30日の中国本土市場概況:上海総合0.4%安で反落、金融株下げ主導

2021年7月30日 16:49

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記事提供元:フィスコ


*16:49JST 30日の中国本土市場概況:上海総合0.4%安で反落、金融株下げ主導
7月30日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比14.37ポイント(0.42%)安の3397.36ポイントと反落した(上海A株指数は0.42%安の3560.74ポイント)。


指標発表前に買い手控え。中国本土ではあす31日、7月の製造業PMI(国家統計局などが集計)が発表される。最新のコンセンサス予想では、6月実績からやや低下する見込みだ。新型コロナウイルス変異種(デルタ株)感染拡大も不安材料。江蘇省の南京禄口国際空港を発端とするウイルス感染に関しては、地元当局の7月29日発表によると、同空港を由来とする感染は中国17省26市に拡大した。うち北京市の新規感染は半年ぶりとなる。感染者数自体は小規模だが、封じ込めに一旦成功していただけに、感染再流行の危機感が強まった。ただ、大きく売り込む動きはみられていない。中国経済回復のペース鈍化が懸念される中、「当局は景気対策を強める」と期待された。また、ゴールドマン・サックスのストラテジストが最新リポートで、「中国の規制は一部の企業に対するもので、過度に悲観することはない」と指摘し、中国A株の投資判断を「オーバーウエート」で継続したことも安心材料だ。(亜州リサーチ編集部)


金融株が下げを主導する。招商銀行(600036/SH)が3.0%安、中国郵政儲蓄銀行(601658/SH)が2.5%安、中国人民保険集団(601319/SH)が3.5%安で引けた。


旅行関連の銘柄群も安い。免税店運営の中国旅遊集団中免(601888/SH)が6.6%、ホテル経営の北京首旅酒店(600258/SH)が6.2%、大手エアラインの中国国際航空(601111/SH)が3.8%ずつ下落する。医薬品株、食品飲料株、不動産株なども売られた。


半面、石炭や鉄鋼、非鉄など資源・素材株は物色される。永泰能源(600157/SH)と馬鞍山鋼鉄(600808/SH)がそろってストップ高、中国アルミ(601600/SH)が5.9%高で取引を終えた。自動車株、公益株、ハイテク株、インフラ関連株も買われている。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が2.10ポイント(0.82%)安の254.04ポイント、深センB株指数が4.50ポイント(0.38%)高の1194.37ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《FA》

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