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相場展望6月16日号 高株価とファンダメンタルズとの乖離は持続せず

2020-06-16 07:13:15

・米株はFOMC発表とコロナ第2波予想で『売り』
・日本株は6/12先物の特別清算後に『不安定化』

【前回は】相場展望6月11日号 『コロナ・バブル相場』の転換点として注目の (1)米FOMC(6/10会見) (2)日・先物SQ(6/12)

■I.米国株式市場
●1.米株式の上昇相場の行方を占う米FOMC(連邦公開市場委員会)発表で、『売り』を呼ぶ
 1)米FOMC「2022年までゼロ金利据え置き予想」 ⇒ 市場は『景気後退の長期化』と受け止め
  ・ダウ続落、金融緩和長期化で銀行株に売り。ナスダックは初の1万台乗せ後に下落。

  ・FRB、現行ベースの債券購入継続を明言、経済は2020年▲6.5%縮小へ

  ・米連邦準備制度理事会(FRB)は10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和の長期化方針を出したが「かえって実体経済の回復の遅れを意識させた」との見方もあった。

  ・米国で新型コロナウイルスの感染者数が200万人を突破したとの報から、米株式は新型コロナ『感染第2波を懸念』、『景気回復の遅れに対する懸念』で、先物から下げ幅を拡大し、景気敏感株など現物株への売りが強まった。

  ・テキサス州など早期に経済活動の再開に踏み切った地域の一部では、感染者数が増加しつつあり、1日の新規感染者数が依然として約2万人と、感染者数が減る兆しは見られていない。人が密集する黒人暴行死事件への抗議活動が全米に広がり、感染の「第2波」への懸念が強まっている。

●2.米株価下落し、楽観論吹っ飛ぶ
 1)NYダウ6/9~11の3日間で▲2,444ドル(▲8.86%)下落、6/12は+477ドル高も戻り重い

 2)特に、6/11にはNYダウ暴落▲1,861ドル安(▲6.9%)は過去4番目の下げ幅
   SP500のこの日の下落率は▲5.9%下落したが、最近の大幅高により予想株価収益率は22倍と、インターネットバブル以降で最も割高になっていた。

 3)ただ、大半の投資家はここ数ヵ月、慎重な姿勢を維持しており、数ヵ月前に8年ぶりの水準にまで悪化した投資家センチメントは、若干上向いていたにすぎない。

●3.NYドルは、3ヵ月ぶり安値更新、FRBが現行政策維持で
●4.原油は、米原油在庫が過去最高、サウジからの輸入増加で
●5.米失業率
 1)米失業者数が4,420万人超える、6/6までの1週間の新規失業保険申請者数154万人。

 2)米労働省11日発表によると、新型コロナの感染拡大で職を失った人数は計4,420万人に達した。

 3)米国ではウイルスの感染拡大が終息する兆しが見られず、世界最大の経済大国への打撃が今後も続くとアナリストは見ている。

 4)新規失業保険申請数は先月ピークに達し、その後は減少に転じているが、先週の154万人でも2008年の世界金融危機のさなかに見られた水準を大幅に上回っている。経済活動は引き続き制限され抑制されており、今後数週間はレイオフが続きそうだ。

●6.米国でコロナ感染拡大予想、「8月下旬に『第2波』、10月までに死者累計17万人」
 1)米ワシントン大学は6月11日、新型コロナ感染の第2波が米国では8月第4週から始まると公表した。

 2)第2波は8月第4週からとした理由
  ・経済活動規制緩和に伴う密の増大
  ・全米に広がる人種差別抗議デモ
  ・夏のバカンス期の人の移動

 3)11月の大統領選挙は感染拡大で再び深刻化する中で行われる可能性もある。

 4)「9月までに感染封じ込め策を講じなければ、10~11月にさらに悪化する恐れ」と警鐘。

続いて、「中国株式市場」「日本株式市場」の分析、「注目銘柄」へ

■II.中国株式市場
●1.5月中国新車販売台数は前年同月比+14.5%増、しかし先行きに慎重な見方も
●2.中国は「世界の工場」としての魅力を失いつつある
 1)理由 
  (1)労働賃金が上昇し、「安い単純労働」が手に入りにくくなった。
  (2)「一人っ子政策」で、労働人口が急速に減りつつあり、労働力を集められなくなってきた。
  (3)企業は汚染物質を垂れ流し放題だったが、環境基準が厳しくなり、多額の設備投資が迫られ、コストが上昇。
  (4)米国との利害が衝突し、米国輸出に高い制裁関税を強いられ、うま味が減った。
  (5)新型コロナ感染で、中国への「一極集中」の恐さを味わった。
  (6)中国の成長を牽引してきた外資系企業が、中国から逃げ始めている。

 2)脱中国の動き
  (1)日本では、中国から生産拠点を移す企業支援策として、2,486億円の補助金を新型コロナ第1次補正予算で新設した。
  (2)米国でも、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長の発言「中国から出る米国企業の移転費用100%のカネを出す」

●3.中国の影響力行使の原点は『経済力の増大による自信』
 1)30年前の天安門事件当時の中国経済が世界に占める割合は2%未満だった。そのときは、西側諸国が中国に経済制裁を科すことで、中国に西側の自由と人権・法の支配・自由経済に従わせることができた。

 2)現在は世界経済の約20%を占めるまで急拡大している。

 3)もう中国は、西側に気兼ねしないで行動できると考え出している。そのため、(1)チベット自治区 (2)新疆ウイグル自治区 (3)天安門事件で起きた悲劇が、(1)香港 (2)台湾 (3)南シナ海 (4)東シナ海でも繰り返され恐れがある。

●4.中国が危険視する7つの危険な西洋的価値(2013年「第9文書」と呼ばれる内部文書から)
 1)立憲民主制
 2)自由や民主主義、人権などの普遍的価値
 3)市民社会
 4)市場原理を重視する新自由主義
 5)報道の自由
 6)中国共産党による中国建国の歴史に対するニヒリズム
 7)中国独自の社会主義に対する疑問

  以上のように、中国共産党は体制を維持するために、自分たちを脅かす全ての思想や信条を敵視している。

■III.日本株式市場
●1.日本株式は米株次第のため連動して大幅安
 1)日経平均は、6月8日高値23,178円から6月15日安値21,530円と▲1,648円下落。

 2)米ダウは6月8日高値27,572ドル⇒6月11日安値25,128ドル・▲2,444ドル安⇒12日から反発し15日終値25,763ドルと下落幅を▲1,809ドルまで戻した。なお、15日寄付き直後はダウ▲760ドル下げる場面があったが、午後に米FRBが「社債購入開始」と発表し、市場は好感して買い優勢となり終値は+157ドル高の25,763
 ドルと上昇に転じた。これを受け、16日朝の日経平均先物は+389円高となり、今日は上昇して始まりそうだ。

 3)日本株は、米長期金利の低下が「円高・ドル安」を招いて輸出関連株を中心に売り先行。15日は米ダウ先物が下げ幅を拡大したため、一段と景気敏感株などへの売りが強まった。

■IV.注目銘柄(株式投資は自己責任でお願いします)
 ・6861 キーエンス   世界に通用する高収益企業で、押し目買いで長期投資。

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