相場展望2月17日号 米国株急上昇vs日本株鈍い動き、その理由は?(2/2)

2020年2月17日 09:53

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■III.日本株式市場

●1.日本株市場のコメント

 1)新型肺炎の拡大による不透明感は根強く、海運や非鉄金属など景気敏感株の売りが目立つ。

 2)決算発表が本格化し、業績が低調な銘柄が売られて、相場の重荷に。

 3)1株利益(EPS)は1,621円(2月10日)まで急低下したため、PERが15倍まで買われたとしても24,315円が天井かもしれない。これ以上の上値追いはリスキーだが、金融相場の流れには勝てない局面もあり得る。

●2.企業業績

 1)2020年3月期の純利益予想は、2019年11月時点と比べ▲1.6%の減益で前期比▲8.4%に下方修正。加えて、新型肺炎で更なる下方修正の可能性が高い。

●3.日経平均予想

 1)1株当たり利益(EPS)と株価収益率(PER)の推移
             EPS    PER    日経平均
    2019年1月04日  1,763円  11.09倍  19,561円 
    2020年2月13日  1,622円  14.69倍  23,827円

 2)上記から、企業利益の低下にもかかわらず、日経平均株価は米国株高に連動して上昇していることが見て取れる。

 3)米国株の強みは
  (1) アップル、アマゾン、グーグルなどGAFA銘柄の巨大成長企業が存在し、米国株式市場を牽引している。
  (2) 強力な自社株買い(2018年度で約77兆円)が株価を押し上げている。
  (3) 米連邦準備制度理事会(FRB)による金融緩和策の支援がある。

 日本株の現状は
  (1)日本を大きく牽引する新たな成長企業が見当たらない。
  (2)自社株買が増加しているが、米国の規模に比べると2019年で4.2兆円と少額で力不足。
  (3)日本銀行による、利下げ余地が無く、更なる金融緩和は望めない。
  (4)新型肺炎が炙り出した日本経済の問題点
   i.高い対中輸出依存度(輸出総額の19%で第2位、第1位は米国)
   ii.外国人観光客の30%が中国(インバウンドへの大きな打撃)
   iii.消費増税でふらつく個人消費

   ⇊

 つまり、
  (1)日本株は、外国人が買わないと上昇しない
  (2)米国株高に連動しないと日本株は上昇できない

   ⇊

 結果として、
  (3)日本株は2018年1月以降の2年余りの間で、24,300円を超えられない
    2018年1月23日  2018年10月02日  2020年1月20日
     24,124円      24,270円      24,083円
   いわゆる『三尊』を形成しており、チャートは次なる下落とも読める。短期3ヵ月間で見ても『三尊』となっている。
    2019年12月17日  2020年1月20日  2020年2月12日
     24,066円      24,083円      23,861円

 日本株の予想
  (1)24,000円程度が天井圏とすると、
     2018年12月25日   2020年1月20日 上昇幅
     19,155円    ⇒ 24,083円    +4,928円
  日経平均予想底値  2月14日比
   i.下げ幅▲38.2%の場合 ⇒ 22,201円   ▲1,882円の下落
   ii.下げ幅▲61.8%の場合 ⇒ 21,038円   ▲2,649円の下落
   iii.下げ幅▲76.4%の場合 ⇒ 20,318円   ▲3,369円の下落
  (2)NYダウは金融相場で3万ドルはあり得るが、日経平均3万円説は無い。
  (3)日経平均が24,000円に接近すると反落するパターンが続いているなか、外資系短期筋は先物で高水準の買いポジションのため、気が抜けない。


■IV.注目銘柄

 ・3753 フライト   電子決済端末や決済アプリを展開。事業が急成長。
 ・1925 大和ハウス  不祥事を嫌って売られただけであり、回復期待。
 ・6998 リクルート  ハイテク企業にとして成長中。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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