10日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で5日続落、中国不動産セクター急落

2025年1月10日 18:00

*18:00JST 10日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で5日続落、中国不動産セクター急落
10日の香港市場は、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前日比176.60ポイント(0.92%)安の19064.29ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が80.82ポイント(1.16%)安の6898.15ポイントと5日続落している。ハンセン指数は昨年9月24日以来、約3カ月半ぶりの安値水準に落ち込んだ。売買代金は1446億9830万香港ドルとなっている(9日は1290億6880万香港ドル)。


投資家の慎重スタンスが継続する流れ。米中の指標発表が気がかりだ。米国では今夜(日本時間22時半ごろ)、金融政策に影響を与える重要指標、昨年12月の雇用統計が公表される。中国では来週13日に貿易、17日に小売売上高や鉱工業生産などと24年のGDP成長率、15日に金融などの統計が報告される予定だ。直近で公表された中国指標は、内需低迷を意識させる内容が多くみられている。このところの下落基調を受けた自律反発狙いの買いなどで、指数は一時プラス圏に浮上したものの、上昇の勢いは続かなかった。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、オンライン医療の京東健康(6618/HK)が5.1%安、パソコン(PC)世界大手の聯想集団(レノボ:992/HK)が4.9%安、中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)が4.8%安と下げが目立った。


セクター別では、中国不動産が安い。融創中国HD(1918/HK)が25.7%、雅居楽集団HD(3383/HK)が9.1%、中国奥園集団(3883/HK)と合景泰富地産HD(1813/HK)がそろって8.6%ずつ下落した。融創中国については、債権者から清算の申し立てを受けたと伝わったこともネガティブ。審理は3月19日に予定されている。業界全体の債務不安が再燃した。


中国保険・証券セクターもさえない。中国人寿保険(2628/HK)が4.8%安、新華人寿保険(1336/HK)が4.7%安、中国平安保険(2318/HK)が4.2%安、第一上海投資(227/HK)が5.5%安、国聯証券(1456/HK)が2.8%安で引けた。


半面、半導体セクターはしっかり。中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.9%高、華虹半導体(1347/HK)が1.5%高、晶門半導体(2878/HK)が1.1%高で取引を終えた。


一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.33%安の3168.52ポイントで取引を終了した。不動産が安い。医薬、消費関連、インフラ関連、公益、資源・素材、金融、ハイテクなども下げが目立った。

亜州リサーチ(株)《CS》

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