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相場展望8月14日号 米大統領選、株価はトランプ上昇・バイデン一時下落か トランプ減税:バイデン増税、他の政策はほぼ同一

2020-08-14 07:59:29

■I.米国株式市場
●1.米株式状況 
 1)8/11、NYダウ▲104ドル安、ナスダックは3日連続安
  ・追加経済対策を巡る米政権と民主党の協議行き詰まりへの警戒感で下落。
  ・アップルは、バンク・オブ・アメリカの投資判断「ニュートラル」変更で売られた。

【前回は】相場展望8月11日号 米国株は材料出尽くしで、今週がピークの可能性

 2)8/12、NYダウ+289ドル高、ナスダック+229高
 ・トランプ氏、コロナワクチン1億本の購入を発表し、ワクチン実用化の期待高まる。
 ・米7月消費者物価指数が想定を上回ったことで、ドル高・米長期金利上昇で株高。

 3)8/13、NYダウ▲80ドル安、景気敏感株に利益確定売りで
 ・先週失業者申請件数は予想を下回る。
 ・アップルは462ドルと、上場来の高値。アップルの時価総額は2兆ドルと、1社でイタリアの国内総生産(GDP)に並ぶ。

●2.米7月消費者物価指数(SPI)は前年比+1.0%と、予想を上回った
 1)これを受けて、(1)ドル高・円安で一時107.1円、(2)米10年国債利回りが0.68%まで上昇、(3)NYダウも上昇。

●3.先週の新規失業保険申請件数は予想(110万件)を下回り、96.3万件となった
 1)新規失業保険申請件数の増加は予想以上に抑えられており、好材料と受け止められる。

 2)しかし、新規失業件数の伸びが鈍化しているものの、1週間で96.3万人以上が職を失ったことに変わりはない。したがって、悪化傾向に終止符は打たれていないという見方もできる。

●4.米大統領選挙後の株式市場は、トランプ氏勝利なら上昇、バイデン氏勝利なら一時下落
 1)世論調査ではバイデン氏が優勢
  ・バイデン氏が全米で7%リード、激戦の6州では5%リード。しかし、リードは縮小しており、また調査には表れない隠れトランプ支持者が存在し、情勢はバイデン有利とは言い切れない。
  ・上院では共和党が過半数維持の可能性も出てきた。

 2)民主党が完全勝利(大統領・上院下院とも過半数)の場合は、『増税』を意味する。
  (1)増税の内容
   ・法人税は21%⇒28%。
   ・年間40万ドル超の給与には、社会保険の財源として社会保障税12.4%を課す。但し、負担は雇用者と折半。加えて、最高税率を37%⇒39.6%に戻す。
   ・高所得者向けにキャピタルゲインと配当の税制優遇の廃止。
   ・米国企業の海外子会社からの利益に対する増税。
   ・死亡時の未実現キャピタルゲインに対する課税。
   ・1年以上保有の投資所得100万ドル超に対して、39.6%の所得税率を課税。
   ・遺産税の非課税枠を現在の1,158万ドル⇒549万ドルに戻す。

  (2)株価が一時▲2~▲5%下落。
   ・しかし、その後、+3%に回復を予想。

  (3)増税で、SP500企業の純利益は全体で▲8%減少。
 
  (4)民主党の優先支出分野
   ・医療、教育、インフラ

  (5)株価上昇業種。
   ・電気自動車、太陽光発電、土木・建材。

  (6)最低賃金の引き上げ
   ・マクドナルド、ウーバー等は打撃。

  (7)巨大ハイテク企業の解体・規制強化・増税を共和党よりも強い主張。
   ・アマゾン、フェイスブックなどにとっては脅威。

  (8)バイデン氏の増税で経済成長は▲1.5%下落するが、今後10年間で3兆8,000億ドルの税収増加。

 3)共和党が完全支配した場合は、『減税の継続・拡大』を意味する。
  (1)政策としては、成長に焦点を当てた政策の実行で減税策も強化。

  (2)株価は+7%上昇。

 4)バイデン氏が大統領勝利、上院は共和党・下院は民主党の場合は、株価は+4%上昇。
  ・バイデン氏には、景気後退に対処するような方策が出ていない。

 5)ローゼングレン・ボストン連銀総裁の発言、「最近のウイルス再燃は景気回復を遅らせる」

 6)ムニューシン米財務長官の発言、「トランプ大統領はキャピタルゲイン減税を望んでいる」

続いて、「中国株式市場」「日本株式市場」の分析、「注目銘柄」へ

■II.中国株式市場
●1.上海総合指数は8/10~13では、▲59安と横這い
●2.習近平主席、食糧不安で、突然、「残飯を残さないように法律制定」し順守するように指示
 1)中国は世界最大の食糧輸入国で、2020年上期の食糧輸入額1,542億元(2兆3,713億円)。食料自給率は80%前後で、20%ほどを外国から輸入している。

