相場展望8月5日号 日本の8月は特異月、10年連続の外国人売越し、警戒 中国長江・淮河の流域大洪水で中国食糧危機の恐れ(2/2)

2020年8月5日 07:35

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■III.日本株式市場

●1.日経平均は8/3~4は+863円高、6日連続下落▲1,174円に対して+73.5%戻し高

 1)日経平均は8/3、+485年高の22,195円。7/21の22,884円から6日連続下落▲1,172円安となっていただけに、円高もあって買戻しが入りやすかった。

 2)1株利益(EPS)が、7/22の1,271円⇒8/4に1,185円と▲86円減となっており、企業業績の低下が見られる。従って、株価収益率(PER)は8/4に19.04倍まで跳ね上がった。

 3)コロナ禍でも成長期待を背景に高値を付けていたNECなど国内IT株の業績が思いの他悪く、また中国関連のファナックなど、決算発表後に急落する例が相次いでいる。円高懸念も重荷。高いPER、低下傾向のEPSを考えると、当面の高値近辺にあるといえる。

 4)7/31・8/3の2日間だが、米国株を牽引するのがアップルとマイクロソフトの2社だけに投資資金の流入が集中しているというのも気掛かり。

●2.8月の日本株市場は、外国人投資家の10年連続の売り越しという特異月に警戒

 1)過去8月は、「上旬に上昇、中旬以降は大きく下落」というパターンが見受けられる。

 2)理由としては、
  (1)夏季休暇シーズン前の海外投資家のポジション整理が出やすい。
  (2)外国人の買いが少ない。

 3)また、過去8月の日経平均騰落率も、年間で最悪となっている。

 4)さらに、潮目の変化も感じられる。
  (1)円高
  (2)利益確定売りの増加
  (3)個別銘柄選定のシビアさの高まり
  (4)ITやハイテク株のハードルの高まり
 
 5)従って、反騰が期待できる8月上旬に売って、秋の上昇に備えるのが得策とみる。

●3.日本の中国関連株の株価は、中国株式上昇に連動せず

 1)中国では政府の育成支援を受けた建機などの中国企業へ受注が集中し、日本企業には発注が回ってこない構造に変化している。

 2)中国経済復興が、日本の中国関連企業の業績に反映しない状況が鮮明化している。
  例:コマツ、日立建機、ファナックなど

●4.企業決算(4~6月期)

 1)三菱重工  事業利益▲713億円の赤字。
 2)日本製鉄  発足以来最大の最終赤字▲420億円。9月中間期▲2,000億円の赤字予想。
 3)ソニー   営業利益は前年同期比▲1.1%減の+2,283億円の黒字。今年度業績予想は営業利益で前年比▲26.7%減の+6,200億円の黒字。スマホ向けセンサーが不振。
 4)5大手銀行 最終利益は前年同期比▲47%減。コロナ感染拡大で悪化。貸倒れ引当計上が3,165億円に増えたことが響く。

■IV.注目銘柄(株式投資は自己責任でお願いします)

 ・9843 ニトリ    ウィズ・コロナで好調。
 ・6981 村田製    アップル効果。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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