相場展望7月13日号 日経平均は売り圧力が弱まり、8月上旬までは堅調か 8月は売りの特異月のため、8月中旬以降は警戒(2/2)

2020年7月13日 09:12

小

中

大

印刷

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数は上昇し7/9に3,450ポイントと、2年半前の高値(3,559)に接近

●2.中国の新車販売、3カ月連続で前年を上回る

 1)中国自動車工業協会の発表では、6月の新車販売台数は230万台で、昨年同月よりも+11.6%増と2桁の伸びとなった。車種別には乗用車+1.8%、トラックなど商用車+63.1%と大幅伸びで過去最高となり、新車市場全体を牽引した。

 2)理由は、
  (1)地方政府が新車への買い替えに補助金を出した。
  (2)経済活動が本格的に再開し、物流の需要が伸びた。

 3)2020年は前年比▲10%下回る見通し
  (1)2020年初めの販売台数の落ち込みが大きかったため、
  (2)新型コロナ感染をコントロールできた場合でも、昨年を▲10%下回るという、厳しい見方を崩していない。

●3.中国軍が一帯一路に沿って軍事基地化を進めるが、今度はイランのホルムズ海峡に近い島に

 1)今までの中国による軍事基地化の経過
  (1)南沙諸島    南シナ海
  (2)スリランカ   インド南部のインド洋に位置
  (3)セーシェル   アフリカ大陸に近くインド洋にある115の島々からなる小国
  (4)ジブチ     スエズ運河とつながる紅海とインド洋の出入り口のアデン湾に位置

 2)今回、イラン
  (1)イランのキーシュ島を、中国は25年間租借する権利を得て、軍事基地を構える動き
   ・ペルシャ湾のホルムズ海峡に近い島で、面積91.5平方キロメートル、人口4万人、平坦な島で大きな港と飛行場もある。
  (2)合意内容 
   ・中国がイランに4,000億ドルの資金協力(約43兆円)。内訳は、エネルギー開発2,800億ドル、インフラ整備1,200億ドル。
   ・資金協力と引き換えに中国が得られる権利。
     中国はイラン産原油を12%割引で購入できる。
     キーシュ島のリース契約25年間の租借権で、中国が恒久的に軍事拠点を構築。
     中国の施設を警備するために中国兵5,000人がイランに駐留できる。
  (3)イランのメリット
   ・資金が得られる。
   ・イラン産原油の販売先確保。
   ・米国からの攻撃に対し、中国を巻き込んだ防御強化。
  (4)中国のリスク
   ・欧米の西側諸国やインドなど周辺諸国から警戒感を招く。
   ・中東は「異教徒の軍隊」への拒絶反応が強く、過激派から攻撃の標的になる。

 3)イラン政府は合意内容を明らかにせず、中国政府もこの件には沈黙したまま。
  ・特にイラン現政府に様々な立場から批判が噴出し、「イラン国民はこの協定を拒否すべき」とのアフマディネジャド元大統領の主張もある。
  ・亡命イラン人組織「イラン国民抵抗会議」も「イラン史上最悪」と酷評。

●4.2020年は「庚子(かのえね)大禍」の年、2020年はどうなるか?

 1)過去 1840年  アヘン戦争が起こり、欧米列強の半植民地時代が始まる。
      1900年  義和団の乱が起こり、清朝滅亡の契機となった。
      1960年  3年飢饉で5,000万人とも言われる餓死者を出した。
   今年 2020年  新型コロナウイルスで湖北省発中国全土が震撼し、感染者8万人以上。
            夏の大水害(特に湖北省では三峡ダム含む680ヶ所のダムで警戒態勢)

■III.日本株式市場

●1.日経平均は7/13、大幅上昇して始まり、8月上旬までは堅調に推移か

 1)日経平均先物は7/10、NYダウが+369ドル高・26,075ドルと上昇したことにより、夜間取引で上昇し+320円高の22,610円で終了した。

 2)日経平均の上昇を軟調にしていた、上場投信(ETF)の換金売りが7/13以降無くなると予想されることもある。

 3)上昇要因としては、米欧日の中央銀行による前代未聞の金融緩和策と、各国政府の財政出動による景気刺激策の継続がある。

 4)下落要因として、新型コロナ感染者数の増加に株価が反応しやすいことに留意したい。

●2.日本株がボックス相場に陥った理由

 1)新型コロナ感染拡大、7/10に東京都で感染者240人超え過去最多との報道で、景気回復遅れへの警戒が広がる。
  ・最近の株式市場はコロナ感染者数に注目が集まり、市場は反応しやすくなっている。

 2)NYダウと中国株の軟調。

 3)上場投資信託(ETF)の分配金捻出に向けた換金売り(約7,000億円)圧力。

 4)投資家心理を冷やしたファーストリテイの減益と、良品計画の米国の子会社が破産法申請  
  ・減益報道。

●3.日銀短観の発表を見る限り、企業経営者は決して先行きを楽観していないことが鮮明

 1)大企業の先行きは▲27と、低迷が続く見通しとなっている。

 2)どう見ても、「V字型回復」とは言い難く、むしろ「L字型」か「U字型」と評するべき停滞感に陥っている。

 3)よって、企業経営者の慎重な見通しが現実化する可能性が高まっている。

●4.米テスラの株価上昇で時価総額は、トヨタ・ホンダ・日産の合計を上回る

●5.8月は、8年連続下落している特異月なので、8月中旬以降は警戒

■IV.注目銘柄(株式投資は自己責任でお願いします)

 ・4502 武田製薬     買収したシャイヤーの統合効果が期待。
 ・1926 ライト工業    防災・老朽したインフラ対策関連に期待。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

記事の先頭に戻る

関連キーワード日経平均NYダウ中国南シナ海日本銀行(日銀)一帯一路良品計画日銀短観イラン新型コロナウイルス

関連記事

広告