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かゆみを抑えて肌を保湿する、日本初のOTC薬
2013年も、残すところあと二ヶ月。ゲリラ豪雨による洪水被害や台風、竜巻など、今年は気象が大きく荒れたことが印象的な年でもあった。気象庁の3か月予報によると、11月は平年と同様であるものの、12月に入ると、日本海側では平年に比べて曇りや雪または雨の日が多いと予測されており、まだまだ年の瀬まで気の抜けない年となりそうだ。
雨や雪の日、寒い日が多くなると、どうしてもエアコンの効いた部屋にこもりがちになる。そうなると、とくにこの季節、女性の大きな悩みの種となるのが肌の乾燥だ。ただでさえ乾燥からくるかゆみが気になるのに、さらに何かしらの刺激が加わると、必要以上にかきむしってしまう。そんな経験をもつ人も多いのではないだろうか。
ロート製薬<4527>の調べでは、2012年の秋冬シーズンの皮膚用薬市場は約460億円となっており、その内訳としては「ステロイド剤」「殺菌・消毒」「かゆみ・保湿」という3つの要素だけで、全体のおよそ約半分の市場を形成しているという。また、その中でも「かゆみ・保湿」が13%を占めていることからも、かゆみや保湿が大きな悩みとなっていることが推測できる。
ところが、意外なことに、薬局やドラッグストアなどで販売されている一般医薬品、いわゆるOTC医薬品では、これまでかゆみ止めの抗ヒスタミン剤と、保湿剤であるヘパリン類似物質が一緒に配合されたものが無かった。そのため、それぞれ別々の薬で対処してきたという人も多いのではないだろうか。しかしこの度、ロート製薬がジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン剤)とヘパリン類似物質(保湿剤)の2つの成分を配合した日本初の処方設計の治療薬「メンソレータム(R)へパソフトクリーム」を発売して、話題となっている。
このヘパソフトクリームは、かゆみを抑えつつ、肌本来の水分保持機能を回復させることで、かき跡も修復して肌の状態を整えてくれるという。肌にうるおいが戻って肌本来のバリア機能が整えば、外部の刺激からも肌を守ってくれるというわけだ。
OTC医薬品は、医師の診断や処方箋がなくても購入できる分、日常の小さな悩みや不調と直結しているものが多い。それだけに薬といえど、いかに使いやすく、顧客のニーズに沿っているかが重要なポイントとなってくる。かゆみ止めと保湿。しかも、医療現場でも実績のある成分「ヘパリン類似物質」が使えるとなれば、ユーザーのOTC医薬品利用の促進にも繋がるのではないだろうか。
医薬品のインターネット販売の規制緩和や、TPPの影響によって医薬品業界も先行きが不透明な今、今回の「メンソレータム(R)へパソフトクリーム」のように、いかにユーザーのニーズを的確につかみ、製品開発に反映させていけるかが、日本の医薬品メーカーにとって、運命の分かれ道になるのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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