20日の中国本土市場概況:上海総合0.1%安で続落、科創板は続伸

2024年12月20日 16:43

*16:43JST 20日の中国本土市場概況:上海総合0.1%安で続落、科創板は続伸
20日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比1.96ポイント(0.06%)安の3368.07ポイントと続落した。


前日の軟調地合いを次ぐ流れ。米長期金利の上昇が嫌気されている。昨夜の米債券市場では米10年債利回りの上昇が続き、一時、約7カ月ぶりの高水準を付けた。米金融当局が2025年利下げペースの鈍化見通しを示す中、足元ではインフレの警戒感も高まっている。人民元安の進行も警戒。米中金利差を背景に、足元では対米ドルの人民元相場が約13カ月ぶりの元安水準で推移している。ただ、下値は限定的。中国経済対策の期待感が支えだ。朝方公表された実質的な政策金利となる12月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」は予想通り据え置かれたが、年内に預金準備率が引き下げられるとの期待は続いている。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、石炭の下げが目立つ。中国中煤能源(601898/SH)が4.2%安、陝西煤業(601225/SH)が3.7%安、中国神華能源(601088/SH)が3.0%安、エン鉱能源(600188/SH)が2.4%安で引けた。


発電株もさえない。華能国際電力(600011/SH)が2.0%、国電電力発展(600795/SH)が1.9%、中国核能電力(601985/SH)が1.8%、国投電力(600886/SH)が1.6%ずつ下落している。消費関連株、素材株、運輸株なども売られた。


半面、半導体などハイテク関連は物色される。IC設計の上海貝嶺(600171/SH)や半導体製造装置の瑞芯微(603893/SH)、スマート製品の鼎信通訊(603421/SH)などがストップ(10.0%)高し、プリント基板(PCB)メーカーの広東依頓電子科技(603328/SH)が8.6%高、アナログ半導体チップの中電科芯片技術(600877/SH)が5.1%高で取引を終えた。米政府が半導体の対中輸出規制を強化する中、国産品の需要拡大が意識されている。当局のハイテク振興スタンスも改めて材料視された。新興ハイテク株も急伸し、ハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」では、主要50銘柄で構成される「上証科創板50成分指数(Star50)」が1.8%高と続伸している。このほか、軍事関連株、医薬株、銀行・証券株も買われた。


外貨建てB株相場は、上海B株指数が5.30ポイント(1.94%)安の267.32ポイント、深センB株指数が0.81ポイント(0.07%)安の1220.79ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《CS》

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