8日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で3日続落、政策期待で家電は逆行高
2025年1月8日 18:00
*18:00JST 8日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で3日続落、政策期待で家電は逆行高
8日の香港市場は、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前日比167.74ポイント(0.86%)安の19279.84ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が59.06ポイント(0.84%)安の6990.65ポイントと3日続落した。ハンセン指数は昨年11月26日以来、約6週ぶりの安値水準に落ち込んでいる。売買代金は1683億9710万香港ドルに縮小した(7日は2057億1770万香港ドル)。
前日までの軟調地合いを次ぐ流れ。米長期金利の上昇や、米国の対中圧力強化などが引き続き売り材料視されている。昨夜の米債券市場では、米経済指標の堅調な内容を受け、米10年債利回りの大幅上昇が継続。一時は昨年5月上旬以来の高水準を付けた。米連邦準備理事会(FRB)が利下げペースを鈍化させるとの観測も強まっている。また、米国防総省が複数の企業を中国人民解放軍と関連がある「中国軍事企業」に指定する中、米中関係の悪化で更なる制裁措置が打ち出されるとの不安も漂った。ただ、中国経済対策の期待感や、値ごろ感に着目した買いなどで、朝方はプラス圏で推移する場面もみられている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が7.6%安、電動工具メーカー大手の創科実業(669/HK)が4.7%安、中国自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が4.1%安と下げが目立った。
セクター別では、本土と香港の不動産が安い。合景泰富集団HD(1813/HK)が6.8%、融創中国HD(1918/HK)が4.9%、雅居楽集団HD(3383/HK)が4.4%、新世界発展(17/HK)が2.6%、恒基兆業地産(12/HK)が2.2%ずつ下落した。
半導体やAI(人工知能)関連の銘柄もさえない。晶門半導体(2878/HK)が3.2%安、華虹半導体(1347/HK)が3.1%安、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.9%安、青島創新奇智科技集団(2121/HK)が7.5%安、北京第四範式智能技術(6682/HK)が2.6%安で取引を終えた。
自動車セクターも売られる。蔚来集団(9866/HK)が7.1%安、東風汽車集団(489/HK)が5.1%安、比亜迪(BYD:1211/HK)と広州汽車集団(2238/HK)がそろって1.9%安で引けた。
半面、家電セクターは高い。海信家電集団(921/HK)が7.9%、美的集団(300/HK)が3.5%、海爾智家(6690/HK)が2.9%、TCL電子HD(1070/HK)が1.6%ずつ上昇した。設備更新や消費財の買い替えを促す「以旧換新」政策の拡充が支援材料。国家発展改革委員会と財政部が8日発表したところによると、消費財の買い替えでは、携帯電話機、タブレットパソコン(PC)、スマートウォッチのデジタル製品3品目を対象に加えるほか、エアコンについては、実際の需要を考慮して1人当たり3台までに上限を引き上げた。
一方、本土市場は小幅に続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.02%高の3230.17ポイントで取引を終了した。銀行が上げ主導。ハイテクの一角、公益、食品・酒造、通信なども買われた。半面、自動車は安い。素材、医薬、不動産、証券、インフラ関連も売られた。
亜州リサーチ(株)《CS》