IIF Research Memo(6):既存事業の成長と固定費の削減で利益急伸。営業利益は前年同期比271.3%増加

2024年12月26日 11:06

*11:06JST IIF Research Memo(6):既存事業の成長と固定費の削減で利益急伸。営業利益は前年同期比271.3%増加
■インターネットインフィニティー<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0654500?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><6545></a>の業績動向

1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比7.6%増の2,619百万円、営業利益が同271.3%増の224百万円、経常利益が同217.1%増の227百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同322.4%増の143百万円となった。社会経済活動が正常化し、高齢者の外出意欲や健康への関心が高まりを見せるなど事業環境が好調に推移するなか、ヘルスケアソリューション事業と在宅サービス事業の両事業が揃って増収と好調だったことが全体の売上高を押し上げた。特にアクティブライフ事業に関しては、既存の福祉用具貸与事業が堅調に推移したことに加えて、正光技建が大型案件を受注したことなどが寄与し、売上高が同19.7%増と伸長した。ヘルスケアソリューション事業のレコードブック事業に関しては、不採算店舗の整理や事業効率化を目的としたFC化などを受け、同0.8%減とわずかに減収となったものの、既述の収益性向上を目的とした各種施策の実行に加えて、既存店舗の稼働率上昇などが寄与し、収益性が高まっている。利益面に関しては、ヘルスケアソリューション事業、在宅サービス事業ともに増益となったことに加えて、本社移転による固定費の削減などが寄与した。通期業績予想に対する上期の進捗率は、売上高が51.3%、営業利益が63.1%、経常利益が65.0%、親会社株主に帰属する当期純利益が70.0%となっている。売上高はおおむね想定どおりの進捗、利益面ではレコードブック既存店舗の稼働率上昇に加えて、その他の事業の順調な推移により、想定を上回る進捗だ。

セグメント別の業績は以下のとおり。

(1) ヘルスケアソリューション事業
ヘルスケアソリューション事業の売上高は前年同期比8.1%増の1,797百万円、営業利益は同69.2%増の263百万円となった。

a) レコードブック事業
レコードブック事業の売上高は前年同期比0.2%減の923百万円、営業利益は同54.8%増の192百万円となった。社会経済活動が正常化し、高齢者の外出意欲や健康への関心が高まりを見せるなど、事業環境が好調に推移するなか、FC店は利用者増加などにより、ロイヤルティ収入が増加した。不採算店舗の整理や事業運営の効率化を目的としたFC化などを受け、直営店の売上高は同0.8%減の537百万円とわずかに減少したものの、FCの増収がこれをカバーし、レコードブック事業全体としては同0.2%の減収に留まった。FC店に対しては、FC本部機能強化によって収益の向上をサポートする方針を掲げている。この方針の下、営業活動強化や一部地域でのTVCMによるブランド認知度向上などが稼働率上昇に寄与した。直営店は減収であったものの、稼働率が順調に上昇し、営業利益は同177.6%増の118百万円と急伸した。中長期的な生産性向上を目的としたシステムのリプレイスなどに伴い、FC店は営業減益となったが、直営店の利益急伸がレコードブック事業全体の利益伸長に寄与した。

好調な事業環境と稼働率向上を目的とした各種施策の実行により、稼働率は順調に上昇している。実際、2024年5月にレコードブックの月間利用者数が過去最高の20,000人を突破した後も順調に増加傾向をたどり、2024年9月の月間利用者数も過去最高を更新した。

b) Webソリューション事業
Webソリューション事業の売上高は前年同期比14.1%増の161百万円、営業利益は同42.4%増の33百万円となった。売上高に関しては、仕事と介護の両立支援が同1.7%増の70百万円、メディカルソリューションが同166.6%増の31百万円となったことがが寄与した。仕事と介護の両立支援に関しては、2025年4月の育児・介護休業法の改正に向け、セミナーなどの普及活動を積極的に実施したことが新規顧客の獲得につながった。加えて、中小企業向けに機能を限定したライトプロダクトも新たに市場に投入している。今後、中小企業からの引き合いの増加が想定されるなか、ニーズを取り込む商品構成を整えた。メディカルソリューションに関しては、全体の売上に占める割合は相対的に小さいものの、試験導入をした企業に対して本格導入への切り替えを促進するという基本戦略を推進し、全国のケアマネジャー向け疾患啓発施策を企画段階から行う大型案件を獲得できたことなどが売上高の急伸に寄与した。なお、シルバーマーケティング支援に関しては、同1.7%減となったものの、既存顧客、新規顧客双方から中型の案件をコンスタントに受注できており、おおむね順調に推移している。上流工程から関与することによって案件当たりの単価と収益性を向上させる戦略の下、顧客への提案活動を積極化しており、足元で商談中の案件を受注につなげることを目指している。利益面に関しては、上流工程からの提案活動によって収益性を向上させる戦略が順調に進捗し、売上高の伸びを上回った。

c) アクティブライフ事業
アクティブライフ事業の売上高は前年同期比19.7%増の712百万円、営業利益は同373.2%増の37百万円となった。既存の福祉用具貸与事業が堅調に推移したことに加えて、正光技建が大型案件を受注したことなどが寄与した。正光技建に関しては、インターネットを活用した受注経路の開拓や、新規開拓を推進するための人員配置の最適化などを実行しており、これらの施策が大型案件の受注につながった。また、フルケアの顧客から介護保険外のリフォーム案件を受注するなど、事業活動上のシナジーが順調に発揮され、介護保険制度に左右されにくい収益基盤の構築も進捗している。利益面に関しては、増収効果などにより増益となった。正光技建では、収益性を高めるため、引き続き原価率低減に向けた各種施策を推進する。

(2) 在宅サービス事業
在宅サービス事業の売上高は前年同期比6.6%増の822百万円、営業利益は同11.3%増の197百万円となった。すべてのサービスが増収増益と好調だった。特に新たに譲受した施設介護に関しては、入居者増加による稼働率の上昇が寄与し、黒字に転換した。通所介護に関しては、看護職員の増員により機能訓練加算を新たに取得したことが業績の拡大に寄与した。訪問介護に関しては、既存事業所のサービス提供回数が順調に伸びたことに加えて、2024年6月に千葉県船橋市に新規事業所を開設したことも寄与した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)《HN》

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