相場展望9月28日号 今週の注目すべきポイント (1) 欧州での新型コロナ再拡大 (2) 米大統領討論会 (3) 米雇用統計(2/2)

2020年9月28日 08:22

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■II.中国株式市場

●1.上海総合指数

 1)9/18の3,338 ⇒ 9/25の3,219と▲119安・▲3.6%の下落となった。

●2.中国「国慶節」で6億人が旅行などで大移動か

 1)「国慶節」とは中華人民共和国の建国記念日で、10/1~8までの1週間の連休となる。

●3.日系企業1,757社(7月末時点)が中国から移転申請へ、日本政府の支援策を受け

 1)移転理由
  ・中国コスト高:日本100に比べ、中国80、ベトナム74、カンボジア65、ミャンマー60(2019年、日本貿易振興機構(JETRO)調査)
  ・経営不自由度:中国の地方政府・共産党からの経営介入が多く、経営自由度が制限。
  ・米国の関税高:米国への輸出コスト高による事業採算の悪化など、多くの貿易障壁。
  ・中国集中弊害:中国にサプライチェーンを集中したことのデメリットが多いと気付く。
  ・日本政府支援:新型コロナで、サプライチェーンの中国集中の弊害が日本国内で表面化したための改善策。(例:マスクや部品の日本での品切れ等で支障発生)移転による政府補助金は当初予算2,400億円だが、申請額は約1兆8,000億円のため、予算増額を検討するとみられる。

 2)中国進出の企業動向
  ・中国に進出した日本企業は約13,600社で、移転を決めた1,757社は約13%に当たる。(帝国データバンク調査)
  ・ただし、移転企業の多くは中小企業で、大企業にまでは及んでいない。

●4.米政府は、中国の半導体受託製造会社SMICへの輸出を一部制限へ(英FT紙報道)

 1)英フィナンシャル・タイムズ(FT)は9/26、米国が中国の半導体受託生産会社・中芯国際集成電路製造(SMIC)への一部輸出を制限する措置を打ち出したと報じた。
 2)中国のテクノロジー産業に新たな打撃となるもので、知的財産や国家安全保障を巡る緊張を高めることになりそうだ。
 3)FTは、米商務省がSMICに送付した書簡を引用し、製品が軍事目的に転用されかねない「容認不可能なリスク」を理由に、複数の米企業は今後、SMICへの一定の製品輸出に当たって米商務省の許可が必要になると、伝えた。
 4)ブルームバーグによれば、SMICの購入先にはクアルコムやブロードコムなどの米半導体メーカーが含まれる。
 5)この米政府の措置によって、SMICは先端半導体製造装置を米国から輸入できなくなり、現状の14nmの増産や、7nm・5nm生産などに障害を抱えることになる。つまり、『中国製造2025』の中核である『半導体生産シェア70%実現はより困難』となる。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)9/23、日経平均は▲13円安の23,346円
  ・海外株安を受け一時▲200円超の下落から、日銀のETF(上場投資信託)買入観測と押し目買い意欲も強く、引け値は▲13円安と下げ幅を縮小した。
  ・富士フイルムが昼頃、新型コロナ治療薬候補として「アビガン」の承認申請を10月に実施すると発表したのも支えとなった。
  ・昼には菅首相と黒田日銀総裁が会談したことが、思惑的な買いを誘った。

 2)9/24.日経平均は▲258円安の23,087円
  ・25日移動平均線(23,216円)を下回った。
  ・米ダウ先物の急落で日経平均も連動して下げた。ただ、下落率は▲1.1%と、米SP500の▲2.4%と比べ下げ率は小さく抵抗力を示す。

 3)9/25、日経平均は+116円高の23,204円
  ・中間配当取り狙いの買いの見方から、買い優勢となった。
  ・ただ、配当取り後の需給面での支えが無くなった後の株価動向を懸念する声もあり、買い一巡後の上値は限られた。

●2.日経平均の今週の動向予想

 1)9/28は、中間配当などの各種権利取りの権利付き売買の最終日となる。
  ・そのため最近までは、(1)配当取りの買い (2)配当分の再投資を期待した買い (3)日銀のETF買い支え、によって日経平均は底堅い展開を見せてきた。

 2)9/24には日経平均は8/7以来となる25日移動平均線(23,216円)割れの23,087円となり、上昇トレンドに黄信号が付いた。
  ・25日線を明確に回復できない場合は、75日線(22,789円)を下値にしたレンジ相場になることから、テクニカル的には下振れ懸念が出てきた。

 3)9/29は権利落ち後となることから、需給面での下支え要因が外れる。
  ・加えて、新型コロナ新規感染者数も、減少傾向にあった東京都で9/19からの4連休中の感染増加が表面化してくると予想できることから警戒感も強い。

 4)欧州における新型コロナ感染再拡大を受け、世界経済の失速が警戒され、株式市場はリスクムードにある。
  ・独DAX指数は9/16高値13,255から下落が続き、9/25は12,469と▲5.9%安となる。

 5)これまで株式市場を牽引してきた米ハイテク株の下落もあり、欧米株式が下落した場合、日本株も影響を受けやすくなる。

 6)9/29の米大統領候補の第1回討論会で、トランプ大統領が不利と受け止められると、一時的な波乱が想定されるので、9/30のNYダウ先物の動き次第で日本株も影響を受ける可能性がある。なお、第2回目の米大統領候補討論会は10/15の予定。

 7)10/2に米9月雇用統計の発表も控えている。

 8)以上の観点から、積極的な上値追いの買いは期待しにくい。

●3.企業動向

 1)西武    最終赤字▲630億円見通しで配当無し、鉄道乗客大幅減などが響く。
 2)企業合併  三菱UFJリースと日立キャピタルは9/24、経営統合の契約締結と発表。
 3)HIS    上場初の通期赤字▲318億円見通し、新型コロナが響く。
 4)キオクシア 10月上場は中止、米中対立の影響でファーウェイ向けに出荷できず、事業環境の先行きが不透明になったと判断したため。
 5)日本郵船  需給改善し、4~9月期業績予想を上方修正。営業利益は均衡⇒150億円黒字

■IV.注目銘柄(株式投資は自己責任でお願いします) 

 ・7309 シマノ   コロナ禍で「自転車」「釣り」が人気化し、受注増加。
 ・5384 フジミ   省エネ効果大の酸化ガリウム半導体の研磨・洗浄に注力。
 ・4502 武田薬品  シャイヤーとの経営統合が良好に進捗。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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