レコード誕生から170年 臨場感のある最高峰のハイレゾ音源が家で楽しめる幸せ
2024年12月23日 15:43
スマホで気軽に高音質な音楽が楽しめる時代。しかし、昭和世代の音楽好きの人たちの中にはレコードを懐かしく思い出す人も多いのではないだろうか。
レコードの歴史は1857年に発明家のエドワード・レオン・スコットが世界で初めて音を記録するシステム「フォノトグラフ」を開発したことから始まり、その20年後の1877年、かのトーマス・エジソンが世界初の音を記録・再生する装置を開発したことが最初といわれている。スマホの画面をタップするだけで世界中の数千万曲の音楽が聞ける今では想像もできないが、当時は音を記録し再生するだけでも画期的な大発明だったのだ。
それから約170年。若者たちの間にはレコードはおろか、CDやMDすら知らない世代も増えているという。そして、そんな彼らが今求めているのは、新しい再生媒体ではなく、より良い音質で音楽を提供してくれるデバイス。そこで最近、よく耳にするのがハイレゾリューション音源、いわゆる「ハイレゾ」だ。
一般的な音楽用CDで再生される音楽は、サンプリング周波数44.1kHz、量子化ビット数16bitであるのに対し、ハイレゾ音源は、サンプリング周波数が96kHz以上、量子化ビット数が24bit以上のデータが一般的だ。単純な話、情報量が格段に多いので、高音質を実現することができるというわけだ。しかし、いくらハイレゾで録音された音源でも、再生する機器がそれに見合っていないと、せっかくの高音質も台無しだ。エドワード・レオン・スコットがフォノトグラフで音を記録することに成功しても、その後20年、再生できなかったのと同じである。
ハイレゾ音源はデジタルで録音されているため、音質を決めるのは再生デバイスを構成する半導体部品の性能によるところが大きい。その最重要部品の一つとされるのが、DACチップと呼ばれる、入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換して出力するアナログ・チップ、D/AコンバータICだ。いくら高級なスピーカーやヘッドフォン、イヤフォンなどを使っていても、大元となるDACチップの性能が悪ければ話にならない。
そんなDACチップ、しかもオーディオ向けに特化した製品開発を行っている日本の半導体メーカーがある。ローム株式会社だ。ロームは50年以上に渡るオーディオICの製品開発実績を基に、「音質設計技術」を確立し、高音質サウンド・プロセッサICや高音質オーディオ電源ICなど、音質にフォーカスした製品を開発。中でも、ロームの音質責任者が自信をもって送り出す最高峰のオーディオICにのみ名前を冠するオーディオデバイスブランド「MUS-IC™(ミュージック)」は、国内のみならず海外からの評価も高い。
直近では、今年10月末にMUS-IC™シリーズのオーディオDACチップ第2世代品を発表し、オーディオメーカーはもちろん、音楽ファンからも大きな注目を集めている。
同社が発表した新製品、第2世代のDACチップ「BD34302EKV」は、MUS-IC™シリーズがこだわり続けてきた「空間の響き」「静寂性」「スケール感」の3要素に加え、楽器の音の「質感」をリアルに表現することを目指したもので、透明感や臨場感、解像度、音色など、あらゆる面で、評価の高かった第一世代品を上回っている。同社では「細部にまで妥協を許さないクラフトマンシップを発揮したIC」と自信を覗かせる。
正直、今のオーディオの音質でも十分満足しているし、違いが分からないという人も多いだろう。でも、テレビがブラウン管から液晶テレビに変わった時のように、フルハイビジョンで満足していた映像が、4K映像を体験した途端に霞んでしまったように、良いものを体験すると、もう以前のものでは満足できなくなってしまう。音楽も同じだ。いや、音楽の音質は映像以上にダイレクトに響いてくる。良い音楽を最高の音質で聴くことは、心を豊かにし、生活の質も高めてくれるものだ。
もしも、エジソンが現代のハイレゾ音源を、最高峰のICが搭載されたオーディオで聴いたら、一体、どんな顔をして驚いくだろう。そんなことを考えながら、この時代に生まれた幸せを、大好きな音楽と共に楽しんではいかがだろうか。(編集担当:藤原伊織)