MacBookはSurface LaptopよりもWord起動が5秒早い―500ページ文書で比較テスト

2026年8月4日 15:12

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記事提供元:Tech Times

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先週公開されたPhoneBuffの比較テストでは、500ページのMicrosoft Word文書を開く処理で、MacBookがWindowsノートPCより5秒速い結果を記録した。この差は異なるCPUアーキテクチャの2組で共通しており、チップそのものよりWindows 11のソフトウェア構成が影響している可能性を示している。一方、今回の軽作業中心のテストではWindows機のほうがバッテリー消費を抑えており、購入時には処理速度とバッテリー駆動時間のどちらを重視するかが判断材料になる。

■Word文書の読み込みテストで浮かび上がったWindowsの課題

先週公開された、ロボットアームで操作する2つのノートPC比較テストで、YouTubeチャンネルのPhoneBuffは、500ページのMicrosoft Word文書を開くのにAppleのノートPCでは7秒、競合するWindows機では12秒かかるという結果を得た。この結果は、まったく異なる2つのCPUアーキテクチャを用いた比較で共通しており、特定のプロセッサではなくWindowsのソフトウェアスタックに原因がある可能性を示している。注目すべきなのは、Apple Siliconの速さ自体ではない。それはすでによく知られている。WordがMicrosoftの代表的な業務アプリケーションであり、その文書を速く開いたマシンのほうが300ドル(約4万7000円、1ドル=157円換算)安かった点にある。この件はWindows Latestが報じた。

PhoneBuffは、同チャンネルが長年スマートフォンに適用し、現在はノートPCにも拡張しているロボット制御のテスト手法を用いている。ロボットアームが両方のマシンに対して、同じキー入力、同じファイル、同じスクリプト化された手順を同時に実行することで、人間による操作のばらつきを排除している。

最初の比較では、両方のノートPCで、Wordを起動していない状態から同一の500ページの文書を開いた。Appleの最新のApple Siliconを搭載したMacBook Air M5は7秒で完了した。一方、最新のARMベースWindowsチップであるQualcommのSnapdragon X2 Plusと16GBのRAMを搭載したSurface Laptopは、MicrosoftのOS上でMicrosoftのアプリケーションを使って文書を開くのに12秒を要した。所要時間はMacBook Airより5秒長く、約1.7倍だった。

続いてPhoneBuffは、AppleのMacBook NeoとDellのXPS 13を比較した。MacBook Neoは一般的なMac向けApple Siliconではなく、iPhone 16 Proシリーズから転用されたA18 Proを搭載し、価格は699ドル(約11万円)だ。対するDell XPS 13は、価格競争を意識したエントリー構成で、IntelのCore 5 320と8GBのRAMを搭載する。Core 5 320は新しいWildcat Lakeファミリーに属する。テストでは、MacBook Neoが7秒でWord文書を開いたのに対し、XPS 13は12秒を要した。差は先の比較と同じ5秒だった。チップ、メーカー、価格帯、OS構成が異なるにもかかわらず、Windows機では同じ差が生じたことになる。

ファイルの展開では、さらに大きな差が出た。MacBook Airが10秒未満で完了したのと同じアーカイブ展開処理に、Surface Laptopは40秒以上を要した。一方、ウェブブラウジングでは両プラットフォームがほぼ同等の結果となった。このことから、差は純粋な計算性能ではなく、Windowsのアプリケーション起動処理などと関係するワークロードに表れている可能性がある。

■原因はチップではなくWindowsのアーキテクチャか

Apple SiliconとWindowsハードウェアの性能差については、「Appleのチップが単純に速い」と説明されがちだ。しかし、今回のテスト結果だけでは、その説明で差のすべてを説明することは難しい。

MacBook NeoのA18 Proはスマートフォン向けのチップであり、もともとノートPC用プロセッサとして設計されたものではない。6コアCPUを備え、3nmプロセスで製造されているが、専用のノートPC向けチップに比べ、アーキテクチャと放熱の両面で制約がある。一方、Dell XPS 13のWildcat Lake Core 5 320は、ノートPC向けに設計されたチップだ。Surface LaptopのSnapdragon X2 Plusは、最大4.0GHzで動作するOryon Gen 2 CPUコアを搭載しており、従来のSurface Laptopに搭載されたSnapdragon X Eliteより大幅に高速であることが、独立したベンチマークで示されている。しかし、こうした処理性能は、今回のWord文書の読み込み時間には反映されなかった。