 2)習主席が残飯禁止まで指示を出すようになったのは、今年の中国が確実に食糧安全保障問題に直面していることを示すものだと、香港紙「明報」は8/12に報道した。

 3)中国は、(1)新型コロナ (2)6月からの洪水 (3)イナゴ被害 (4)米国との対立で、下半期の食糧安全保障の不確実性に直面しているとみられる。

 4)習主席の指示後、武漢市は(1)料理の品数は人数から▲1引く (2)料理の量を半分に減らす (3)残った食べ物は持ち帰る、ように飲食店業界に提示したという。

●3.中国軍が台湾周辺で実践演習を実施した
 1)中国人民解放軍は台湾海峡や台湾の「南北両端」で実戦演習をしたと発表。

 2)米アザー厚生長官の台湾訪問に対抗した中国軍の実戦演習だと事実上言明した。

●4.台湾・米国関連
 1)台湾・米国間で8/10、覚書「医療・公衆衛生の協力」締結に、中国が反発。

 2)台湾製マスク製造装置を米国に輸出。アザー米厚生長官がマスク製造装置の会社視察。

●5.中国が南シナ海のパラセル諸島のウッディー島(永興島)に初めて最新爆撃機を配備
 1)台湾とベトナムもこの島に対する領有権を主張している。

 2)中国は1956年に占拠し、1990年に滑走路を建設、各種軍事施設を設置した。

●6.インド、関係者によると5Gの試験運用で、ファーウェイとZTEの中国勢を排除
 1)インドは7/23に投資規制を改正し、陸で国境を接する国の企業を対象に、国家安全保障上の理由に、入札の参入を制限すると定めた。

 2)インドは今回、この新規則を適用する。

■III.日本株式市場
●1.日経平均は大幅上昇
 1)8/11、日経平均+420円高の22,750円

 2)8/12、日経平均+93円高の22,843円

 3)8/13、日経平均+405円高と3日間続伸(+920円高)し、半年ぶりの高値23,249円
  ・コロナワクチン普及による経済正常化への期待が高まる。
  ・ドル高・円安の106円台後半に推移したもとも追い風。
  ・前日8/12米株式市場でハイテク株高を受け、東エレクやディスコなどが大幅上昇。

●2.日経平均は期待先行での株価上昇に危うさ
 1)2020年4~6月期の決算がほぼ出そろう。
  ・業績悪化の中で、株主還元を明確にした企業には買い安心感に繋がっている。
  ・ただ、減配予想でも買われる銘柄が多く、コロナ後の復活を先回りした動きには過熱相場の危うさが映る。

●3.財務省8/11発表、貿易収支2020年上期の経常収支は▲31.4%減。新型コロナで輸出不振
 1)経常黒字が10兆円の大台を下回る7兆3,069億円の黒字だったのは、上半期としては2015年以来の5年ぶり。

●4.企業業績(4~6月期)
 1)ソフトバンクG  ファンド事業利益が+2,966億円と、前四半期が▲1兆3,646億円の江尾営業損失だったので+1兆4,000億円改善。株式売却益や保有株式の株価上昇が寄与した。創業以来の最大赤字だった2020年3月期から業績は回復に向かっている
 2)楽天  2020年6月中間決算は、▲274億円の赤字。携帯参入が利益圧迫。巣ごもり消費で「楽天市場」を中心に物販が6,787億円と過去最高。
 3)東芝  純損失▲113億円の赤字。新型コロナによる工場操業停止が響く。
 4)パン・パシフィック  「ドン・キホーテ」等を運営。2020年6月期決算は純利益が前期比+6.9%増の503億円。
 5)三菱商事  2021年3月期純利益▲63%減の+2,000億円の黒字。資源と自動車に逆風。

■IV.注目銘柄(株式投資は自己責任でお願いします)
 ・3626 TIS    ソフトウェア投資拡大で受注増が期待。
 ・4063 信越化学  米住宅投資増加の恩恵。

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