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期待かかる水素エネルギー 東芝、東北電力、岩谷産業が世界最大規模のシステムの構成や仕様を検討
国が2015年7月に公表した「長期エネルギー需給見通し」では、2030年度における総発電量に対する再生可能エネルギーの比率については、2013年度の10.7%から22~24%まで拡大を目指すとされている。一方、再生可能エネルギーは気象条件によって発電出力が大きく変動するため、電力系統でこの変動を吸収するために調整力が必要となる。水素エネルギーシステムは、水素を大容量かつ長期間保存できるため、電力を一旦水素に変換して貯蔵することにより、再生可能エネルギーを大量導入した際に、電力系統の調整力として活用が期待されている。
今回、東芝<6502>、東北電力<9506>、岩谷産業<8088>は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発」に共同で提案し、委託事業の採択を受けた。同事業では、福島県内を実証エリアとして、世界最大規模の水素製造装置を備えた貯蔵・輸送、利活用までを含む水素エネルギーシステムの構成および仕様を検討するとともに、事業可能性を調査し、2017年9月までに結果をまとめる予定である。
事業では、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを中心とした電気を活用して、福島県内に設置する最大1万kW級の水素製造装置で水素を製造することにより、電力系統の安定運用に貢献するシステムの検討を行うという。製造した水素は、水素発電装置により電力系統の調整力として活用するほか、液化し東北エリア内外へ供給することを想定している。水素エネルギー運用システム、電力系統側制御システム、液体水素需要予測システムが協調した新たな制御システムにより、水素製造量と水素発電量、および水素ガス供給量の最適運用を目指す方針だ。
東芝は、事業を通じて、再生可能エネルギー由来の水素製造から利活用まで、それぞれのシーンでエネルギーを効率的に使用することのできる水素ソリューションを展開する。
東北電力は、水素エネルギーシステム活用による電力系統の安定運用について検討し、再生可能エネルギーの導入拡大を目指すとともに、引き続き、地元電力会社として福島県の復興に取り組んでいくという。
岩谷産業は、事業における開発・実証が、水素社会の早期構築に寄与するものと考えているとしている。産業用水素の輸送・貯蔵・供給システム関連技術、水素ステーションの建設・運営などの知見をもとに、水素エネルギーの利活用拡大に向けて積極的に役割を果たしていく方針だ。(編集担当:慶尾六郎)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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