この性能差に関係するとみられるWindowsの技術的課題については、MicrosoftのWindowsおよびデバイス担当エグゼクティブバイスプレジデントであるPavan Davuluriも改善方針を示している。Davuluriは2026年7月31日、WebView2をネイティブWindowsコードに置き換えることを、同社のエンジニアリングにおける最優先事項と位置付けた。

Microsoftは2021年以降、ウィジェット、Windows Search、一部の設定ページなど、Windows 11のシェルの多くをWebView2上に構築してきた。WebView2は、ChromeやEdgeにも使われているChromiumレンダリングエンジンをWindowsアプリケーション内で利用するためのコンポーネントだ。TechTimesが過去のWebView2に関する記事で説明したように、こうしたOSコンポーネントはブラウザのタブに似た仕組みで動作し、バックグラウンドでレンダラープロセス、GPUプロセス、ネットワークプロセスを生成する。そのため、ユーザーがアプリケーションを開く前からメモリやCPUリソースを消費する。8GBのメモリを搭載したWindows 11マシンでは、アプリを起動していないアイドル状態でもRAM使用率が最大70%に達したことが、独立したテストで報告されている。Wordはこうした環境の中で起動し、文書を読み込むことになる。

AppleのmacOSは、シェル全体でApple独自のネイティブレンダリングフレームワークを使用している。Finder、システム設定、SpotlightにはChromiumが組み込まれていない。今回の結果は、単なる2種類のチップの比較ではなく、シェルの一部にブラウザエンジンを利用するOSと、ネイティブフレームワークを利用するOSの違いが影響した可能性を示している。

Davuluriが7月31日に示した方針には、システム全体のメモリアロケータの刷新、WindowsシェルコンポーネントのWebView2からネイティブのWinUI 3フレームワークへの移行、すぐには置き換えられないChromiumコンポーネントの効率改善という3つの具体策が含まれている。移行はまだ完了していない。頻繁に動作するOSコンポーネントの1つであるWindows Searchは、この夏に外観の再設計が完了したものの、依然としてWebView2上で動作している。改善機能の一般提供は2026年秋に始まり、同年末まで継続すると見込まれている。

■バッテリー消費率ではWindows機が優位

バッテリーテストでは、一般的な予想とは逆の結果が出た。Windows Latestの執筆者も、自身の記事でこの結果への驚きを記している。

PhoneBuffが実施した2時間の生産性バッテリーテストでは、WordとExcelを交互に使用しながら、継続的なタイピング、コピー&ペースト、バックグラウンドでのSpotify再生を行った。その結果、Surface Laptopのバッテリー消費率は16%だったのに対し、MacBook Air M5は24%だった。XPS 13は18%で、MacBook Neoの26%を下回った。

どちらの結果も、Apple Siliconはエネルギー効率に優れるという一般的な評価に反するものだが、同様の傾向を示す別のテストもある。Tom's Guideによる連続ウェブブラウジングのバッテリーテストでは、2026年モデルのDell XPS 13が14時間29分、MacBook Neoが13時間26分となり、XPS 13のほうが長く動作した。

この逆転には2つの技術的要因があると考えられる。第一に、IntelのWildcat Lakeアーキテクチャは、Panther Lakeから派生したCore 5 320などのチップファミリーであり、軽負荷時の電力効率が向上している。一般的なオフィス作業では、従来のIntel製品よりARMプラットフォームとの効率差が縮まった。

第二に、今回の生産性テストは、短時間のタイピング、コピー&ペースト、バックグラウンドでの音楽再生といった、軽く断続的な処理を中心としている。QualcommのSnapdragon X2 PlusのようなARMチップや、軽負荷時の効率を高めたIntelのWildcat Lakeが有利になりやすい条件だ。MacBook Neoのファンレス設計も、性能と消費電力を一定の範囲に抑える方向に働く。持続的な高負荷処理となるAdobe Premiere Proの書き出し区間ではバッテリー消費率の差が縮まっており、Windows機の優位性はすべてのワークロードではなく、軽い生産性作業に限られる可能性がある。

これは、勤務中にノートPCを充電器へ接続せずに使う購入者にとって意味のある結果だ。文書作成、表計算、バックグラウンドでの音楽再生という日常的な作業を再現した今回のテストでは、2台のWindowsノートPCが、対応するApple製品より少ないバッテリー消費率を記録した。

