相場展望8月11日号 米国株は材料出尽くしで、今週がピークの可能性(2/2)

2020年8月11日 07:18

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■II.中国株式市場

●1.上海総合指数は、8/6 3,386⇒8/10 3,379と横這い

 1)香港ハンセン指数が米中対立の激化を受けて25,000を割り込み、8/10に24,377を付けたことにむしろ注目。

●2.中国・7月生産者物価指数(PPI)は前年比▲2.4%と低下幅縮小し、景気回復の兆し

 1)しかし、(1)個人が消費に慎重(2)各国でコロナ感染再拡大の深刻さが、経済回復が頓挫する可能性もある。また、一部地域では、記録的豪雨で生産に影響が出ている。

 2)消費者物価指数(CPI)は前年比+2.7%上昇、うち食品CPIは+13.2%上昇し豚肉価格は+85.7%上昇した。

●3.米国政府「米国証券取引所に上場する中国企業に対する開示条件を強化」

 1)米国市場に上場する中国企業は対抗策として、香港株式市場との重複上場が広がっている。

 2)米議会によると、2019年2月時点で米主要株式市場に上場する中国企業は156社。

 3)米国のルール厳格化には、新興市場のナスダックに昨年上場した中国のコーヒーチェーン「ラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)」など不正会計が相次いだことが影響した。

 4)中国の法律を盾に、米国の監査を拒否する企業も多い。

 5)世界最大の米株式市場から締め出され、資金調達に支障が出る可能性がある。

 6)トランプ政権は、米国の上場基準を満たさなければ撤退を命じると勧告した。

●4.米国の中国アプリ排除に、中国は手詰まり感で対抗策なし

 1)共産党機関紙・人民日報系の環球時報の胡編集長は、「中国が取ることのできる対抗措置は限られている。これが現実だ」と指摘し、打つ手がないことを認めた。

 2)中国は既に体制批判の道具になるとして、米国のSNS(フェイスブック、ツイッター)を禁止している。また、グーグルも2010年に中国からの撤退を余儀なくされている。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)8/3~4、決算発表がピークを迎え、予想1株利益(EPS)が大幅悪化にもかかわらず異常な楽観ムードで予想外に+863円上昇した。

 2)8/5~7、週前半の上昇を受け、日経平均は▲244円安と軟調。

 3)8/11は米国株(NYダウ)高を反映し、上昇して始まりそう。

 4)なお、EPSは7/22に1,271円をピークに、続落し8/7には1,106円と大幅悪化。

 5)強気派で短期筋のCTA(商品投資顧問業者=先物運用専門業者)が前週前半で買い仕掛けをしたが、8/5から売り越しに転じている。外国人投資家の多くは様子見であることに注意。

 6)米国株には買われる材料(追加経済対策・ハイグロース株の存在)があるが、日本株には見当たらないので、株価上昇には限度がある。

 7)コロナ感染終息の不透明感が広がり、企業決算で4~6月期が悪ければ、7~9月期、さらに10~12月期も悪いかもしれないという悲観に傾きやすくなるので注目したい。

 8)データセンター向け半導体の年後半の需要減見通しで、日本市場でもアドテストなど半導体関連株の下げが目立った。

●2.日本でも自治体や企業で、情報流出懸念で、中国アプリ自粛拡大の広がり

 1)既に埼玉県や神戸市などは個人情報保護を名目に、ティックトックに持っていた公式アカウントの利用を停止した。

●3.企業決算(4~6月期)

 1)ホンダ    純損失▲808億円の赤字。本年度の純利益は前期比▲63.8%減の+1,650億円
 2)日清食品   最終利益は2.1倍の120億円。巣ごもりでカップ・袋麺が好調。
 3)トヨタ    営業利益は前年同期比▲98%減も+139億円の黒字。市場予想▲2,068億円の巨額の赤字を、大きく上回った。年間販売台数を当初計画890万台から910万台に引上げ。フォルクスワーゲンは▲3,000億円、GM▲1,280億円の営業赤字だった。
 4)任天堂    前年同期比、売上2倍の3,581億円、最終利益6.4倍の1,064億円。家庭用ゲーム機、人気ゲームソフト「あつ 森」の販売好調。
 5)出光興産   最終赤字▲813億円で過去最大。年間では+50億円の黒字見込む。
 6)日本郵政   純利益は前年同期比▲41.7%減の+787億円の黒字。かんぽ 契約落ち込む。

■IV.注目銘柄(株式投資は自己責任でお願いします)

 ・6758 ソニー    半導体の出直り期待。
 ・6594 日本電産   需要が旺盛。
 ・9843 ニトリ    巣ごもりと円高に強い経営。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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