20日の香港市場概況:ハンセン0.8%安で続落、資源・素材セクターに売り

2021年7月20日 18:00

印刷

記事提供元:フィスコ


*18:00JST 20日の香港市場概況:ハンセン0.8%安で続落、資源・素材セクターに売り
20日の香港市場は、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前日比230.53ポイント(0.84%)安の27259.25ポイントと続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が93.99ポイント(0.94%)安の9864.57ポイントと3日続落した。売買代金は1395億3480万香港ドルとなっている(19日は1428億9050万香港ドル)。


米株安を嫌気した売りが先行する流れ。昨夜の米市場では、世界経済の回復ペース鈍化を警戒し、主要株価指数がそろって急落した。新型コロナウイルス変異種(デルタ株)がアジアや欧米で感染拡大するなか、経済活動正常化の足かせになると危ぐされている。商品市況安も逆風。昨夜のWTI原油先物は7.5%安と急落し、一時、5月下旬以来の安値を付けた。ロンドン金属市場(LME)では、アルミや銅など主要商品が軒並み下落。この日の上海商品取引所でも、非鉄や鉄筋など主要産品の先物が下落している。中国の景気下支え策に対する期待感が根強く、指数はプラス圏に浮上する場面がみられたものの、上昇の勢いは続かなかった。中国人民銀行(中央銀行)が朝方公表した事実上の貸出基準金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、事前予想通り15カ月連続で据え置かれている。(亜州リサーチ編集部)


エネルギー関連セクターが下げを主導。石油大手3社の中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が3.6%安、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が2.7%安、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が1.8%安、原油掘削の中海油田服務(2883/HK)が1.8%安、石炭の中国中煤能源(1898/HK)が2.4%安、天然ガスの昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が2.6%安で引けた。


非鉄や鉄鋼の素材セクターも安い。中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が5.6%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が2.8%、江西銅業(358/HK)が2.7%、新疆新キン鉱業(3833/HK)が1.9%、中国東方集団HD(581/HK)が4.6%、鞍鋼(アンガン・スチール:347/HK)が3.9%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が3.0%ずつ下落した。


中国不動産セクターは大幅続落。個人向け固定資産税の徴収拡大に関する噂が流れている。また、債権者の広発銀行が裁判所に対し、中国恒大集団(3333/HK)資産の保全を申請したもよう——と報じられたことなども引き続きセクター全体の売り材料だ。中国恒大集団は10.2%安(前日は16.2%安)。恒大集団は「財産保全行為」を乱用しているとして、広発銀行を提訴する方針を示したが、投資家の不安は払しょくされていない。また、複数メディアが20日報じたところによれば、湖南省邵陽市の住宅都市建設局はこのほど、恒大集団に対し、住宅プロジェクト2件の予約販売許可を一時停止すると発表した。そのほか、融創中国HD(1918/HK)が6.3%安、世茂房地産HD(813/HK)が3.8%安、合景泰富地産HD(1813/HK)が2.7%安、広州富力地産(2777/HK)が2.6%安で取引を終えた。


一方、本土市場は小幅ながら3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.07%安の3536.79ポイントで取引を終了した。資源・素材株が安い。金融株、不動産株、公益株、海運株なども売られた。半面、半導体株は高い。医薬品株、食品飲料株、自動車株、インフラ関連株も買われた。

亜州リサーチ(株)《FA》

関連記事