日産東HD Research Memo(10):移動の楽しみなど運転の普遍的価値を提供し続ける

2024年12月18日 16:20

*16:20JST 日産東HD Research Memo(10):移動の楽しみなど運転の普遍的価値を提供し続ける
■日産東京販売ホールディングス<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0829100?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><8291></a>の中期経営計画

1. 企業理念
「CASE」や「MaaS」の考え方が広がるとともに、カーボンニュートラルに対する社会全般の意識や、所有からシェアやリースなどへとシフトする顧客の自動車に対する考え方、店頭からオンラインへという顧客の購買プロセス、人口減少や多様な働き方など、同社を取り巻く事業環境の変化が加速している。これに対して同社は、取り組むべき課題として、EV普及によるカーボンニュートラル社会の実現への貢献、個人リースのノウハウを生かした販売、店舗ネットワークや試乗車を生かしたモビリティ事業の拡張、リアルとデジタルを融合しブランド体験を促進する店舗づくり、働き方改革や生産性向上に向けた業務・運営体制の改善などを挙げている。

こうした課題の解消に加え、移動の楽しみや安心・安全・快適な運転といった普遍的価値を提供し続けるため、同社は企業理念「モビリティの進化を加速させ、新しい時代を切りひらく 笑顔あふれる未来のために、わたしたちは走り続ける」を掲げている。そして企業理念の実現へ向けて、「お客さまを笑顔に・働く仲間も笑顔に・チームワーク・プロフェッショナル・チャレンジ・考えながら動く・地域との共生・社会的責任」という8つの大切にする価値観を重視するとともに、長期視点に立ったサステナビリティ経営に向けて、「気候変動への対応、安心・安全な社会の実現、人権の尊重と人的資本の充実、地域社会への貢献」という4つのマテリアリティ(重要課題)を特定し対処する方針である。こうした取り組みを着実に実行していくための通過点として、同社は、電動化リーダー、安全・運転支援技術、モビリティ事業を重点施策とする4ヶ年の中期経営計画(2024年3月期~2027年3月期)を策定し、現在実行しているところである。

2. 中期経営計画の進捗
中期経営計画では、売上面で新車販売台数のコロナ禍前の水準の確保、本業のディーラー事業の増収増益、ストックビジネスでの収益上積み、コスト面で人財・デジタルへの投資強化、設備費・経費の最適化に取り組み、2027年3月期に売上高1,550億円、営業利益65億円、配当性向30%以上などの財務目標の達成を目指した。また、カーボンニュートラルへ向けた動きも推進し、乗用車の電動化比率90%以上の維持、EV販売によるCO2排出量1.6万トン削減という長期非財務目標の達成も同時に目指した。このうち、電動化比率に加え、財務目標の中心となる営業利益については、2024年3月期に3年前倒しで達成し、減益予想の2025年3月期も目標をクリアする見込みである。営業利益の確保が順調だったこともあって、その他の目標もいくつかは達成が視野に入ってきた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)《HN》

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