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米国でロート製薬の目薬約1196万箱が自主回収、ベトナム工場の無菌性問題で

(Rohto.com.vn)[写真拡大]
米国で販売された「Rohto Cooling Eye Drops」約1196万箱が、無菌性を保証できないとして自主回収の対象となった。対象はベトナム工場で製造された特定のロットで、回収対象のロット番号には「V」が含まれている。使用期限は2026年7月から2029年2月までで、現時点で疾病や有害事象は報告されていないが、該当する製品は直ちに使用を中止する必要がある。
■ベトナム工場の製造履歴と回収の背景
薬箱に「Rohto Cooling Eye Drops」がある場合は、ロット番号を確認するまで使用を中止すべきである。米連邦保健当局は、一般用医薬品(OTC)として販売されている充血や目の乾燥向けの点眼薬11,960,623箱を回収対象とした。製造を担うベトナムの工場が、製品の無菌性を確実に保証できることを示せないと判断されたためだ。米報道機関ProPublicaのFDA査察データベースによると、同工場では少なくとも2012年以降、米連邦当局による製造施設の査察で問題が繰り返し指摘され、2013年には製品を対象とする輸入禁止措置も取られている。
今回の回収は、シングルパックおよびツインパックで販売されている「Rohto Cooling Eye Drops」8種類に及ぶ。FDAの執行報告書によると、異例なのは約1196万箱という数量だけではない。米国で近年実施されたOTC点眼薬の回収としては最大級の規模であり、対象ロットの使用期限も2026年7月から2029年2月までと長期間にわたる。「使用期限までまだ何年もある」と考えられている製品が現在も家庭内に保管され、消費者が問題を疑わないままになっている可能性がある。
自主回収は、製品を製造するホーチミン市の子会社Rohto-Mentholatum (Vietnam) Co., Ltd.によって2026年7月14日に開始された。FDAは同年7月23日、この措置をクラスIIの回収に分類した。これは、製品の使用によって一時的または医学的に回復可能な健康被害が生じる可能性はあるものの、深刻な健康被害が発生する確率は低いと判断された場合の区分である。回収対象ロットに関連する疾病や有害事象は報告されていない。
■「無菌性を保証できない」とは何を意味するのか
「無菌性の保証の欠如(lack of assurance of sterility)」はFDAの規制上の正式な表現であり、単に無菌性が疑わしいという以上に具体的な意味を持つ。規制当局が検査対象から実際に汚染を発見したという意味ではない。FDAの現行適正製造規範(cGMP)によると、検証済みの手順、設備の適格性評価、環境管理、無菌充填・仕上げ工程などを含む製造プロセス自体について、無菌製品を安定して製造できることを証明できない状態を指す。
サンプルとして検査したロットに問題がなくても、根本的な製造プロセスに欠陥があれば、検査されていない製品に汚染が存在する可能性がある。このため、有害事象が報告されていない段階でも、製造プロセスの不備を理由に回収が行われる。FDAが実際の疾病発生を待たずに対応するのもそのためである。
ホーチミン市のベトナム・シンガポール工業団地内、No. 16 Vsip, Street No. 5にあるRohto-Mentholatumの施設では、こうした製造プロセス上の不備が過去にも記録されている。FDAの査察記録を集約したProPublicaの「Rx Inspector」データベースによると、この施設に対する4回の査察では、いずれもコンプライアンス上の問題が指摘された。記録は以下の通りである。
2012年5月:FDAは同施設を「受け入れられないコンプライアンス状態」にあると分類した。これは輸入禁止を除けば最も深刻な評価である。無菌処理区域における重要な清浄区域の分離不足、容器および栓の受け入れに関する文書化された手順の不遵守、容器の上部・中部・下部から試料を採取していないというサンプリング手順の不備など、13件の具体的な違反が指摘された。FDAは正式なコンプライアンス措置を取るよう勧告した。
2013年8月:FDAは輸入警告を出し、同施設の製品が米国に輸入されることを禁止した。
2015年4月、2018年3月、2019年11月:その後に行われた3回の査察でも、それぞれ問題が指摘され、「自主的措置が必要(voluntary action indicated)」と評価された。これは、問題は確認されたものの、正式な行政執行措置を取らなくても施設側が自主的に是正できるとFDAが判断したことを意味する。
この履歴が注目される理由は2つある。第一に、2026年の回収は、2014年1月に行われた実質的に同様の回収と同じパターンを示している。2014年には、メンソレータム社(The Mentholatum Company)が、同じベトナム施設で製造されたRohtoの点眼薬Arctic、Ice、Hydra、Relief、Coolを自主回収した。製造工程の調査で無菌管理に関する疑問が生じたためである。このときも、2026年と同様、ロット番号に「V」が含まれるベトナム製造ロットが対象だった。
