映り、肺結節が見られる場合には、肺がんやその他の病気の可能性があります。肺がんは、日本における死亡原因の1位である悪性新生物(腫瘍)のなかでも、男女ともに高い死亡数・死亡率を示しています*5。肺がんの根治のためには、早期発見・早期治療が求められており、X線検査やCT検査による画像診断によってその兆候である肺結節を早期に発見することが重要となっています。
一方で、国内のCT検査数は年々増加し、またCT装置の高性能化に伴い、1検査あたりの撮影画像数が増加していることから、医師の画像診断にかかる負担は増え続けています。特に、胸部CT画像の読影において、限られた時間の中で小さな肺結節を見落としなく検出することは、高い集中力を要し、さらに検出した肺結節を精査・計測して所見を書く作業にも時間を要します。そのため、医師の負担を軽減し、効率的な画像診断ワークフローを実現するソリューションが求められています。
今回発売する胸部CT画像の「肺結節検出機能」と「肺結節性状分析機能」は、当社AI技術を活用して開発しました。また、「肺結節性状分析機能」の開発には、グループ会社である富士ゼロックスのテキスト自動生成のノウハウを応用しています。これら2つの機能によって、画像診断ワークフローを支援します。
<今回発売する「肺結節検出機能」と「肺結節性状分析機能」の特長>
(1)肺結節検出機能
肺結節の候補を検出して表示する機能です。その候補を医師が再確認することで、見落しを低減します。
① 胸部CT画像から肺結節の候補を自動で検出し、検出箇所をマークして表示します。医師は画像確認を行った後、マークされた箇所を再確認し、肺結節かどうかを判断します。
② CT画像を3D解析する当社技術を活用し、3次元情報に基づいて肺結節の候補を検出するため、CTの断層画像だけでは見分けがつきにくい、血管に付着した結節等も検出することができます。
③ 臓器認識技術により、肺領域を認識したうえで検出するため、胸壁に接した結節の検出も可能です。
(2)肺結節性状分析機能
肺結節の性状を分析して結果を表示するとともに、対象の所見文候補を提示する機能です。医師が所見を書く作業をサポートします。
① 胸部CT画像上で医師が指定した肺結節のサイズ・辺縁部・内部構造などの性状分析を行い、結果を提示します。
② 性状分析の結果をもとに、対象の肺結節に対する所見文の候補を複数提示します。医師は提示された所見文の候補を確認し、選択するだけでレポートに転記することができます。転記した所見文を編集することも可能です。
③ 「SYNAPSE SAI viewer」の新バージョンでは、左右合計18区域に分かれる肺区域を認識してラベリングができるようになったため、提示する所見文の候補に肺結節の場所を示す肺区域の情報を含めることが可能です。
AIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer」について
「SYNAPSE SAI viewer」は、富士フイルムの医用画像情報システム(PACS)「SYNAPSE(シナプス)」上で、AI技術を活用した画像診断ワークフロー支援を実現するAIプラットフォームです。CT画像から肝臓、腎臓などの臓器構造を自動で抽出する「臓器セグメンテーション機能」や、過去と現在に撮影したCT画像を重ねて骨濃度の経時的変化を可視化する「骨経時サブトラクション機能」などを搭載。2019年7月の発売以来、医師の効率的な画像診断をサポートするソリューションとして、多くの医療機関に活用いただいています。
富士フイルムは、医療画像診断支援、医療現場のワークフロー支援、そして医療機器の保守サービスに活用できるAI技術の開発を進め、これらの領域で活用できるAI技術を、"REiLI(レイリ)"というブランド名称で展開しています。
さらに当社は、自社でのAI技術開発に加えて、優れたAI技術を有する国内外のベンダーとのパートナーシップによる開発を推進しています。今後もAI技術を活用することで、医師の画像診断支援やワークフローの改善に取り組んでいきます。
*1 AI技術のひとつであるディープラーニングを設計に用いた。導入後に自動的にシステムの性能や精度が変化することはない。
*2 肺結節はX線画像やCT画像で肺部分に白っぽい影として映り、肺結節が見られる場合には、肺がんやその他の病気の可能性がある。肺結節は3cm以下の大きさのものを指し、5mm以下の小さなものもある。
*3 薬機法:医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律。
*4 SYNAPSE SAI viewer
販売名:画像診断ワークステーション用プログラム FS-V686型
認証番号:231ABBZX00028000
SYNAPSE SAI viewer用画像処理プログラム
販売名:画像処理プログラム FS-AI683型
認証番号:231ABBZX00029000
*5 厚生労働省 平成 30 年(2018) 人口動態統計月報年計(概数)の概況より。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai18/dl/gaikyou30.pdf
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