10日の中国本土市場概況:上海総合1.3%安で続落、不動産株に売り
2025年1月10日 17:12
*17:12JST 10日の中国本土市場概況:上海総合1.3%安で続落、不動産株に売り
10日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比42.87ポイント(1.33%)安の3168.52ポイントと続落した。昨年9月27日以来、約3カ月半ぶりの安値水準に落ち込んでいる。
様子見ムードが漂う流れ。米中の指標発表が気がかりだ。米国では今夜(日本時間22時半ごろ)、金融政策に影響を与える重要指標、昨年12月の雇用統計が公表される予定だ。中国では来週13日に貿易、17日に小売売上高や鉱工業生産などと24年のGDP成長率、15日に金融などの統計が報告される。人民元安進行の過度な警戒感が薄れる中、指数はプラス圏で推移する場面がみられたものの、引けにかけて下げ幅を広げた。中国人民銀行(中央銀行)は10日、公開市場での国債買い入れを今月から一時停止すると発表するなど、通貨防衛策を強めている。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、不動産の下げが目立つ。華遠地産(600743/SH)が7.8%安、緑地HD(600606/SH)が4.1%安、金地集団(600383/SH)が3.9%安、中華企業(600675/SH)が3.3%安で引けた。一部企業にデフォルト(債務不履行)懸念が浮上。業界の債務問題が再燃した。
医薬株も急落。山東魯抗医薬(600789/SH)がストップ(10.0%)安、江蘇聯環薬業(600513/SH)が7.3%安、河南太龍薬業(600222/SH)が5.7%安、華北製薬 (600812/SH)が5.0%安で引けた。
消費関連株もさえない。チーズ生産の上海妙可藍多食品科技(600882/SH)が5.5%、パン・菓子の桃李麺包(603866/SH)が5.0%、家電の海爾智家(600690/SH)が3.6%、百貨店の王府井集団(600859/SH)が3.2%、酒造の舎得酒業(600702/SH)が3.0%安、化粧品の上海家化聯合(600315/SH)が2.3%、自動車の長城汽車(601633/SH)が1.7%ずつ下落した。インフラ関連株、公益株、資源・素材株、金融株、ハイテク株なども売られている。
一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が2.44ポイント(0.94%)安の256.25ポイント、深センB株指数が9.69ポイント(0.82%)安の1179.15ポイントで終了した。
亜州リサーチ(株)《CS》