■どのWindowsノートPCを買うべきか

今回テストされた2台のWindowsノートPCは、製品として置かれている状況が異なる。

Dell XPS 13は、現在の699ドル(約11万円)という価格帯では競争力のある製品だ。8GBのRAMはパワーユーザーにとって明確な制約になるが、MacBook Neoにはないタッチスクリーンと120Hzディスプレイ、拡張可能なストレージ、USB4接続を備える。Word文書を開くのが5秒遅かったことは弱点だが、全体としてバランスの取れた製品の一側面にすぎない。今回の日常作業を想定したテストでは、Appleの競合製品よりバッテリー消費を抑えた。同価格で筐体品質も同程度なら、XPS 13を選ぶ合理的な理由はある。

一方、Surface Laptopを勧めるのはより難しい。13.8インチモデルの開始価格は1,599ドル(約25万1000円)で、1,299ドル(約20万4000円)のMacBook Airより約300ドル高い。Surface Laptopは、MacBook Airにはない120Hzディスプレイとタッチ操作に対応する。3:2の画面比率も、文書作成などでは縦方向の情報を多く表示しやすい。しかし、今回の比較ではアプリケーションの起動と文書の読み込み、ファイル操作、価格の各面でMacBook Airに劣った。

Microsoftによると、Surface LaptopのカメラはDXOMARKのノートPCカメラランキングで146点を獲得し、首位となった。MacBook Pro M5は135点で4位だった。このランキング結果は独立して確認できるものであり、カメラ品質は実際の差別化要因となる。それが、文書を速く開けるマシンに対する300ドルの価格差に見合うかどうかは、購入者が判断することになる。

欧州市場でも同様の価格差がある。Surface Laptopと同等のMacBook Air M5の差額は、多くの市場で約300ユーロとなっている。2026年8月3日時点の原文の換算では約345ドルであり、1ドル=157円で計算すると約5万4000円に相当する。

Microsoftはソフトウェアのオーバーヘッドを課題として認識し、その改善に取り組む方針を公表している。Davuluriが7月31日に示したWebView2からWinUI 3への移行とメモリアロケータの刷新は、PhoneBuffの結果に関係するとみられるオーバーヘッドへ対処する施策だ。問題は実施時期にある。

最初の改善機能の一般提供は2026年秋より前には始まらないと見込まれている。現時点でSurface Laptopを購入する場合、MacBook Air M5より300ドル多く支払い、今回のテストではアプリケーションの起動や文書の読み込み、ファイル操作で劣る一方、軽い生産性作業でのバッテリー消費率やディスプレイのリフレッシュレートでは優位に立つことになる。ソフトウェア改善については、具体的な提供日や数値目標がまだ公表されていない。

■Windowsの今後の展望

Microsoftも対策を進めている。WindowsシェルコンポーネントのWinUI 3への移行は進行中だ。最近のWindowsシェル再設計に関する報道によると、エクスプローラーのプロパティダイアログはすでにWinUI 3で再構築されている。ウィジェットパネルと新しい「ファイル名を指定して実行」の操作画面についても、移行が予定されている。

WinUI 3は、XAML APIとWindowsのGPUコンポジターを使ってネイティブに描画するため、ブラウザのサブプロセスを生成する必要がない。コンポーネントを移行するたびに、今回のPhoneBuffの結果に影響した可能性のあるオーバーヘッドを減らせることになる。

NVIDIAのRTX Sparkを搭載するWindowsノートPCも、2026年後半に登場すると予想されている。専用CUDAコアとユニファイドメモリを備えた、新しいGPUアクセラレーション対応ARMアーキテクチャが、プレミアムWindowsノートPC市場に導入されることになる。RTX Sparkプラットフォームの量産前性能については、TechTimesが過去にSurface Laptop Ultraに関する記事で報じている。Lenovo Yoga 9n 2-in-1は、最初のRTX Spark搭載コンバーチブルとして確認されている。

RTX Spark搭載機がアプリケーション起動の差を縮めるのか、それともWinUI 3への移行が完了するまで差が残るのかは、ハードウェアの発売時期とソフトウェア改善の進展の両方に左右される。

今週購入を決める人にとって、今回のベンチマークは、MacBook Air M5のほうが文書を速く開き、価格も安いことを示している。一方、Surface Laptopは日常的な生産性作業を想定したテストでバッテリー消費が少なく、カメラの評価も高い。どちらも今回確認された特性であり、適切な選択は、どの特性を日常的に重視するかによって決まる。

■注目ポイントQ&A

●なぜMacBookのほうがWindowsノートPCよりMicrosoft Word文書を速く開けるのですか?

