19日の香港市場概況:ハンセン0.6%安で反落、百度4.2%下落

2024年12月19日 18:00

*18:00JST 19日の香港市場概況:ハンセン0.6%安で反落、百度4.2%下落
19日の香港市場は、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前日比112.04ポイント(0.56%)安の19752.51ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が28.66ポイント(0.40%)安の7152.13ポイントと反落した。売買代金は1428億6960万香港ドルに拡大している(18日は1075億4110万香港ドル)。


投資家の慎重スタンスが強まる流れ。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受け、米長期金利が大幅に上昇したことを嫌気している。昨夜まで開催(日本時間)のFOMCでは予想通り0.25%利下げを決定したが、2025年の利下げ回数見通しを従来の4回から2回に修正。これを受け、米債券市場では米10年債利回りが急上昇し、今年5月30日以来の水準に達している。米金融政策に追随する香港でも域内の政策金利が引き下げられたものの、来年の金利動向は不透明だ。


もっとも、下値を叩くような売りはみられない。11月の中国経済統計が弱い内容となる中、当局は景気支援の動きを強めるとの見方が相場を支えている。エコノミストからは、中国政府は近く金融緩和策を打ち出す見通しとの声も聞かれた。指数は引けにかけ、下げ幅を縮小している。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、中国インターネット検索最大手の百度(9888/HK)が4.2%安と下げが目立つ。自社AI(人工知能)の「iPhone」採用がとん挫したことを嫌気している。外電が19日、消息筋情報として伝えたとことによると、米アップル(AAPL/NASDAQ)が中国で販売するスマートフォン「iPhone」に、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)と北京字節跳動科技(バイトダンス)のAIモデルを搭載する方向で協議を進めているもよう(テンセント株は2.3%上昇)。これより先、百度とアップルはAI使用を巡って協議中と報じられていた。


セクター別では、香港と本土の不動産が安い。恒基兆業地産(12/HK)が3.3%、領展房地産投資信託基金(823/HK)と恒隆地産(101/HK)がそろって2.4%、万科企業(2202/HK)が4.7%、融創中国HD(1918/HK)が2.4%、広州富力地産(2777/HK)が2.0%ずつ下落した。万科企業については、経営不安も再燃している。中国当局が大手保険会社に対し、万科に関連する信用エクスポージャーを報告するよう求めたもよう――と報じられた。


海運セクターもさえない。太平洋航運集団(2343/HK)が2.4%安、中遠海運HD(1919/HK)が2.2%安、海豊国際HD(1308/HK)が1.5%安、東方海外(316/HK)が1.4%安で引けた。


半面、部材などスマートフォン関連は高い。丘タイ科技(1478/HK)が4.6%、舜宇光学科技(2382/HK)が4.4%、高偉電子(1415/HK)が2.8%、瑞声科技HD(2018/HK)が2.0%ずつ上昇した。


一方、本土市場も反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.36%安の3370.03ポイントで取引を終了した。消費関連が安い。不動産、資源・素材、公益、金融、海運なども売られた。半面、ハイテクは高い。通信、空運の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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