第二に、Rohtoのウェブサイトでは現在も、製品について「FDAの適正製造規範(GMP)に準拠している」と説明し、「100%無菌、汚染ゼロ」と記載している。しかし、こうした主張は今回の回収措置と直接的に矛盾する。
2026年7月30日現在、ロート製薬(Rohto Pharmaceutical)およびニューヨーク州オーチャードパークに拠点を置く米国販売会社のメンソレータム社は、メディアからのコメント要請に応じていない。FDAは、2026年の回収の引き金となった具体的な製造上の不備を公表していない。
■回収対象の製品と確認方法
メンソレータム社が販売する「Rohto Cooling Eye Drops」のうち、回収対象となる8種類と数量は以下の通りである。
Rohto Cooling Eye Drops Max Strength(シングル):6,076,306箱
Rohto Cooling Eye Drops Max Strength(ツインパック):499,673箱
Rohto Cooling Eye Drops Cool Relief:2,910,148箱
Rohto Cooling Eye Drops Optic Glow:1,278,457箱
Rohto Cooling Eye Drops All-In-One:1,033,266箱
Rohto Cooling Eye Drops Dry Aid(シングル):97,201箱
Rohto Cooling Eye Drops Dry Aid(ツインパック):353箱
Rohto Cooling Eye Drops Digi Eye:65,219箱
これらの製品すべてが回収されるわけではなく、対象となるのは特定のロット番号のみである。確認する際の手掛かりは、ロット番号に含まれる「V」だ。回収対象となっているすべてのロット番号には「V」が含まれている。具体例として「3H1V」「4A2V」「5B1V」などが挙げられる。
これは、ベトナム製造ロットが「V」を含むコードで識別された2014年の回収とも一致する。箱のロット番号に「V」が含まれている場合は、FDAの執行報告データベースに掲載されている完全な対象リストと照合する必要がある。
製品はRohto Eye Dropsのオンラインショップで直接販売されたほか、Krogerなどの実店舗でも取り扱われていた。販売された小売店の完全なリストについては、メンソレータム社に直接問い合わせる必要がある。
手元の製品を確認する手順は以下の通りである。
1. ロット番号を確認する。ロット番号は箱の底面とボトルの裏面ラベルに印刷されている。
2. 「V」が含まれているか確認する。回収対象のロット番号にはすべて「V」が含まれている。「V」がない製品は今回の対象ロットには含まれないが、FDAの完全なリストでも確認すべきである。
3. FDAのリストと照合する。accessdata.fda.govにあるFDAの執行報告データベースで、イベント番号「99440」を検索する。
4. 対象製品の使用を直ちに中止する。ロット番号が回収対象と一致した製品は、使用を続けてはならない。
5. 製品を廃棄または返品する。回収対象品は廃棄するか、購入した店舗に返品して返金を受けることができる。
6. 有害反応を報告する。対象製品の使用後に目の刺激、感染、充血、目やに、痛みなどが生じた場合は、fda.gov/safety/medwatchにあるFDAのMedWatch有害事象報告プログラムを利用するか、1-800-FDA-1088に電話して報告する。
7. 症状がある場合や目の健康について不安がある場合は、医療従事者に相談する。
■点眼薬で無菌性の問題が特に高いリスクを伴う理由
カリフォルニア大学デービス校眼科・視覚科学科の臨床教授で、眼科用製品の開発に関するコンサルティングも行う認定臨床薬理学者のゲイリー・ノヴァック氏は、OTC点眼薬が規制上特殊な位置付けにあると説明している。販売前にFDAの事前審査を受ける必要はないが、現行適正製造規範(cGMP)には従わなければならない。
「点眼薬の場合、それは厳格な無菌性を意味し、細菌などの微生物が製品に含まれていないことを確実にする必要がある」とノヴァック氏は述べている。
点眼薬で無菌性が他の多くのOTC製品以上に重要となる理由は、目の構造にある。汚染された製品が眼球表面に直接投与されると、身体が備える主要な防御機構を迂回してしまう。
酸や酵素、活発な免疫環境によって多くの汚染物質を無力化できる消化管とは異なり、目が侵入した微生物と闘う能力は限られている。汚染された点眼薬は細菌性または真菌性の角膜炎を引き起こす可能性がある。角膜炎は深刻な角膜感染症であり、重症の場合は視力を脅かすおそれがある。
2026年のRohto製品の回収は、同年に相次いでいる眼科用製品の製造上の問題という、より広範な流れの中で発生した。
2026年3月には、カリフォルニア州ポモナのKC Pharmaceuticalsが、「無菌性の保証の欠如」を理由に、310万本を超えるストアブランドの潤滑点眼薬を回収した。これらはWalgreens、CVS、Krogerなどで販売されていた。
2026年6月には、Lupin Pharmaceuticalsが、一部のロットに異物が存在していたことを理由に、処方薬であるプレドニゾロン酢酸エステル点眼懸濁液2,530,182本を回収した。
さらに2026年5月には、フランスのExcelvisionを製造元としていた複数のブランドがOTC点眼薬を回収した。これに先立ち、FDAは無菌性に関連するcGMPからの逸脱を理由としてExcelvisionに警告書を出していた。