今回の結果はプロセッサの速度だけでは説明しにくく、OSのアーキテクチャが影響している可能性があります。Windows 11は、ウィジェット、Windows Search、一部の設定パネルなど、シェルの一部をWebView2上に構築しています。WebView2は、ChromiumのレンダリングエンジンをWindowsアプリケーション内で利用するためのコンポーネントです。

動作中のWebView2コンポーネントは、ブラウザのタブに似たバックグラウンドプロセスを生成し、ユーザーがアプリケーションを起動する前からメモリやCPUリソースを消費します。macOSの主要なシェルコンポーネントはAppleのネイティブフレームワークを通じて描画され、Chromiumを組み込んでいません。この違いが、Wordの起動や文書の読み込み時に利用できるリソースへ影響している可能性があります。

MicrosoftのWindowsおよびデバイス担当エグゼクティブバイスプレジデントであるPavan Davuluriは2026年7月31日、WebView2をネイティブのWinUI 3コードに置き換えることを、同社の最優先のエンジニアリング課題に挙げました。改善は2026年秋から順次提供されると見込まれています。

●WindowsノートPCが文書の読み込み速度で劣るなら、なぜこのテストではバッテリー消費が少ないのですか?

PhoneBuffの生産性バッテリーテストは、Wordでのタイピング、Excelへの切り替え、コピー&ペースト、バックグラウンドでのSpotify再生といった、軽く断続的な処理を繰り返します。QualcommのSnapdragon X2 PlusなどのARMチップや、軽負荷時の電力効率を高めたIntelのWildcat Lakeが有利になりやすい種類の処理です。

負荷が高くなると、両プラットフォーム間の差は縮まりました。PhoneBuffのテストでは、Adobe Premiere Proで動画を書き出す区間になると、バッテリー消費率の差が小さくなっています。持続的な高負荷処理では、Apple Siliconの効率面での優位性が再び表れています。動画の書き出しよりも、文書作成や表計算などへ多くの時間を使う人にとっては、今回のWindows機の結果は重要な判断材料になります。

●Surface LaptopにはMacBook Air M5より300ドル多く支払う価値がありますか?

今回利用できるベンチマーク結果では、アプリケーションの起動や文書の読み込み速度、価格の面でMacBook Air M5に明確な優位性があります。一方、120Hzのタッチスクリーン、3:2の画面比率、DXOMARKで高く評価されたノートPCカメラ、軽い生産性作業でのバッテリー消費率を特に重視する人にとって、Surface LaptopにはMacBook Airにない特徴があります。

現時点で、300ドルの価格差によってソフトウェア処理が速くなるわけではありません。主にディスプレイ機能、タッチ操作、カメラ、今回のテスト条件におけるバッテリー性能へ支払う価格差です。Microsoftは2026年末にかけて性能改善を進める方針を示していますが、具体的な改善幅はまだ確認されていません。

●PhoneBuffのロボットアームによるテスト手法はどの程度信頼できますか?

PhoneBuffは、スマートフォンの落下テストやバッテリーテスト向けにロボットアームを使ったテスト手法を開発しました。機械的に同じ操作を繰り返すことで、一般的な技術比較で結果のばらつきを生じさせる人間の操作差を減らすことができます。今回も、ロボットが両方のノートPCに対し、同時に同一の物理操作を実行しています。

ただし、限界もあります。Windows Latestの執筆者は、自身のPCで同じ500ページの文書を開いたところ、テスト対象のどのマシンよりも速い3秒未満で完了したと指摘しています。この結果は、ファイルの内容、ストレージ構成、デバイスの設定などが、OSレベルのオーバーヘッド以外にも個別の結果へ影響する可能性を示しています。

それでも、2組の異なるハードウェアで同じ5秒差が生じた点は、単一の計測結果より重要です。ARM版Windowsを搭載するSnapdragon X2 Plus機と、x86版Windowsを搭載するIntel Core 5 320機の両方が、それぞれのApple製品に同じ差で遅れたため、特定のチップだけを原因とする説明は難しくなります。

元記事: MacBook Opens Microsoft Word Twice as Fast as Surface Laptop in PhoneBuff Tests

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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