23日の香港市場概況:ハンセン0.8%高で3日ぶり反発、本土の銀行に買い
2024年12月23日 18:00
*18:00JST 23日の香港市場概況:ハンセン0.8%高で3日ぶり反発、本土の銀行に買い
週明け23日の香港市場は、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比162.43ポイント(0.82%)高の19883.13ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が69.97ポイント(0.98%)高の7213.85ポイントと3日ぶりに反発した。売買代金は1273億550万香港ドルに縮小している(20日は1784億6010万香港ドル)。
米長期金利の上昇一服が買い安心感を誘う流れ。20日の米債券市場では、インフレ指標の伸び鈍化を手がかりに、上昇が続いた米10年債利回りは低下に転じている。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策で重要視する11月の米個人消費支出(PCE)コア指数(食品とエネルギーを除く)は前月比0.1%増にとどまり(予想は0.2%増)、5月以来の低い水準。FRBの2025年利下げペースが鈍化するとの過度な警戒感もひとまず薄らいでいる。香港は金融政策で米国に追随するため、域内の金利低下も期待された。また、中国の追加金融緩和に対する期待も根強い。市場関係者の間からは、「中国当局は近く、預金準備率を引き下げる」との声も聞かれている。
ただ、上値は限定的。欧米と中国の関係悪化が警戒されているほか、トランプ氏の米大統領就任式を来月20日に控え、米新政権の高関税スタンスも不安視されている。また、香港市場はクリスマスであす24日午後から26日まで休場となるだけに、積極的な取引も手控えられた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が6.2%高、本土最大手行の中国工商銀行(1398/HK)が5.0%高、オンライン医療の京東健康(6618/HK)が3.9%高と上げが目立った。
セクター別では、中国の銀行が高い。中国工商銀行のほか、交通銀行(3328/HK)が3.0%、中国建設銀行(939/HK)と中国農業銀行(1288/HK)がそろって2.9%、中国銀行(3988/HK)が2.6%ずつ上昇した。
ゼネコンや建機などインフラ建設セクターもしっかり。中国中鉄(390/HK)が2.1%高、中国鉄建(1186/HK)が1.2%高、中聯重科(1157/HK)が4.1%高、中国龍工HD(3339/HK)が2.1%高で引けた。
海運・空運セクターも物色される。東方海外のほか、中遠海運能源運輸(1138/HK)が7.2%高、太平洋航運集団(2343/HK)が4.5%高、中国国際航空(753/HK)が5.0%高、中国南方航空(1055/HK)が3.7%高、中国東方航空(670/HK)が2.8%高で取引を終えた。
半面、自動車セクターはさえない。東風汽車集団(489/HK)が6.8%、広州汽車集団(2238/HK)と北京汽車(1958/HK)がそろって2.6%、長城汽車(2333/HK)が1.9%ずつ下落した。
一方、本土市場は3日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.50%安の3351.26ポイントで取引を終了した。不動産が安い。ハイテク、消費関連、医薬、素材なども売られた。半面、銀行は高い。エネルギー、公益、運輸も買われた。
亜州リサーチ(株)《CS》