相場展望9月7日号 9~10月は潮目の変化に要注意 米ハイテク株急落で、過熱不安が表面化(1/2)

2020年9月7日 08:07

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・VIX指数上昇
・ブラックロック、アマゾン等の経営者が大規模な自社株売

■I.米国株式市場

●1.米株式市況の推移

 1)9/2、NYダウ+454ドル高の29,100ドル、ナスダックとSP500ともに史上最高値更新
  ・景気回復が続いているとの見方が広がり、出遅れ銘柄に物色が広がった。
  ・相場上昇は止まらず、運用成績を問われる投資家が止む無く買っているとの見方も。加えて短期的売買をするCTA(商品投資顧問)の買いを指摘する声もある。
  ・テスラは大口投資家の売却が明らかになり下落。ズームも下落。

【前回は】相場展望9月2日号 米投資家バフェット氏『日本商社株買い』の一考察 FRB政策⇒インフレ⇒資源上昇⇒資源を扱う商社か

 2)9/3、NYダウ▲807ドル大幅下落、ハイテク株の急落で過熱への不安が表面化
  ・テスラの最大の外部株主である英運用会社ベイリー・ギフォードが保有株を売却し、持株比率が6.3%から4.3%に低下したことが9/2に分かった。
  ・市場では「勢いが弱まったと見た投資家が利益確定売りを出している」との声。この日のNYダウの下げ幅は6/11以来、3カ月ぶりの大きさ。
  ・9/3の米株市場は、これまで相場を牽引してきたハイテク株が総崩れとなった。ナスダック総合▲5%、SP500は▲3.5%、NYダウ▲2.8%と全面安。主な下落はアップル▲8%、マイクロソフト▲6.2%、ズーム▲10%、テスラ▲9%安。

 3)9/4、NYダウ▲159ドル安の28,133ドル、原油先物(WTI)▲1.85ドル安の39.52ドル
  ・ハイテク株続落の▲1.3%、SP500▲0.8%、NYダウ▲0.6%と3指数ともに下落。
  ・NYダウは一時▲600ドル超からプラスに転じたが、引け値は再びマイナスに。

●2.9~10月は選挙等のイベント多く、潮目の変化に要注意

 1)選挙
  (1)米大統領選挙11/3、(2)米上院・下院議会選挙11/3、
   ・最悪のシナリオは、米大統領と上下議会がともに民主党勝利。
   ・米大統領選の両候補が敗北を認めず、法廷闘争に持ち込みならリスク大。
  (2)日本・自民党総裁選挙9/14
  (3)日本・衆議院解散(9月)と衆議院総選挙(10月)の可能性

 2)株価
  (1)3月安値から6カ月の期日経過

 3)先物清算
  (1)9月限のメジャー先物特別清算(SQ)(日本9/11)

 4)恐怖指数
  (1)VIX(恐怖)指数が上昇に傾く(日本9/4に25.13、米国9/3に33.60)

 5)彼岸
  (1)日本の9月彼岸は相場転換となる可能性がある
  (2)米国でも9~10月は相場転換となったケースあり

●3.ブラックロック、アマゾン等の経営者が大規模な自社株売りが発覚 ⇒ 高値意識か

●4.米ロビンフッドに、証券取引委員会(SEC)が調査に入る ⇒ GAFAM株に影響出る可能性

●5.米SP500の株価上昇に対して、PER(株価収益率)の貢献が大きい

 1)ゼロ金利による株価上昇の寄与は限界に達し、今後の上昇にはEPS(1株当たり純利益)の改善とそのスピードが待たれる。

●6.米株が9/3急落したが、兆候はテスラ株のピークアウトにあり、ITバブル時に似ており、ハイテク相場の調整が始まった可能性高い

 1)VIX指数も9/3に33ポイントまで急上昇した。
 2)9/4は30.75ポイントに下がったが、それでも30ポイントを上回る高い水準にある。

●7.米欧日の中央銀行がこの半年間で618兆円もの資産膨張

 1)リーマン・ショック時の4倍もの膨張となった。
 2)超緩和策の継続が、今後も持続可能な政策なのか? 検証が必要。

●8.米・8月非農業部門雇用者数は+137.1万人と予想(+135.0万人)を上回る、7月は173.4万人

 1)8月失業率は8.4%と、予想9.8%・7月10.2%から改善した。
 2)経済活動の再開から雇用の改善は見られるものの、3月にコロナ危機が本格化して以降5カ月が経過しても、全米の失業者は1,400万人規模と高水準にある。

●9.米・8月ISM非製造業景況指数は56.9と、予想57.0、7月58.1からも予想以上に下回った

 1)ただし、活動の活動を示す50は3カ月連続で上回っている。
 2)ドルは、ISM非製造業の低下傾向に失望し、軟調に推移。

●10.米労働省9/3発表、週次新規保険申請件数は前週比▲13万件減の88.1万件

 1)予想95.0万件を下回り、新型コロナの経済封鎖以降で最小となった。

●11.米商務省が発表した、7月貿易収支は▲636億ドルの赤字急拡大、2008年以来最大

 1)予想▲580億ドル、6月▲535億ドルから赤字額が拡大し2008年4月以来で最大の赤字。
 2)今後の景気回復が起伏の大きいものになることを示唆している模様。

●12.米エバンス・シカゴ連銀総裁、「9月の追加措置」を示唆

●13.米ボスティック・アトランタ連銀総裁の発言内容

 1)多くの企業は、ウイルス経済が今後1~2年間続くと見ている。経済回復は非常に強弱まちまちであろう。
 2)FRBは今後も、一段の緩和。
 3)FRBはインフレ率2%目標達成の手段を持っているし、2%達成に自信がある。インフレ率が2.4%近くまで上昇することも容認する。
 4)FRBの行動は実体経済に焦点を当てており、株式市場を支援する目的ではない。
 5)資産バブルのリスクを懸念すべき。

●14.本田悦朗・元内閣官房参与、「米国の財政赤字350兆円が続くとインフレに」と発言(ニッポン放送より

 1)米国議会予算局(CBO)は、2019年10月~2020年9月までの2020会計年度の連邦財政赤字が、過去最大の3兆3,000億ドル(約350兆円)になるとの予測をした。
 2)GDP比に対する累積赤字は、2020年は98.2%⇒2021年が104.4%と増える。
 3)この状態を未来永劫続けると、必ずインフレになる。必要なことは、GDP比でフラットにする経済運営である。

●15.企業動向

 1)ズーム   5~7月期決算で純利益が前年同期比の34倍に達した。デジタル化の加速で急成長。

続いて、「中国株式市場」、「日本株式市場」の分析、「注目銘柄」へ

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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