■「クラスII」回収が意味すること
FDAのクラスII指定は、製品の使用または製品への曝露によって、一時的または医学的に回復可能な健康被害が生じる可能性はあるものの、深刻な健康被害が発生する確率は低いと規制当局が判断したことを意味する。
これは、製品を安全に使用できるという意味ではない。深刻な健康被害または死亡が発生する合理的な可能性がある場合に適用されるクラスI回収の基準には達していない、という意味である。
特に眼科用製品の場合、目の構造に起因するリスクが高いため、クラスIIの分類であっても深刻に受け止めるべきである。
EzriCareおよびDelsam Pharmaの人工涙液に関連する2023年の集団感染では、80件を超える感染が確認され、14人が視力を失い、4人が死亡した。この事例は、汚染が記録された工場の製品を回収するところから始まったもので、Rohtoで問題となっている製造プロセス上の不備よりも深刻な状況だった。
Rohtoの問題は、無菌性を保証できない製造プロセスに関するものであり、実際の汚染が確認されたわけではない。ただし、その違いは消費者が独自に検証できない製造プロセスに依存している。
■注目ポイントQ&A
●どのRohto目薬が回収されましたか?自分の製品が対象かどうかはどうすれば分かりますか?
回収対象には「Rohto Cooling Eye Drops」の8種類が含まれます。Max Strengthのシングルパックとツインパック、Cool Relief、Optic Glow、All-In-One、Dry Aidのシングルパックとツインパック、Digi Eyeです。
これらの製品のすべてが回収されるわけではなく、特定のロット番号のみが対象です。最も簡単な確認方法は、箱またはボトルのロット番号を見ることです。回収対象となったすべてのロット番号には「V」が含まれています。例として「3H1V」や「5B2V」などがあります。
「V」が含まれている場合は、FDAの執行報告データベース(accessdata.fda.gov)でイベント番号「99440」を検索し、完全な対象ロットリストと照合してください。対象ロットの使用期限は2026年7月から2029年2月までです。このため、数カ月前や数年前に購入し、問題があるとは考えずに保管している製品が対象となっている可能性もあります。
●汚染が見つかっていないのに、なぜ「無菌性の保証の欠如」で回収されるのですか?
無菌試験はサンプリングによって行われるため、1つのバッチに含まれるすべての製品を検査することはできません。FDAは、サンプルとして検査した製品に問題がないことだけでなく、製造プロセス自体について、無菌製品を安定して製造できることが検証されているよう求めています。
「無菌性の保証の欠如」とは、設備の適格性評価、環境モニタリング、無菌充填手順、文書化された作業手順などのプロセス管理について、汚染を確実に防止できると証明できないことを意味します。
根本的な製造プロセスに欠陥がある場合、サンプルの検査結果に問題がなくても、未検査の製品に検出されていない汚染が存在する可能性があります。このためFDAは、汚染が確認されて消費者に被害が及ぶ前に、製造プロセスの不備を理由として措置を取ります。
●回収対象のロットリストにないRohto目薬を使用しても安全ですか?
今回の回収対象は、FDAの執行報告書に記載されている特定のロット番号のみです。ロット番号が回収対象リストと一致しない製品は、今回の措置の対象ではありません。
ただし、同施設では2012年と2013年の重大な措置に加え、2015年、2018年、2019年の査察でも問題が指摘されています。さらに確認したい場合はFDAの執行報告書全体を参照し、懸念があれば医療従事者または薬剤師に相談してください。
今回の回収は日本で製造されたRohtoの点眼薬には影響しません。対象となるのは、ロット番号に「V」が含まれるベトナム製造ロットのみです。ProPublicaの査察データベースと、2014年に米国眼科学会(AAO)が公表した消費者向け通知から、同施設のコンプライアンス履歴に関する追加情報を確認できます。
●同じ工場で製造された目薬が過去にも回収されたことはありますか?
はい。2014年1月、メンソレータム社は同じベトナム施設で製造された5種類の「Rohto Cooling Eye Drops」を自主回収しました。対象となったのはArctic、Ice、Hydra、Relief、Coolです。
この回収も、無菌管理に関する問題が製造工程の調査で浮上したことを受けて行われました。対象は、2026年の回収と同じく、ロットコードに「V」が含まれるベトナム製造ロットでした。当時、米国眼科学会(AAO)が消費者向け通知を公表しています。2014年の回収に関連する健康被害は報告されていません。
元記事: Rohto Eye Drop Recall: Nearly 12 Million Cartons Tied to Factory With History of FDA Violations
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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