記事を印刷する | ウィンドウを閉じる

拡大するキャッシュレス決済市場 決済の方法は多様化

2017-10-27 19:27:54

2020年の五輪開催やインバウンド需要の拡大によりキャッシュレス化が求められているなか、日本でのキャッシュレス決済は、決済額及び民間最終消費支出に占める比率ともに増加傾向にはあるが、海外諸国と比較するとまだまだ低い。

2020年の五輪開催やインバウンド需要の拡大によりキャッシュレス化が求められているなか、日本でのキャッシュレス決済は、決済額及び民間最終消費支出に占める比率ともに増加傾向にはあるが、海外諸国と比較するとまだまだ低い。

 スマートフォンの普及やITサービスの台頭、仮想通貨の普及などにより世界各地でキャッシュレス化が推進されている。キャッシュレス決済の市場規模は、2016年ではクレジットカード決済が約49兆円、電子マネーが約5兆円で、モバイル決済に関してはまだ予測が困難な状態である。

【こちらも】インドでもキャッシュレス化が進行、ソフトバンクなど参入加速

 日本でのキャッシュレス決済は、決済額及び民間最終消費支出に占める比率ともに増加傾向にはあるが、その比率は、海外諸国と比較するとまだまだ低い。現金使用率2%ともいわれるスウェーデンや、中国ばかりではなく、新興国においてもモバイル決済を中心としたキャッシュレス化が急激に加速している。

 日本においても、20年の五輪開催やインバウンド需要の拡大によりキャッシュレス化が求められているが、現金主義ともいわれ現金を持ち歩くリスクや現金絡みの犯罪率が他国に比べて低く、偽札被害なども少ない日本では普及がなかなか進まないのが実情で、日本における15年時点での個人消費に占めるクレジットカード決済比率は16%程度、電子マネーを加えても22%弱と低い。

 昨今、中国で爆発的に普及しているQRコード決済だが、楽天〈4755〉やLINE〈3938〉などの大手IT企業やドコモ〈9437〉など通信事業も普及に乗り出している。QRコード決済が旧来のキャッシュレス決済と大きく異なるのは、導入コストの低さや審査不要といった店側の利用ハードルの低さにある。個人などの小規模な店舗、露天などどこにいってもモバイルさえあれば決済できる状況は利用者側の利便性を高め消費喚起にも繋がる。手数料を目的とせず、マーケティングに焦点を当て、個人間送金システムを利用したからこそできたサービスともいえる。

 一方日本では、携帯電話をかざすだけで買い物ができる「おサイフケータイ」や、「モバイルSuica」といった仕組みが10年以上前からあるが、実際にはモバイル決済を利用する人は日本には6.0%しかおらず広く普及しているとは言い難い。利便性の高いプリペイド式ICカードの利用が一般的で、わざわざモバイル決済にする必要がない、などの理由から普及が遅れていると言われている。サービス品質の高い日本だからこそ、競合する企業が増える事で利用者が統一したサービスを享受できず、煩わしさが発生する。その結果シンプルな決済、つまり現金やプリペイド決済を選択してしまっている事も考えられる。

 カード型の各種キャッシュレス決済手段(電子マネー、デビットカード、クレジットカード)は、利用総額は決して多いとは言えないものの、カード自体はかなりの程度普及が進んでおり、加えてモバイル決済とのリンクにも期待されている。

 政府は今後、2020年に向け「フィンテックの推進」で決済時の利便性をさらに高め、消費喚起につなげる他、訪日客の現金の持ち運びを極力減らす為、メガバンクの海外発行カード対応ATMの整備、インバウンド需要の高い観光スポットにおいて「100%のクレジットカード決済対応」及び「100%の決済端末のIC対応」の実現をしていく予定だ。現金利用に不自由を感じていない日本人に対して、いかにキャッシュレス決済の利便性やスマートさを演出、提示できるかどうかが今後国内普及の鍵となりそうだ。(編集担当:久保田雄城)

エコノミックニュース
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

© Copyright Zaikei Shimubun 2021 All rights reserved.