23日の中国本土市場概況:上海総合0.5%安で3日続落、銀行は逆行高
2024年12月23日 17:04
*17:04JST 23日の中国本土市場概況:上海総合0.5%安で3日続落、銀行は逆行高
週明け23日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前営業日比16.81ポイント(0.50%)安の3351.26ポイントと3日続落した。11月29日以来、約3週ぶりの安値水準に落ち込んでいる。
人民元安の進行が懸念される流れ。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を2日続けて元高方向に設定したものの、外国為替市場では再び元安が進み、19日に付けた約13カ月ぶりの低水準に接近している。中国本土からの資金流出も警戒される状況だ。中国本土・香港間の株式相互取引(ストックコネクト)を通じた取引では、本土投資家の香港株買いが記録的なペースで拡大している。そのほか、トランプ氏の米大統領就任式を来月20日に控え、米新政権の高関税スタンスも不安視された。ただ、下値を叩くような売りはみられない。中国当局は近く、預金準備率の引き下げなど追加の金融緩和を打ち出すとの見方もあり、指数はプラス圏で推移する場面もあった。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、不動産の下げが目立つ。光明地産(600708/SH)が7.0%安、信達地産(600657/SH)が4.6%安、中華企業(600675/SH)が4.0%安、緑地HD(600606/SH)が3.5%安で取引を終えた。
ハイテク株も安い。プリント基板(PCB)メーカーの広東依頓電子科技(603328/SH)が5.5%、フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)が5.3%、アナログ半導体チップの中電科芯片技術(600877/SH)が4.4%、半導体製造装置の瑞芯微(603893/SH)が4.2%ずつ下落した。米国の対中圧力により、国産製品の需要が増えるとの観測が強まる中、先週末まで連日で物色されていたが、この日は売りに押されている。ほか、消費関連株、医薬株、素材株なども売られた。
半面、銀行株はしっかり。中国郵政儲蓄銀行(601658/SH)が3.1%高、中国農業銀行(601288/SH)が3.0%高、中国工商銀行(601398/SH)が2.6%高、中国銀行(601988/SH)が1.9%高で引けた。エネルギー株、公益株、運輸株も買われている。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が5.56ポイント(2.08%)安の261.75ポイント、深センB株指数が7.65ポイント(0.63%)安の1213.14ポイントで終了した。
亜州リサーチ(株)《CS》